第113話 5人目の眷属と氷室の完成。みんなのレベル上げをする(スキップ回)
【異世界生活 83日 18:00】
南東の島の3つ目のダンジョンを攻略した後、拠点に戻り、一角が希望した通り、1つ目のダンジョンにも潜り、調味料を確保した。
お酒を貰い、以前、貰った醤油と以前作った砂糖を合わせてすき焼きにする。ダンジョンドロップの鶏肉と琉生の畑で採れたネギですき焼きを作る。
生卵をつけて食べたかったが、さすがに元の世界の卵のように生食できるかは謎だったので生食は避ける。それと、琉生としては今の段階では卵はヒヨコを孵してニワトリを増やす方向で使いたいそうだ。
今日も鈴さんと真望は改良型はた織機作りでふらふらになっていた。作業が細かすぎてかなり苦戦しているようだ。
【異世界生活 84日】
今日は予定通り、休日にする。少し遅めに起きてゆっくりする。
琉生は午前中、農作業や鳥の世話をしたいというので、俺も手伝い、午前中は軽く作業をしてお昼前くらいから休日という感じだ。
鈴さんも真望も今日ははた織機の作業を忘れて休ませる。
遠出するのもつかれるので、今日も、田んぼ用に作ったため池、いや、琉生の土魔法でほぼコンクリート製の学校のプール状態のため池で水遊びと日光浴、そしてバーベキューをする。
麗美さんと鈴さんはいつも通り日陰でビーチチェアに寝そべりまったりしている。
そして、真望も今日は珍しく遊ばずに麗美さん達と一緒にぐったりしている。
よほどはた織機の組み立てで疲れているのだろう。ちょっと手伝ってやりたくなった。
お昼ご飯は鶏肉と野菜を焼いてバーベキューに。焼肉のたれもあるので鶏肉でも結構バーベキューっぽく楽しめた。
それと、一角が自分専用の変幻自在の武器、風の精霊の剣を手に入れたので、一角の眷属、アオを風の精霊の剣につなぎ直す。
これで、俺の使っている変幻自在の武器、実際の所有者は明日乃の光の精霊の剣だが、これに居候している眷属は俺の眷属、レオと琉生の眷属トラだけになった。
なので、明日乃も自分の眷属を召喚することにしたらしい。
明日乃の眷属は真っ白いウサギ。二足歩行で歩くウサギだ。なんか中世風の洋服も着ている。ちょっとダンジョンで倒しているワーラビットっぽいが、二回りくらい小さいし、秘書子さん曰く別物だそうだ。まあ、巨大な〇ルバニア〇ァミリーのウサギって感じだ。
「初めましてご主人さま」
白いウサギの眷属が礼儀正しく挨拶する。明日乃に似ているのか礼儀正しく、内向的な感じ?
「うわ~、可愛い。しかもふわふわのモフモフだよ。肉球もぷにぷにだよ」
明日乃が興奮してその兎を触りまくり、抱きしめまくる。
「明日乃、名前は決めたのか?」
俺は気になって聞いてみる。
「え? 名前はもう決めてるよ。真っ白いから、シロちゃん。可愛い名前でしょ?」
明日乃は当たり前のことを言う様にそう答える。
明日乃はたまにこういうところがあるんだよな。ちょっと自分の世界に入っちゃうみたいな? まあ、俺は慣れっこだが。
「お前はそれでいいのか? 名前はシロで?」
俺はそうウサギの眷属に聞く。
「うん、いいよ。ご主人さまがつけてくれた名前だし」
ウサギの眷属も気に入ったようだ。
「よろしくな、シロ」
俺はそう言って、シロと握手する。他の眷属よりクセがないので仲良くやれそうな気がする。
ちなみに夕食の時に、シロは草食だと判明する。肉も食べられないことはないらしいが、圧倒的に野菜派だそうだ。
ダンジョンに行ったときにニンジンとキャベツも持って帰ってきてやらないと食料難になりそうだな。
そんな感じで眷属も5人になりさらに雑用のペースが上がる。
最近、薪を拾いにいったり、麻の茎を叩いたり、荒縄を編んだり、そして塩を作ったりする必要がないのは眷属達のおかげだったりする。
その他、木炭作りあたりも眷属達がしてくれていたり、琉生の農業や鳥の世話も結構手伝ってもらったりしているようだ。特に新しい眷属、シロは農作業を手伝いたいらしい。自分の食べるものは自分でという発想のようだ。
なんか、そのうち、明日乃の眷属というより琉生の眷属になりそうだな。
【異世界生活 85日】
今日からは当初の予定通りレベルアップが遅れている真望と鈴さんのレベル上げ。全員とりあえずレベル40になってから、レベル41をめざすのが今回のレベルアップの目的だ。
なんか鈴さんが先にレベル上げてゆっくりしたいとやる気なので、留守番は真望と琉生。
俺、明日乃、一角、麗美さん、鈴さんで南東の魔物の島の3つ目のダンジョンでレベル上げをする。
一角としては一番多く調味料が貰えるから。という理由もあるらしい。確かにダンジョンの難易度が上がるごとに徐々に副賞の調味料の量が増えている気がする。
まあ、俺としても経験値効率がいいので3つ目のダンジョンでレベル上げをしたい。
そんな感じで、朝というより夜の1時に起きて、松明片手に南東の島をめざす。
ワーウルフはかなり数を減らし続けたのでダンジョン前に敵はいない。いつも通りハーピーは遠くから見ているだけ。戦闘をせずにダンジョンに入ることができる。
前回同様、低レベルな敵しか出ない1階、2階はパスして3階から攻略。
4階、5階と全ての敵を倒し鈴さんはレベル39になる。目標のレベル40には微妙に足りなかった。
鈴さんの鉄製装備が揃い、予備装備も揃ったので鈴さん自身は満足そうだ。
はた織機作りが終わったら、鉄を焼き入れして鋼にするらしい。
副賞の調味料は焼き鳥のタレを貰う。
貢献ポイントで俺のレベルは39に、一角はレベル38に、麗美さんもレベル39になった。
その後、いつも通り外で待ち構えていたハーピーを半分以上片付け、拠点に帰る。
残り時間で1つ目のダンジョンの調味料も貰う。今日は調理酒だ。ついでに、1階のウサギ型のウッドゴーレムも少し倒し、新しい眷属のシロの夕ご飯の野菜も確保する。
そんな感じの作業を3日続け、真望と琉生のレベルを上げる。
【異世界生活 86日】
今日は琉生のレベル上げ。真望が今日中にはた織機ができるそうなので休みたいということでだ。
鈴さんと真望が留守番で機織り機作り、他メンバーが昨日と同じレベル上げ。
琉生はすでにレベル37だったので、5階の途中で比較的早めにレベル40になる。
どうせ全員レベル41にするのだから。ということで、そのまま、琉生に敵のとどめを刺させ経験値を貯めるが、レベル41になるには全然足りなかった。
レベル40からレベル41になるにはランクアップと言って余計に経験値が必要になるからだ。もちろん、レベル42以降も同じように必要な経験値が跳ね上がる。
副賞の調味料は醤油を貰い、1つ目のダンジョンも攻略し鰹節を貰う。
レベルアップもそうだが調味料の在庫も徐々に増えつつある。
そして、夕方、鈴さんと真望が苦労して作っていた改良版のはた織機が完成する。今までより細い糸で目の細かい麻布が織れるようになったそうだ。
それと、南の島の二つ目のダンジョンでドロップした絹糸で布を織ることもできるようになったそうで、真望となぜか明日乃も喜んでいた。
新しい眷属のシロも順調そうで、レオやココあたりと組んで上手くやっているようだ。
【異世界生活 87日】
今日は新しく完成した改良型はた織り機で布を織りたがっていた真望を引きずって連れ出し、真望のレベル上げをする。
留守番の琉生と鈴さんはお祈りポイントが89650ポイントも貯まっているとのことで、途中で中断していた氷室、冷蔵庫モドキをお祈りポイントをフル活用して完成させるそうだ。
今日のレベル上げは俺と明日乃、一角と麗美さん、そして真望だ。
昨日同様、南東の島の3つ目のダンジョンでレベル上げをし真望がレベル39になる。
それ以外のメンバーはレベル41に上がる時にある『ランクアップの壁』に阻まれレベルアップはなかった。
副賞の調味料は味噌を貰い拠点に帰る。
とうとう、ハーピーも数が揃えられなくなったのか、帰りのお迎えもなしになった。
あとはワーラビットがどう動くかだろうな。
拠点に帰ると、鈴さんと琉生が満足げな顔で迎えてくれる。
「流司お兄ちゃん、氷室完成したよ。あとは麗美さんに氷の壁』で氷を作ってもらうだけで冷蔵庫完成だよ」
琉生が嬉しそうにそう言う。
眷属達も、拠点の防衛や、氷室の壁に使う石の運搬など色々手伝ってくれたらしい。
そのまま、俺達は、氷室を見に行く。
そして、なぜか、氷室の案内にシロがついて来る。
「シロちゃんは凄いんだよ」
琉生が何故か興奮しながらシロを褒めている。
そして、琉生が頷くと、シロが魔法を使い、明日乃の使う魔法と同じ、光の玉を出す魔法を使う。
そして真っ暗な氷室の中が光で照らされる。
「ね? 凄いでしょ。明日乃お姉ちゃんと同じ光魔法が使えるんだよ」
琉生が何故か自慢げにそう言う。
「生活魔法が少し使えるだけだよ」
シロが恥ずかし気にそう言う。
ちなみに他の眷属で魔法が使えるのはココだけで、ココは水や氷を少し出せるそうだ。主のINT依存ってことか?
そして、精霊に力を借りているそうで、使える魔法は生活魔法程度と限られているらしい。
そんな感じで、シロの光魔法を頼りに氷室を見て回る。
深さが前回の倍になっていて、一番奥は壁で六面囲まれた倉庫になっていて、入り口には重厚な木の壁が二重に付けられていた。
「保温の為に、入り口の部分の壁と扉は2重になってるんだよ」
琉生が自慢げに教えてくれる。
うん、かなり立派な氷室ができたな。
その後、みんなで土器を使って大量の水を運び、その水を原料に麗美さんに大量の氷を氷室に作ってもらう。
氷室の周りの土が常に低温を保ち、麗美さんの氷がさらに温度を下げる。そんな仕組みだ。
「これで、保存食とか腐りにくくなるね」
明日乃が嬉しそうにそう言う。
たしかに、干し肉や干した魚、保存食とはいえ、限りがある。
「生肉も2~3日なら保存できそうだな」
一角も嬉しそうだ。
「野菜や穀物の保管にもいいかな? 虫がつかなそうだし」
琉生も氷室の出来に満足そうだ。
ちなみに氷室の氷の管理は麗美さんの眷属、ココがやってくれるそうだ。
1日に作れる氷の量は限られているらしいが、1日で溶ける量より多くの氷は作れるし、氷自体あまり解けないだろうと鈴さんは予測している。
今日の氷室の建設と氷の設置でお祈りポイントを62000ポイント消費、残りが27000ポイント近くまで減った。ただ、最近は1日の回復量が6000ポイントから9000ポイントに増えたので、結構お祈りポイントには余裕を感じられるようになった。お祈りポイントを魔法で使い放題という時代も来るかもしれない。
氷室のお披露目後、いつも通り、1つ目のダンジョンで調味料の回収と野菜の回収をし、日が落ちる前に拠点に帰り、夕食を食べる。一昨日ダンジョンで貰った焼き鳥のタレでとり肉を食べる。
明日は琉生のレベル上げをする予定だ。
真望は新しいはた織り機で布を織りたいし、鈴さんはダンジョンで拾ってきた鉄を焼き入れして鋼にするらしい。俺も鍛冶作業にはちょっと参加したかったが、一角に却下された。レベル上げ優先らしい。
明日も朝早いので日課のお祈りをして早めに就寝する。
次話に続く。
仕事が多忙の為、3月いっぱいは更新が遅れそうです。なるべく土日は更新する予定ですが、仕事が忙しすぎて執筆時間がなかなか取れない感じです。申し訳ありません。
コロナ禍も解消されつつあり仕事も増えている感じです。
あと、小説家になろうのプラットホームがモデルチェンジされて今日は変更点に結構苦戦させられましたw
眷属のシロは少し設定を抑えましたw 眷属7人、主人公とヒロイン7人で登場キャラが過多かなって感じたので、改訂後はあくまでもお手伝いキャラ程度に抑えようかなと。
登場人物が流司と明日乃二人だけで眷属いっぱいみたいな小説もいいなと思いましたが、書き直す気力と時間がありませんw
あと、書き直すならダンジョンは3つくらいでいいなと思いましたw 7つは多すぎました・・・。
カクヨムで書いた時に足りなかった盛り上がり不足を補うのと話のテンポアップの為にダンジョンを追加しましたが、最近、これ、贅肉なんじゃないか? と思う今日この頃、ドロップアイテムでリアルサバイバル感もどんどん薄れるしw
ダンジョン描写は多すぎるとダレる。学園物の授業やイベントと同じ原理ですね。勉強になります。
改訂、もしくは次回作の肥やしにしたいと思います。




