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神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第1章 改訂前作品(改訂終わったら消します)
23/244

第22話 一角の弓矢づくりと麗美さんの探索

【異世界生活 5日目 9:30】


 謎の箱の件も一段落着き、『神精魔法』という新しい魔法も得て、スキルチェックも完了。ぶっちゃけ、あまり使えそうな魔法はなかったな。たき火に火をつけるくらいか? まあ、レベルアップしてから? これからに期待かな?


 そういうことで、午前中は俺と明日乃あすの麗美れいみさんで一夜干し籠作りと干し肉を干す作業を、一角いずみは弓矢づくりでたまに俺が秘書子さんと弓作りを手伝う感じだ。


「とりあえず、弓矢を作るには竹と丈夫な紐と、鳥の羽、鳥の羽を竹につけるためににかわ、なければ樹脂を温めて接着剤代わりにできるらしい」

俺は秘書子さんに聞いて弓矢の作り方や材料を一角いずみに教える。


「ああ、だいたい分かってる。とりあえず、鳥の羽は前にレオがキジを取ってきたときのものがあるし、松脂も昨日見つけることができた。弓は今回、なるべく厚い竹の板1枚を弓にする感じかな? 本当は本物の和弓みたいに、竹を何枚か重ねて接着して強い弓が作りたいんだが、技術も時間もないし、今後暇なときに挑戦する感じだな」

一角いずみがそう言う。とりあえず、今回は命中率や威力は弱いが試作品としての弓が作りたいらしい。

 俺は、変幻自在の武器をナイフに変化させたものを一角いずみに貸す。


「最悪、本格的な和弓ができなければ、さっきの箱に材料入れて神様に作ってもらえばよさそうだしな」

俺はさっきの神様のくれた箱を思い出しそう言う。


「和弓はあの箱にはいらないだろ?」

一角いずみが興味なさそうにそう言う。


「そう言われりゃそうか。箱に入らない大きさのものは作ってもらえないんだったか」

そう言って俺はがっかりする。


「まあ、矢だけは作ってもらえるかもしれないけどな」

一角いずみがフォローするようにそう言う。


「そういえば、弦に使う麻の繊維はどうする? 秘書子さんの話では、水に浸して腐らせないと繊維取れないらしいぞ」

俺は秘書子さんに麻の繊維の取り方を聞いてアドバイスする。


「ああ、明日乃あすのもそんなこと言っていたな。だから、昨日は採取してきた麻の茎とは別に、麻の茎を麻の群生地のそばにあった川に大量に浸しておいた。1週間くらいしたら取りに行く予定だ。で、今日は簡易の弓矢でいいから、採ってきた方の麻の茎からナイフで麻の皮を剥いで繊維を取り出して麻紐にする。川に浸けた方の麻の茎で綺麗な麻紐ができたら弦を張り替えればいいしな。将来的には、弦もさっきの箱でお願いすればいい」

一角いずみ


 とりあえず、明日乃あすの一角いずみが昨日持ち帰ってきた麻の茎を剥いで、表面の皮も剥いで繊維だけを取り出す作業。そして繊維が採りだせたら2本をよって紐にする。繊維が短くなったら結んで終わり、次の麻紐を作り、2本できたら麻ひも同士を結んで1本にする。本来なら綺麗な繊維を取り出し、ずらしながら継ぎ足し、1本の麻紐にしたいのだが繊維が粗いので継ぎ足しでやると失敗してそこからブツリと切れてしまいそうなので今回は短い麻紐を何本も結んで長い麻紐を作る感じだ。

 この作業は大変なので、結局、俺も手伝って大量の麻紐を作ってつなげる。

 今回は丈夫さを重視して繊維を多めに、紐を太めにして作った。結び目もいくつもあり、少し不格好だが仕方ない。

 弓の方は、昨日残しておいた竹のうち、比較的肉厚なものをナイフで縦に割り、適当な長さにナイフで切るとしならせて麻紐を張る。

 さすがにこのあたりは弓道部の一角いずみだ。上手いこと弦を張り、弓っぽい物が出来上がる。


 ビン、ビン。

 一角いずみが弦をはじく。


「悪くないな」

一角いずみが満足そうにそう言って弓は完成する。

 

 矢も竹で作る。適当な細さに割って、先をナイフで削って尖らせる。

 それと、一応の為に矢の尻の部分は麻の繊維を巻いて弦に矢をつがえた時に矢が縦に割れないように補強する。

 まあ、このあたりは一角いずみのこだわりがあるっぽいので俺は見ているだけだった。


「黒曜石が手に入ったらやじりをつけるといいかもな」

俺がそう言うと、一角いずみも「そうだな」と頷く。まずは鳥が射られるくらいの簡易弓でいいそうだが、クマを倒すとなるとやじりは必須だろうし、本格的な和弓っていうものを作らないとクマの皮は貫通できないかもしれない。

 落ち着いたら黒曜石も探しに行かないとな。


 一角いずみが試しに弓で矢を射ってみる。

 矢羽がないと、真っ直ぐ飛ばないみたいで、かなり的に近づかないと当たらないようだ。ただ、木にめがけて撃っていたが当たれば木に刺さるくらいの威力はあるようなので、鳥くらいなら仕留められるかもしれない。

 近寄って逃げなければ。という前提でだが。


「矢羽がないと矢じゃない」

と、一角いずみが言い、松脂から接着剤をつくる。

 まずは、平らな石を鍋代わりにたき火に乗せ、その上に松脂を乗せる。

 石があったまってくると、熱で固体だった松脂が溶けて液体になる。

 その溶けた松脂にたき火から出た灰を混ぜるとインディアンが使っていたと言われる接着剤、パテのようなものができる。

 

 一角いずみはその接着剤をうまく使って矢に矢羽を接着する。

 前に、レオがキジを捕まえてきたときにとっておいた羽を中心の羽軸、固い茎みたいな部分に沿って丁寧にナイフで二つに切り、羽の表と裏が向かいあう様に3枚つける。表と裏で空気抵抗が違うので、これにより矢が回転して飛ぶようになるそうだ。

 そして、羽が取れないように矢羽の前後に麻の繊維を巻き付け、縛り、接着剤で固める。

 秘書子さんが結構細かくアドバイスしてくれたので本格的なものに近い矢ができたようだ。


「あとは、私だけで作れるからいいぞ。矢も数作らないといけないしな。自分の作業に戻れ」

一角いずみはオレが興味本位で見ているのが恥ずかしくなったようでそう言う。



 俺は明日乃あすの麗美れいみさんとレオの干し肉用のかごつくりに合流する。

 籠のイメージは、魚の一夜干しを作るときに使う直方体で中に何段か段になっている魚を干す籠。それに似た籠を明日乃あすの麗美れいみさんと一緒に作る。


「今回は枝ではなく、竹ひごを作って使っているから、結構いい感じのものが作れているよ」

明日乃あすのがそう言う。

 竹を石包丁で細く縦に割って、それを荒縄に刺していき、すだれを作る。そのすだれを6面つなげて直方体に。そしてその中に棚段を4つ、5段分肉を干せる構造だ。本当はもっと間隔をあけて風通しを良くした方がいいのかもしれないが熊肉は20キロ、食べた分や、神様に返してしまった分を差し引いても15キロ前後はあるかな? さすがにちょっと多すぎる。


 俺も二人に混ざって干し籠づくりをする。

 レオはひたすら石包丁で竹ひご作りをしている。コイツ、口と性格は悪いが、真面目で、明日乃あすのには健気なんだよな。


 籠はできたそばから海水に浸けておいた熊肉をどんどん並べていく。麗美れいみさんが夜中に浸けた熊肉はもう半日近くたってるからな。


 そして、作業をしているとお昼になる。

 明日乃あすのは手を止めて、お昼ご飯作りを始める。

 3食連続のクマ肉だ。


「ご飯できたよ。ごめんね、飽きちゃったと思うけど、熊肉だよ。昨日食べたクマ鍋と同じだけど我慢して食べてね」

明日乃あすのが申し訳なさそうにそう言う。


「別に明日乃あすのが悪いわけじゃないし、一生懸命、料理を作ってくれたんだ。感謝しかないよ。それに、無人島でサバイバル生活なんだから逆にわがままは言えない。これからも続くだろうし、こういう生活に慣れないとな」

俺はそう言って、明日乃あすのを励ます。


「まあ、干し肉にしたら多少保存がきくだろうし、合間合間に魚とか鶏肉とか入れてもいいし、バナナ食べてもいいしな」

一角いずみはそう言って生活の工夫を考えているようだ。


「まあ、食べられる野草とか山菜も結構あるみたいだし、色々探すのもいいかもしれないな。午後は探索してみるか? 明日乃あすの

俺はそう言って明日乃あすのを散策に誘ってみる。



「流司りゅうじクン、午後はやりたいことがあるんだけど、付き合ってもらっていいかな?」

麗美さんが食後、午後は何するかという話し合いが始まりそう発言する。


「二人っきりはダメ! 私も一緒に行く」

明日乃あすのがそう言って同行を希望する。


「私は、流司りゅうじクンではなく、一角いずみちゃんでもいいんだけどね」

麗美さんがそう言う。


「3人で行ってくるといい。私はもう少し矢を作りたいからな」

そう言って一角いずみはキャンプに居残りを希望する。


一角いずみは一人で大丈夫か?」

俺が一角いずみを心配すると、


「まあ、明日乃あすのがいても、今の状態だとあまり戦力にならないから問題ない。レオもいるし、倒せない獣が出たら逃げて時間稼ぎするよ」

一角いずみが即答する。


「ひどーい」

明日乃あすのが不満な顔で叫ぶ。

 まあ、確かに戦力としてはあまり期待できないからな。



【異世界生活 5日目 14:00】


 熊肉を干す作業も終わり、別の作業に移る。

 結局、一角いずみの提案どおり3人で探索に行く。

 俺としてもイノシシの毛皮とクマの毛皮も洗いに行きたかったしな。


 麗美れいみさんがしたかったのは虫対策らしい。鑑定スキルを活用して、日本で言う除虫菊のような野草とミントのようなハーブを大量に摘む。

 ミントは虫が嫌う匂いを出すそうで虫よけに使えるらしい。育てるのも簡単らしいので根っこごと持ち帰りキャンプの周りに植えるそうだ。

 それに対し、除虫菊は乾燥させて火で焚くと虫にだけ効く神経毒の煙を出すそうだ。


「まあ、農業とかを始める場合はミントを植えるのをほどほどにしないといけないんだけどね。繁殖力旺盛な雑草扱い、野菜を駆逐してしまう可能性があるらしいから注意は必要だね」

そう言う麗美れいみさん。

 

「蚊やダニは感染症を媒介したり、噛まれた場所が化膿したり、危険だからね。除虫菊は乾燥させてたき火で焚けば殺虫剤になるし、ミントも乾燥させて家の中に入れておけば虫が避けてくれる。ミントを煮だした水は虫よけ液になるから体に塗るといいかもしれないわね」

そう、麗美さんが付け足す。

 さすがお医者さんだ。感染症対策。俺達にはそこまで考える余裕はなかった。


 明日乃あすのは食べられる野草を探して採集。俺はよく分からないので麗美さんと一緒に除虫菊のような草とミントのようなハーブを鑑定スキルに頼りながら採取する。


 ついでに、いつもの泉まで行って竹を持って帰る。シェルターの修理に弓矢と干し肉籠づくり、竹を色々使って使い切ってしまったので補充だ。

 それと、交代で水浴びもして帰る。麗美れいみさんと明日乃あすのがけん制し合っているのでもちろん、明日乃あすのとのいちゃいちゃはナシだ。


 あと、女の子達の水浴びを待つ間、俺は粘土と砂も採りに行く。昨日、クマに土器を半分壊されちゃったしな。

 俺の水浴びの間は、女の子達に下流でイノシシの皮とクマの皮を洗ってもらう。何度か洗わないと汚れや臭いは消えないだろうな。そしてダニなどもついていたら怖いし。


【異世界生活 5日目 17:00】


 そして、キャンプにもどり、洗った皮は、木の間に荒縄を張り、干す。

 根っこごと取ってきたミントはキャンプの周りに植えて、摘んできたミントはみんなのシェルター(家)の中に虫よけとして撒いたり、お湯で煮だしたりして虫よけ剤を作った。

 除虫菊は洗った皮同様、木の間に荒縄を張って吊るして干しておく。乾燥させてたき火に入れると天然の蚊取り線香になるらしい。


「虫よけか。確かにそこまで考える余裕がなかったな」

一角いずみ麗美れいみさんの機転に感心する。


「生活が落ち着いたら、普通の薬を作るのは無理だけど、秘書子さんに聞きながら、漢方薬みたいなものを探してもいいかもしれないわね」

麗美れいみさんがそう言う。

 確かにいいかもな。


【異世界生活 5日目 19:00】


 日も暮れてきたので今日の作業は終了。

 明日乃あすのは晩御飯づくり。

 明日乃あすのがお鍋を使うのでミントを煮出して作る虫よけ剤作りは終了、麗美れいみさんはなにかステータスウインドウをいじったり、土器の干してあるシェルターをうろちょろしたりしている。鍋が一つだと効率が悪いな。鍋代わりの土器が幾つかできるといいんだけど。

 一角いずみと俺は荒縄づくりや石包丁の研ぎ直し、それと、神様から貰った箱にシェルターを作って雨避けにする。

 そういえば、雨降らないな。


麗美れいみさん、何やってるの?」

俺は神様から貰った箱にシェルターを作りながら、そばにある土器を乾かすシェルターで何かをしている麗美れいみさんに声をかける。


「ねえ、流司りゅうじクン、お祈りの力少し使っていいかな? 私の魔法、ちょっと使える魔法かもしれないわ」

麗美さんがそう言う。


「水の魔法だっけ? 明日乃あすのにも相談してからかな? 急ぐ?」

俺は麗美さんにそう聞く。


「いえ、急ぎじゃないし、今日はもう日が暮れちゃったから、明日改めてみんなに相談するわ」

麗美さんはそう言ってたき火の方に帰っていく。

 なにか、いいことを思いついたのだろうか? パンツのようなことにならなければいいが。

 俺と一角いずみも神様から貰った箱の周りにシェルターを作り終えたき火の方へ戻ることにする。


【異世界生活 5日目 20:00】


 晩御飯ができたので、みんなで食べ、今日は少し早めに寝る。

 陽が落ちると本当に真っ暗で、ケモミミ効果で夜目が聞くとはいえ、作業効率はものすごく悪い。陽が落ちたら寝て、陽が昇ったら起きる。早寝早起き、生活リズムを変えていかないとな。理想は19時には寝て、5時には起きる感じかな?

 歯を磨いて交代で睡眠。レオもいて、4人になったので丸々寝られる人が増えたのはありがたいな。

 ちなみに、今日の見張りは、明日乃あすの、レオ、麗美れいみさん、の順番で、俺は、昨日のスキルの後遺症回復の為と丸々寝るように3人に言われた。


 まあ、いつもの感じで、明日乃あすのの見張りが終わると彼女が俺のシェルターに潜り込んでくる。


「今日も寂しくなっちゃった。それと、りゅう君、私のパンティ姿、見たい?」

明日乃あすのが葉っぱのスカートのすそをつまみながら、俺をからかう様に笑いながら言う。麗美れいみさんから貰った昼間のパンティを履いているのだろうか? 妄想が膨らむ。


「み、見たいかな?」

俺はちょっと恥ずかしいが言ってみた。


「りゅう君はエッチだね」

明日乃あすのはそう言って、微笑みながら、葉っぱのスカートの結び目をほどく。

何か久しぶりに見たような錯覚がする真っ白い文明の力を目に焼き付けてしまう。


 今夜は明日乃あすののパンティ―姿と明日乃あすの自身も両方存分に堪能させてもらうかな。

今まで履いていなかった明日乃あすのがパンティを履いて見せてくれるようになった。得しているのだか損しているのだか、わからない気持ちになる俺だった。


 次話に続く。

ブックマーク1名様ありがとうございます。

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[一言] 明日乃ちゃん大胆〜そして神精魔法役立たず… ナレーター「こうして新たな魔法も忘れ去られるのであった」一度ナレーター雇ってみたかったのですw(何回も雇ってるけど…) 後、今度はなんか美味しく食…
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