第139話 平穏な日々と小麦粉作り(スキップ回)
【異世界生活 125日目~128日】
南西の島のダンジョン攻略の為に使ってしまったお祈りポイントを回復させるために何もしない日々。
各自、自分がするべき作業をして1日を過ごす日が続く。
鈴さんはとにかくガラス瓶を増産する作業。たまに飽きると、南西の島のダンジョンで拾ってきた鋼の武器や防具を叩いてナイフを作る作業をしているらしい。
それと、俺は、鈴さんに1日付き合ってもらい、森の中で倒木を削ってカヌーを作ることにした。なんだかんだ言って、本格的な船は必要になる時が来るだろうしな。
鈴さんとアドバイザー女神の秘書子さんに聞きながら、カヌーを設計し、それに沿って俺は大き目の倒木をくり抜く作業をする。
まあ、この作業は長くかかるだろうな。俺が暇な時に趣味でやっているみたいな作業だから。
カヌー作りは木工担当の眷属、トラとアルも手伝ってくれる。
一角と麗美さんは北東の魔物の島の魔物狩りは予想以上に経験値が美味しかったという事で朝から出かけて魔物を狩る日々。
まあ、南西の島のダンジョンが攻略できたら次は北東の島なので、事前に魔物を減らしておいてくれるのはありがたい。
明日乃はトウモロコシの粉をアルカリ処理してマサ粉という粉にする、トウモロコシパンを作る粉作りをしている。
折角収穫したトウモロコシだ。小麦のパンには味が劣るが有効活用したい。
まあ、そのまま粉にして、茹でて牛から少し牛乳を貰い、バターを作り、コーンポタージュモドキも作れるようにもなった。まあ、塩しか調味料がないので味が微妙なのが残念だが。
それもあって、一角と麗美さんが帰ってくると、夕方、最初のダンジョンに潜ってクリア副賞の調味料を取りに行くのも日課になりつつある。
おもに、コンソメスープの素をもらって、コーンポタージュの味を美味しくするのが目的だ。
ちなみに、バターは牛乳をガラス瓶に入れてひたすら振ることで分離して、固体の方がバターになるらしい。この作業は眷属のレオとココがよく手伝っているらしい。
真望はひたすら麻布作り。
琉生は農作業をしつつ、明日乃や真望の手伝いをしている。麻の群生地に行って、麻の茎を切り倒して、土で腐らせる魔法をかける作業もたまにしてもらっている。
そんな感じで、保存食に使うガラス瓶がどんどん増え、麻布を使った服や生活用品も少しずつ増え、生活水準も少しずつ上がってきている。
【異世界生活 129日目 4:30】
「そういえば、流司お兄ちゃん、そろそろ、小麦の乾燥がいい感じに進んだんだけどどうする? 小麦粉にする?」
琉生のそんな朝食の会話で小麦粉を作る作業が始まった。
「これで、とうとう、パンが食べられるようになるんだな」
一角が嬉しそうに騒ぎだす。
「そうだね。少しなら、牛さんから牛乳が貰えるようになったし、牛乳からバターが作れるようになったから、結構美味しいパンが作れるかもね。あと、ニワトリさんから少し卵も貰えるしね」
琉生が嬉しそうに答える。
なんだかんだ言って、農業の方も畜産の方も少しずつだが形になってきた。
ニワトリは現在、ヒヨコをふ化させて数を増やす作業に重点を置いているらしいが、少しなら卵もとれるようになったそうだ。
そんな感じで、俺も、カヌー作りは一時中断、小麦粉作りを手伝う。
一角は魔物狩りに夢中で、麗美さんはそれに付き合わなければならず、人手不足感が半端ない。
「小麦粉が使えるようになるならマサ粉は要らなくなるよね」
と、明日乃が言い、マサ粉作りは終了となり、明日乃も小麦粉作りグループに加わる。
トウモロコシの粉は今後、コーンポタージュスープになる感じかな?
とりあえず、小麦粉だが、以前、麻糸を作る時に必要だからと作った千歯こきを使って麦の穂と実を分ける作業をする。
要は大きな櫛みたいなものに乾燥した小麦の穂を通して、櫛で実だけを落とす作業だ。
そして、鈴さんと木工作業チームの眷属、トラとアルもガラス瓶作りをお休みし何かを作っている。
俺と琉生で交代しながら千歯こきで小麦の実を外す作業。明日乃はふるいで実と藁、そして石やゴミなどと分ける作業をひたすらする。
手の空いた眷属達にも手伝わせるが、かなり地味で時間のかかる作業だ。
そして、麦わらは真望が編んで、御座っぽいものや、穀物を入れる袋を作る。
将来的には鈴さんの荷牛の霊獣や琉生の虎の霊獣が荷物を運ぶときに背負う袋も作ってくれるそうだ。
ふるいでゴミや藁くずを取り除かれた実は、木で作った臼と杵、お餅つきをするような臼にいれて、杵で軽くつき、脱穀作業をする。殻をむいて、食べられる中の部分だけ取り出す作業だ。
臼と杵は以前から必要になるだろうからと琉生が鈴さんにお願いして作ってもらっていたらしい。なんか、知らないうちに農作業分野の道具が増えていた。
そんな地道な作業を続けると夕方になり、一角と麗美さんも帰ってくるので、日課の調味料を取りにダンジョンに行き、日が暮れる。
夕食を食べて、日課のお祈りをして1日が終わる。
一角は今日パンが食べられるのだと思っていたらしく、かなりがっかりしていた。
そんな簡単に小麦粉ができるわけはない。何もない無人島のような世界なのだから。
【異世界生活 130日目 6:00】
今日も朝から小麦粉作りの作業だ。
一角と麗美さんは朝から北東の魔物の島に魔物狩りに向かう。
なんか経験値効率がいいらしく、いつの間にか二人ともレベルが46から48になっていた。
そして、昨日、鈴さんと眷属のトラとアルが作っていたものの正体がわかる。
唐箕と呼ばれる道具らしい。
巨大な四角い箱に手で回す送風機がついていて、ハンドルを回すことで、四角い箱の部分に風が送られる。そして、四角い箱の上にある投入口から小麦の実と殻が混ざった物を入れることで、風の力で、重い食べられる実の部分と軽い殻やゴミを仕分けする装置だそうだ。
箱の横、送風機の反対側からは軽い殻やゴミが飛ばされて出てきて、下からは実の部分が出てくる。しかも実の出口も二つあって、重い実と軽い実が別の出口から出てくる仕組みだそうだ。
とりあえず、昨日、実を外したものを臼と杵でついて殻を外す作業をしながら、臼でつき終わった殻と実はその唐箕に入れて殻と実に分ける。
最後に明日乃がもう一度、ふるいでふるいながら、ゴミを取り除き、やっとこむぎの食べられる部分が選別される。
たぶん、一角が帰ってきたときに、まだパンができていないと泣きそうなので、その作業と並行して、選別された実は早速、石臼で挽いて粉にする。
石臼で軽く引き、まずは『ふすま』と呼ばれる内皮と小麦粉になる部分とに分け、ふるい分けし、内皮を取り除きさらに挽く感じだ。
この茶色い内皮が残っていると、風味はいいのだが、ぼそぼそして食べにくいパンになってしまうそうなので今日は内皮を取り除く。
内皮は別に粉にしてクッキーか何かにしてもいいし、ニワトリや牛の飼料として使ってもいいらしい。
『ふすま』の味は今一つだが、栄養価が高いらしいので粉にしてクッキーにして食べたり、クッキーを非常食として持ち歩いたりするのもいいかもしれないな。
小麦粉は細かい粉にする為に何度も石臼で挽く。
そんな感じで唐箕による実の振り分けと製粉を同時にやりながら小麦粉作りが進む。
眷属も全員協力しての大仕事になる。
途中、お昼になったので、お昼休憩。お昼ご飯を食べてから小麦粉作りを続ける。
明日乃は出来上がった小麦粉でパン作りを始める。
今日のパンは贅沢仕様ということで、牛乳やバター、卵をつかい、干しブドウから作った天然酵母も入れて、ふっくら風味豊かなパンを作るそうだ。
石臼で小麦を挽いている俺の隣で明日乃がパン作りを始める。
明日乃もプロのパン屋ではないので、秘書子さんにレシピを聞きながら作るそうだ。
なんかバターロールを作るらしい。いきなりハードル高いな。
明日乃のパン作りだが、まずは、土器製のボウルに、ぬるま湯、塩、砂糖、牛乳を入れてよく混ぜる。
それに天然酵母と小麦粉の半分入れよくかき混ぜ、よく混ざったら残りの小麦粉を入れてさらによく混ぜる。
よく混ざったら、ボウルから作業用の大きな平らの岩の上に生地を取り出し、ひたすらこねる。途中、明日乃と琉生が交代しながら、手のひらで岩に押し付けるように練って、かき集めて、丸めて、また押しつけるように伸ばして、まとめて、そんな作業を繰り返す。
べたつきのないパン生地っぽくなりだしたら、その生地にバターを加えて、また同じようにこねる。またバターを加えて、練って、かき集めて、バターを加えてまたこねる。
耳たぶくらいの柔らかさになったら出来上がり。
土器のボウルに戻し、乾燥しないように、濡らした麻布のふきんをかけて、温かいところにおいて発酵を待つ。
時々パン生地の様子をみながら40~50分発酵させる。その間に、瓶詰め保存しておいたブドウでブドウジャムも作るらしい。
2~2.5倍くらいにふくれたら発酵完了。生地に指をいれて、指を入れた跡がしっかり残るようなら発酵成功らしい。
まあ、琉生が途中で酵母に話かけていたので、魔法がかかっているのかもな。なんか初めてにしてはありえないくらいの大成功だそうだ。
それを手のひら大に小分けして、丸く丸めて、並べ、乾燥しないように濡れふきんをかけて、10分ほど置き、もう少し発酵させたら、ロールパンの形にする作業。
俺はひたすら小麦を石臼で挽きながらその作業を眺める。
本当なら俺も手伝いたいのだが、小麦を挽く作業が大変過ぎて手伝えない状況だ。
手のひら大に丸めた生地を平らに伸ばして三角形になるように三つ折りにしてさらに二つ折り。円錐状の形にする。
それを綿棒のような丸い棒で引き延ばし、長い三角形のような形にして、短い底辺の方から、頂点に向かって丸めていき、ロールパンのような形にする。
巻き終わりの部分を下にして、お皿に並べて、濡れふきんをかけ、30~40分放置、再発酵させる。
その間に明日乃はピザ窯を準備する。薪を入れて加熱しておくらしい。
そんな作業をしていると夕方になり一角と麗美さんが帰ってくる。
「おお! もしかしてパンを作っているのか?」
明日乃がピザ窯に火を入れているのをみて帰ってきた一角が興奮する。
「今日もパンが食べられないと、一角ちゃんが泣いて不貞腐れそうだったからね。先に今日の分の小麦粉を挽いて、小麦粉作りと並行しながらパンも作っていたんだよ」
明日乃がそう言って笑う。
「でも、今日のパン作りの作業を見せてもらったけど、朝にパンを食べるのは難しそうだな。発酵や生地を練る作業で数時間かかっていたもんな」
小麦粉を石臼で挽く作業に疲れ、眷属達に任せて休憩中の俺は明日乃にそう声をかける。
「そうなのか?」
一角が少し残念そうに聞く。
「まあ、焼きたてに拘らないなら、夕食前に作っておいて、朝、軽く焼いて食べるみたいなことはできるけどね。それか、私が夜中に起きてパンを作るかだね」
明日乃がそう言って困った顔で笑う。
「さすがにそこまですることはないだろ。明日乃が暇で、みんなも揃っている日の午後に多めに作って、夕食に焼きたてを食べる。で、氷室に入れておいて、次の日の朝とかその次の日くらいに軽く焼き直して、食べる感じでいいんじゃないか?」
俺はそう答える。
「まあ、焼き直すのにも電気のオーブントースターみたいに簡単にできるものでもないんだけどね」
明日乃がそう言って笑う。
そうだった。オーブンを使うにも今みたいにオーブンを加熱する作業が必要だったもんな。オーブンというかピザ窯だけどな。
そんな感じで、ピザ窯もいい感じに加熱させられたので、再発酵させた、ロールパンの生地をピザ窯用の鉄板にバターをひいて並べて、最後に艶出しの溶き卵を表面に塗ってピザ窯に入れる。
10分くらい焼いたら出来上がりだ。
「ヤバい、凄くいい匂いだ。しかも懐かしい」
一角がそう言って興奮する。
さっきからパンを焼く明日乃につきっきりだ。
日課の調味料をもらいにダンジョンに行く作業もすっかり忘れてだ。
というか、一角。お前も小麦粉をひく作業を手伝えと言いたくなった。
麗美さんは笑いながら、小麦粉を作る作業を手伝ってくれている。
琉生は夕ご飯を作っているようだ。トウモロコシの粉とダンジョンで手に入れたコンソメを使ったコーンポタージュに、ベーコン、そして、畑で採れたレタスとキュウリとトマトでサラダ作り。生みたての卵も茹でてゆで卵もサラダに加える。今日はなんと、マヨネーズもある。ダンジョンで貰ってきたやつだ。
「なんか、今日は凄いごちそうね」
麗美さんが小麦粉を挽きながらそう呟く。
「小麦粉ができたお祝いだからね」
琉生が嬉しそうにそう答える。
「久しぶりに紅茶もいれるか。砂糖たっぷりの紅茶とパン。最高だろ?」
俺はそう言って、氷室の手前にある食糧庫に紅茶と砂糖を取りに行く。
そんな感じで今日は小麦粉が初めてできた小麦粉祭りみたいなパーティになってしまう。
【異世界生活 130日目 18:00】
「す、凄いな、今日の夕食は」
一角がごくんと唾を飲む。
「ああ、メニューもそうだが、マヨネーズもあるしな」
俺はそう答える。
「コンソメを1回諦めて、マヨネーズを選択したのは正解だったな」
一角がそう言って興奮する。
レタスとトマトとキュウリのサラダにゆで卵、それにマヨネーズがかかっているのだ。
それに厚切りベーコンのステーキ。飲み物は砂糖入れ放題の紅茶だ。
「パンも焼けたよ」
明日乃がそう言って、お皿にいっぱい乗ったバターロールを運んでくる。
「ヤバい、見た目もまんまバターロールだ」
一角がパンを見て興奮する。
「バターもブドウジャムもあるよ。バターはレオとココちゃんとシロちゃんが一生懸命作ってくれたんだからお礼を言ってね」
明日乃がそう言って、ブドウジャムとバターも出す。
一角がレオをこれでもかってぐらい頭を撫でる。麗美さんもココを猫かわいがりする。というか、麗美さんの方が楽しんでいる。
俺は、シロを呼んで撫でてやる。
「というか、小麦粉作り自体も眷属達が手伝ってくれたからできたんだしね」
鈴さんがそう言って、他の眷属達もねぎらう。
そうだな、今回の小麦粉作りは眷属達の協力が大きかった。新しい道具も必要だったし、とにかく地味で時間のかかる作業が多かったしな。
「とりあえず、小麦粉は今日の分をある程度作って、残りは籾の状態で氷室に保管かな? 今挽いている小麦粉がなくなったらまた挽く感じ? 全部小麦粉にしちゃうと腐っちゃったり、虫が湧いたりしちゃいそうだしね」
琉生がそういう。とりあえず、乾燥した小麦から順番に藁から実を取って、袋詰めして保管って感じかな?
まあ、保存する間、虫よけに麗美さんの乾燥魔法とか虫よけハーブとかも活用しないといけなそうだな。
「なあ、食べていいか?」
一角が待ちきれないようでそう言う。
「そうだね、焼きたてのうちに食べようよ」
明日乃がそう言って、みんなで「いただきます」をしてパンにむしゃぶりつく。
「美味~~~ぁぃ」
一角の顔がパンのうまさにとろける。
いや本当に顔がとろけるくらいに美味い。それに懐かしい文化の味だしな。
「なんか、涙が出ちゃいそうなくらい懐かしい味ね」
麗美さんが少し涙ぐむ。
いや、それくらい完成度が高いバターロールだ。
「ま、まあ、発酵とか、琉生ちゃんの発酵魔法で調整したしね」
明日乃が少し照れるようにそう言う。
「魔法っていうか、酵母さんに美味しいパンになってねってお願いしただけだけどね」
琉生がそう言って笑う。
琉生の魔法、万能過ぎるだろ?
「サラダも美味いな。しかも久しぶりのマヨネーズ。ダンジョンの副賞でマヨネーズを選択したのは本当に正解だったな」
俺はそう言ってマヨネーズのついたトマトとキュウリを食べる。
「私に感謝しろよ? マヨネーズを選んだのは私だからな」
一角がそう言ってどや顔する。
「紅茶も美味しいし、ブドウジャムをつけると、バターロールがさらに美味しくなるわね」
麗美さんがそう言ってうっとりする。
「そうなると、ブドウをまた採りに行かないといけないね」
鈴さんがそう言って笑う。
鈴さんはバターロールにサラダを挟んでサンドイッチのようにして食べている。
バターロールとコーンポタージュスープの相性もいいな。行儀が悪いが、バターロールにコーンポタージュをつけて食べるとこれもまた美味い。
「ブドウ以外にも色々果物もあるだろうから、季節ごとに採りに行くといいよね」
琉生も乗り気だ。
「南西の島のダンジョンが落ち着いたら、一度果物狩りにまた行きたいな」
俺はそう言って同意する。
「ダンジョンと言えば、お祈りポイントもだいぶ回復したし、そろそろ、南西の島のダンジョン行くか?」
一角がパンに大満足したようで、そっちの話題に食いついてくる。
「そうだな。小麦粉作りも今日で一段落しそうだし、あとは眷属達に任せて、ダンジョンに行くか」
俺はそう答える。
「そうね、今日の夕ご飯を食べてかなりやる気も出たし、明日臨時拠点に移動して、明後日あたり、再挑戦始めましょうか?」
麗美さんも今日のご飯でかなりやる気がでたようだ。
「そうだね。忘れていたけど、私専用の変幻自在の武器とか手に入ったら農作業がもっと楽しくなりそうだし、行きたいね」
琉生が思い出したようにそう言う。
「そうやって、私の作った農器具や武器は忘れられていくのね」
鈴さんが寂しそうにそう言う。
「す、鈴さんの農器具は眷属達が使うし、ね、ねえ」
俺は慌ててフォローする。
「そ、そうだね。眷属達は変幻自在の武器使えないし、鈴さんの農器具が増えると、みんな助かるよ」
琉生も慌ててそうフォローする。
「わ、私は、調理道具とかもっと欲しいし。さすがに変幻自在の武器じゃ調理道具は作れないしね」
明日乃がそうフォローする。
「そうやって、生活用具を作る鍛冶師になっていくのね。江戸時代以降、平和になって刀鍛冶師が廃れていったように」
鈴さんがそう言ってうなだれる。
なんか面倒臭いお姉さんと化していく鈴さん。
とりあえず、ダンジョンで拾ってくる鋼でいろいろ開発して欲しいとお願いしておく。
そんな感じで、大満足の小麦粉パーティが終わり、明日から、南西の島のダンジョンの攻略が再開するのだった。
次話に続く。
今週もブックマーク1名様、☆1名様ありがとうございます。
7月頃まで更新が週1になりますが引き続きお読みいただけると嬉しいです。