第114話 レベル上げの続きと予想外の敵
【異世界生活 88日 4:00】
今日も、朝早くから移動して、南東の島にある3つ目のダンジョンでレベル上げ。
真望と鈴さんが作業をしたいとのことで、琉生をレベル上げする。目標はレベル31だ。
明日は鈴さんか真望を引きずってでも連れてきて同じようにレベル31をめざす。
そんな感じで、白い橋の前で休憩がてら朝食を食べ、橋を渡り、現在に至る。
今日も橋の前には魔物はいない。
そのまま、警戒しつつ、ワーウルフのテリトリーと思われる森とハーピーのテリトリーの山の間にある草原の獣道を警戒しながら歩く。
ワーウルフは数を減らされて罠を作り直す余裕もないのだろう。罠は壊されたまま放置されている。
ハーピーはなんだかんだ言って、少し距離を置いて俺達を監視している。
そんな感じで警戒しつつも何も起きないまま、ダンジョン前の広場に。
そしてダンジョンの前には大量のワーラビットがダンジョンの入り口を囲んで守っている。
俺達は思わず、ダンジョン前の広場に入る少し手前で足を止めてしまう。
「多すぎるよな」
一角が少しビビりながらそう言う。
「ええ、100体以上はいるわね」
麗美さんも少し困惑気味だ。
「しかも弓持っているワーラビットもいるよ?」
明日乃が冷静に観察しそう付け足す。
「ああ、かなり組織的な魔物の群れみたいだな。前衛は木の盾持ち、中衛は長い槍を持って、後衛は粗悪そうだが弓矢持ち、かなり集団での戦いに慣れていそうだ」
俺はワーラビット達の異様さにそう付け足す。
「たぶん、格上のワーウルフや空飛ぶハーピーに対抗するために集団戦に特化して成長しちゃったんだろうね」
明日乃が迷惑そうな顔でそう言う。
確かにワーラビット1体1体はレベルが低いし、指揮官らしいワーラビットもやっとレベル22って感じだ。平均するとレベル15前後って感じか?
「さすがにあの弓矢の数だと、獣化義装でも結構なダメージ受けるぞ」
一角が面倒臭そうにそう言う。
「一番前に展開している盾持ちのワーラビットも嫌ね。盾で足止めして、中衛の槍で刺すって感じかしら?」
麗美さんも嫌そうな顔でそう言う。
しかも山の中腹にはいつも通りハーピーが様子見をしている。まあ、明らかに数が少ないので今日はあくまでも監視程度だろう。
「まあ、前衛を魔法で吹っ飛ばして陣形を崩してから突入すればあっさり行けそうな気もするけどな」
一角がそう言って、この間手に入れたばかりの変幻自在の武器を構える。
自分用の変幻自在の武器を手に入れたことで、魔法にかかるお祈りポイントが半分で済むようになり、魔法が使いたくて仕方ないらしい。
「まあ、お祈りポイントも36050ポイントあるから、節約しながらなら何とか魔法も使えそうだが、有事の際に魔法が全く使えないみたいな状況は避けたいな」
俺は一角にそう念を押す。
「有事の際ってなんだよ?」
一角が胡散臭そうな顔で俺をジト目でにらむ。
「例えば、予想もしないような強敵が突然現れたりしたときとか」
俺が一角にそう答えようとしたとき、今まで感じたことのない強烈なゾワゾワした違和感が背筋から首に駆け上がる。
「明日乃!! 結界魔法!! 通常の方だ!」
俺は慌てて叫ぶ。
明日乃はよく分からない顔をして、慌てて呪文を詠唱して結界を張る。
そして、俺達の上を巨大な影が通り抜ける。大きな翼のある鳥のような何かの影が俺達の上を通り抜けたのだ。
そして、ぎゃあぎゃあ騒ぎ出すハーピーと、強風にあおられて吹き飛んだり、地面に伏せて慌てふためいたりするワーラビット。何が起きた?
「なんだ? 今日はワーラビットがダンジョン前にいるぞ。今まで見たことない光景だな。いつものワーウルフはどこ行った?」
俺達の上を通り過ぎた巨大な影はそうワーラビットに話しかける。
喋った!?
俺は冷静に、状況を確認する。
俺達の上を通り過ぎ、ダンジョン前の平原に降り立った何か。
「ド、ドラゴンだ!!」
一角が大声を上げる。
俺達の目の前には5~6階建ての建物くらいだろうか?
巨大で赤い、羽根の生えたトカゲのようなものが二足歩行で立っている。
羽の生えたティラノザウルス? まさにそんな感じの生き物が俺達の前に立ち、ワーラビットを馬鹿にするように声をかけているのだ。
「し、喋っているわよ」
麗美さんもあまりの大きさと存在感におびえている。
そしてなにより、人語を話しているのだ。
「み、みんな冷静に。明日乃の結界もある。大丈夫だ」
俺はみんなに、そして、自分に言い聞かせるようにそう言い、『鑑定』スキルで目の前の魔物を鑑定する。
なまえ フレームドラゴン
レベル 55
二足歩行の巨大な竜。かなり知能がある
翼も生えていて飛行もできる。
全身が固いうろこに覆われており防御力が非常に高い。
噛みつき、ひっかき、尻尾での攻撃と多彩な攻撃。
体内のマナを使い魔法のように火を吐く。
最上級魔法まで使える。
リザードマンが進化を続けると最終形態としてドラゴンになることがある。
「フレームドラゴン、レベル55。火を吐くし、最上級魔法も使うらしい」
俺は冷静にみんなに鑑定結果を教える。
「ヤバいわね。結界のある白い橋まで逃げ切れるかしら」
麗美さんが苦笑いをしながらつぶやく。
「獣化義装でなんとかなるかな?」
一角が麗美さんにそう聞く。
「金剛義装使ったら、そのまま、掴まれて、ドラゴンの巣まで連れて行かれそうよね」
そう言って麗美さんが笑う。
みんなぞっとする。
ドラゴンの巣で、ひたすらマナが切れるまで金剛義装を使い続ける。そしてマナが切れるか脱水か空腹で動けなくなったらその時が人生の終わり。それは最悪な展開だ。
そして、ドラゴンが首をひねり俺達の方を向く。そして視線が合う俺とドラゴン。
完全に認識された。
「見たことない生き物だな?」
ドラゴンはそう言い、首をかしげる。
巨大な魔物ににらまれて動けなくなる俺達。
「いや、何かの記憶にはある。お前達、人間だな?」
ドラゴンが良く分からない言葉を吐く。そして人間を知っている?
少なくとも俺達は初めて会ったし、見られていた記憶もない。
ドラゴンは面白いおもちゃでも見つけたように俺達を見つめると、のしのしと近づいてくる。気持ち顔が笑っているようにも見える。
「どうするの? りゅう君?」
明日乃が俺に聞いてくる。
「喋れるのなら交渉の余地があるかもしれない。何か情報も得られるかもしれない」
俺は明日乃に振り向きそう伝える。
ドラゴンが面白そうなものを見るようにのしのしと歩き近づいてくる。
「交渉? 余地?」
ドラゴンがそう呟き、
「そんなものはない。『焼尽爆炎弾』!」
ドラゴンはそう言い放ち、魔法の詠唱のようなものを唱え、口を開く。
「明日乃、対魔法結界!!」
俺は慌てて叫ぶ。
「間に合わないよ」
明日乃がそう叫ぶより早く俺達は巨大な炎に包まれる。ドラゴンブレスってやつか?
ドラゴンの口から放たれた、巨大な火の塊が俺達の結界にぶつかり、爆炎をまき散らす。
そして、俺達の立っていた場所は巨大な円形のマグマの池になる。
「りゅう君、結界の耐久度がどんどん減って、何度も結界壊されちゃってる!!」
明日乃が慌ててそう叫ぶ。
マグマによる経時的ダメージか? これはキリがなさそうだ。
ただ、ありがたいのは、足元の土も球状に結界で守られているようで足元の土だけはマグマ化していない。
マグマの上に浮かぶ船のような状態だ。
「魔法を使うわ。水の精霊よ神の力をお借りし、魔法の力とせよ!『猛吹雪』!!」
麗美さんがそう言って結界の周りを冷気が覆うがあっという間に蒸発してしまう。周りのマグマが少し固まるが、効果が薄そうだ。
「麗美さん、琉生に任せて」
琉生がそう叫ぶ。
そして琉生は、
「これは、土。これは土、これは土」
と自分に言い聞かせるように何度もそう呟き、琉生も魔法を唱える。
「土の精霊よ、神の力をお借りし、魔法の力とせよ。『土を操る!』
琉生がそう魔法を唱えると、マグマが波打ち、結界の外のマグマが鉄砲水のようにドラゴンに向かって飛び始める。そしてマグマを失った足元が徐々にマグマの底に沈んでいく。
「まだまだ!!」
琉生はそう言い、マグマの鉄砲水をドラゴンに向けて放ち続ける。
お祈りポイントがどんどん減っていく。
ただ、救われるのは、『土を操る!』が生活級の魔法。お祈りポイントが減るのは10ポイントずつだ。
ただし1秒単位でお祈りポイントが10以上ずつ減っているようなそんな感じだ。
「こりゃ、たまらん」
ドラゴンはそう呟くと、琉生のマグマ攻撃を避けるように上空に飛び立つ。
「明日乃! 光の槍、攻撃魔法だ。ドラゴンの翼に穴を開けろ!!」
俺はそう叫び、明日乃も慌てて魔法を詠唱し始める。
「光の精霊よ、神の力をお借りし、魔法の力としたまえ。『光の槍』!!」
明日乃がそう魔法を唱え、手から光の槍がドラゴンに向かって放たれる。
回避不能の光速の槍だ。ドラゴンでも避けられない。
明日乃の手から放たれたレーザー光線のような光の帯はドラゴンの左の翼の太い部分と薄い皮膜のような部分の間に当たり、左の翼がドラゴンの自重で拉げる。
「くそっ!! こいつら!!」
ドラゴンが大声で叫ぶと地面に軟着陸し、琉生のマグマを体に受ける。
ドラゴンは後退りそれを追う様に琉生がマグマの雨を降らし続ける。
いい感じでドラゴンと俺達の間に距離ができてくる。
そして徐々にだが周りのマグマが減っていき、マグマの底が見えだす。
「そろそろだね」
琉生がそう言うと、マグマを操ったまま、新しい魔法を唱え始める。
「土の精霊よ、神の力をお借りし、魔法の力とせよ。『土を掘る』!」
琉生がそう魔法を唱え、マグマ化してできた大穴の壁面に穴を掘りだす。
今度はマグマとは別に、壁面を掘った土が俺達と横穴の間に積もりだし、周りのマグマが流れ込まないようにダム、そして橋の働きをし始める。
そして北西の方角にひとが一人通れるくらいに横穴ができ始める。
「みんな獣化義装を着けて! 合図したら結界を解いて横穴に飛び込むよ」
琉生がドラゴンに聞こえない程度の音量でそう叫ぶと、みんな慌てて獣化義装を着ける。
そして、最後に琉生が獣化義装を纏い、合図とともに、琉生が作った橋を渡り、横穴に飛び込む。
そして、高速で横穴を掘り続ける琉生。俺達は早歩きで琉生を追う。
琉生はそのまま、マップウインドウを開き、地図を見ながら地中を掘り進んでいく。
氷室を作った時より細い横穴なので掘り進むペースは速い。
地中を大分進んだところで
「みんな、お祈りポイント無くなると大変だから、一応、今日の分のお祈りもしちゃおう?」
明日乃がそう言うので、一度足を止めて琉生以外お祈りをする。
そのまま、横穴を掘り進め、そして徐々に横穴が斜めに、上の方に向いていき、見慣れない森の中に横穴が口を開く。
「これで、ドラゴンを撒けたらいいけどね」
琉生がそう言って笑う。
一応俺が『危険感知』のスキルを使いながら外に出る。白い橋からほど近い、森の中に出たようだ。
首筋の違和感はない。ドラゴンから一応逃げられたようだ。
一度穴の中に戻り、休憩がてら作戦会議を始める。
「なんだよ、あのドラゴン?」
一角が不満を爆発させるようにそう叫ぶ。
ただし、ドラゴンに見つかるのを怯えているのか声を抑えている。
「あの炎はヤバイわね。周り一面がマグマになったわよ?」
麗美さんが自分の魔法が焼け石に水だったことにがっかりするようにそう言う。
「でも、琉生ちゃんの機転でよく切り抜けられたよね」
明日乃がそう言って、琉生の頭を撫でる。
琉生が嬉しそうに笑う。
確かに、マグマを土と認識して操り、逆に武器として使ったのは見事だった。
ただ、お祈りポイントはほとんど使い果たしてしまった状況だ。
「そういえば、レベル55とかって、この世界、レベル50がカンストとか言ってなかった?」
明日乃も不満そうにそう言う。
「あくまでも、ランクアップ的なレベル上限は50でして、51以降は同じペースで上がり続ける、おまけのようなレベルアップが続きます」
アドバイザー女神様の秘書子さんがしれっとそう言う。
「ちなみに最大レベルは100となっています」
さらにしれっと付け足す秘書子さん。
「なんだそりゃ? まるでゲームだな」
一角が呆れ声でそう言い、みんなも呆れる。
俺は子供のころにやったRPG、魔王を倒した後にセーブで戻って魔王を倒さず、ひたすらレベルを上げる遊びをしたことを思い出す。
「というか、あれは何なんです? 日本語喋ってましたし、人間の事を知っているみたいでしたけど」
俺はちょうど秘書子さんが出てきたので気になっていたことを聞く。
「不確定要素です。魔物の発生において、不具合が起きたようです」
秘書子さんが歯切れの悪い回答をする。
「俺たち以外にも人間がいるのか? それともいたのか?」
俺はさらに秘書子さんに聞く。
「少なくとも、この世界には、リュウジ様達以外に人間はいませんし、いたという歴史もありません」
秘書子さんがさらに歯切れの悪い回答をする。
「それなのに、なんであのドラゴンは人間を知っていた?」
俺は分からないことすべてを秘書子さんにぶつけるように問い詰める。
苛立ちからか、敬語など忘れてしまう。
「不確定要素としか説明ができません」
秘書子さんがそれ以上説明できないとでも言う様に答えにならない答えをする。
俺は諦めるようにため息を吐き、麗美さんも呆れ顔で手を広げ、降参のポーズをする。
「とりあえず、ドラゴンは今どうしているか分かる?」
俺は秘書子さんにダメもとで聞いてみる。
「大体の位置ですが、ダンジョンの入り口付近にいるようです。多分ですが、アスノ様の攻撃で空を飛べなくなり、回復するまでの間、ワーラビットやハーピー達と戦って休む場所、安全地帯を作ろうとしているのではないかと予想できます」
秘書子さんがそう言う。
一角達が魚とりをするときに使うサメレーダーと同じような、秘書子さんのなんとなく場所が分かるレーダーは健在のようだ。
「明日乃ちゃんの魔法で翼を攻撃しておいて正解だったわね。白い橋の入り口で待ち伏せとかされたら詰んでたもんね」
麗美さんが安心した顔でそう言う。
「とりあえず、ドラゴンが戻ってこないうちに白い橋に急ご?」
琉生がそう言うので俺は頷き、警戒しつつ、早歩きで森を抜け、目の前に何もない事を確認して、明日乃に全速力で白い橋に走り込ませ、俺達も周りを守るように走る。
何とか無事に白い橋の上、元の島を守る結界の中に入ることができ一息つく。
ただ、ここだと、またドラゴンが寄ってきそうなので、みんな無言で橋を渡り、元の島まで帰りつく。
結局、ダンジョン攻略もできなかったので、時間はまだ、朝の7時だ。
【異世界生活 88日 7:00】
とりあえず、落ち着いて休憩をする。
みんな水筒を取り出し、水を飲む。
「とりあえず、今日はお祈りポイントが残っていたから助かったけど、当分は、お祈りポイントが回復するまではダンジョンでレベル上げは難しそうだな」
俺はみんなにそう言う。
お祈りポイントを見ると、横穴の中で今日の分をお祈りした3750ポイントを足した、5000ポイント弱くらいしかお祈りポイントが残っていない。
「そうね。少なくともお祈りポイントが40000ポイント。それくらいないとあのドラゴンともう一度会ってしまった時に逃げられる自信はないわね」
麗美さんが頷き、そう付け足す。
「ぶっちゃけ、琉生がぶつけたマグマ? ほとんど効いてなかったっぽいし、火には強いかもしれないね」
琉生が冷静にそう言う。
「まあ、口から火を出すぐらいだからな。その可能性はあるな。あと、鑑定結果からすると、物理攻撃もあまり効果なさそうだ」
俺は固いうろこの部分を説明しながらみんなにドラゴンの説明をする。
みんな、余裕がなくて『鑑定』できていなかったようだ。
俺は分かる限りの情報をみんなと共有する。
と、いっても、『鑑定』スキルで分かった数行の特徴だけだけどな。
それと、秘書子さんの話では、ドラゴンブレスみたいな魔法もマナを使った原初魔法の一種らしく、連射はできず、次の炎を放つには30分以上待つ必要があるそうだ。
あんなものを連射されたら、命がいくらあっても足りないしな。
それに、ドラゴン自身もあれを使うとマナ=経験値なのでレベル上げ的に大赤字になるそうでむやみに使える物ではないそうだ。
「倒すとするなら、私達もレベル50以上になって最上級魔法ってやつを覚えるしかなさそうね。明日乃ちゃんの魔法も効くみたいだけど、何発撃ったら倒せるか分からない程度のダメージっぽかったしね」
麗美さんがそう言って笑う。
「まあ、明日乃の狙いはよかったぞ。翼のちょうどいいところに当たっていたみたいだしな」
俺はそう言って明日乃を褒める。
「なんとなくだよ。薄い羽の部分なら貫通できそうだけど、ダメージ自体は少なそう、翼の太い部分に当たれば効果高そうだけど貫通できる自信がなかった。だからその間を狙った感じかな?」
明日乃がそう言って笑う。
結構冷静に計算していたんだな。俺は明日乃の才能に驚かされた。
結果最善の効果を出してくれたし、明日乃の機転を利かした狙いどころには脱帽だ。
「でも、ほんと、流司クンと明日乃ちゃんの作戦が成功してよかったわ。ドラゴンが追いかけてこなくなったし。あと、琉生ちゃんの冷静な判断もね」
麗美さんが改めて俺達を褒めてくれる。
「まあ、でも、麗美さんの氷の魔法を連射して、マグマを固めるって作戦もとれたかもしれないけどね」
俺は最初その作戦でいくつもりだったのでそう答える。
「まあ、氷の魔法でマグマを固められたとしてその後どう逃げるか思いつかないけどね」
麗美さんがそう言って笑う。
確かにそうだな。結局、明日乃の光の攻撃魔法でダメージを与え続け、けん制して走って逃げる感じかな?
どっちにしろお祈りポイントが空っぽになりそうだ。
「とりあえず、帰ろ? みんなも疲れちゃったみたいだし」
明日乃がそう言い、みんなも頷く。
「とりあえず、明日は一日ゆっくりしましょ? お祈りポイントが空っぽだし、今無理しても何もうまくいかなそうだしね」
麗美さんがそう言って笑い、みんなも笑い、立ち上がる。
そうだな。とりあえず、2~3日ゆっくりしてから先の事を考えればいい。
笑ってはいるが、みんなドラゴンのけた違いの強さに心が折れそうになっているかもしれないしな。
次話に続く。




