第112話 南東の島のダンジョンを攻略する
【異世界生活 83日 9:00】
現在、俺達は、南東の魔物の島にある、3つ目のダンジョンを攻略中。
5階のボス、ダンジョンのラスボスのいる部屋の前で戦闘準備と休憩、そして作戦会議中だ。
「とりあえず、琉生の着替えも終わったみたいだし、ボス部屋を覗いてみるか」
俺はそう言い、いつものボス部屋ののぞき見をする。
扉を少し開けて、ちらりと覗く。一角や麗美さんも俺の後ろからちらりと覗く。
「レベル38のワーウルフね。まあ、レベル41越えじゃなくてよかったわ」
麗美さんがそう呟く。
俺も覗きながら、鑑定スキルで鑑定。魔法は今までと同じ魔法を使う感じのようだ。
見た目は今までのウッドゴーレムと一緒。少しだけ大きくて、武器は大きな両刃の斧を装備している。
取り巻き達は今まで通り、両刃の長剣と小盾の装備だ。
「見たこともない魔法使われる可能性はなくなったわけか。それにレベル38なら流司が補助魔法掛ければなんとかなりそうだな」
一緒に覗いていた一角はそう呟く。
まあ、俺のレベルは現在37。獣化スキルの補助魔法をかければレベル39~40くらいの魔物に対応できる素早さが得られる。
「麗美さんは大丈夫? 魔法を受ける役を俺が代ろうか?」
俺は最初からずっと魔法を受ける役をやっている麗美さんを心配する。
金剛義装という魔法攻撃と物理攻撃を無効化する魔法を使って魔法を受けてもらっているが、完全にダメージをゼロにできているわけではないらしく少し心配になる。
「まあ、あと、1戦だし、これが終わったら少し長めの休暇が欲しいかもね」
麗美さんが笑いながら冗談半分でそう答える。
「そうだね。この戦闘が終わったら、また海水浴でも川遊びでもしようか」
俺はそう答えて笑う。
「なんか、死亡フラグみたいなセリフ言うなよ。それほど苦戦する相手じゃないだろ? とりあえず、麗美さんの体調が心配だから、魔法を受ける順番は変えよう。私、琉生、明日乃、麗美さんの順番で、最後は流司。流司は確実にボスを足止めしろよ?」
一角がそう言い、率先して麗美さんの代わりをしようとする。
「というか、俺が麗美さんの代わりをすればいいんじゃないか?」
俺がそう立候補する。
「それはダメね。私、実は結構ステータス低いのよ。明日乃ちゃんほどじゃないけど、私もINT寄りのステータスで、ステータスの低さを剣術や武術で誤魔化しているだけだから、ボスの相手をするとなると、純粋に戦闘ステータスが高くて運動神経もいい流司クンか一角ちゃんの方が向いている、ってなって、補助魔法とダンジョンの相性を考えると流司クンが一番ボスを抑えるのに向いている。ってなるのよ」
麗美さんが少し残念そうに言う。
確かに麗美さんのステータス補正による動きはさほど良くはない。あくまでも柔道、剣道、合気道、今までやってきた格闘技の技術と経験で俺や一角より上を行っているという感じだ。
そして、琉生は体力や力はあるが、なんだかんだ言って、元の世界では園芸部。運動神経は言っちゃ悪いがよい方ではない。今日いない真望もそんな感じだ。
「それに、この世界の戦闘って、結構、AGIで何とかなる部分もあるから、りゅう君、結構強いんだよね」
部屋を覗かずに、俺の後ろで話を聞いていた明日乃が急にそう言う。
「まあ、私も、補助魔法がダンジョンと相性悪いからな。ボスは結局流司に任せるしかないってことだ」
一角が少し悔しそうにそう言う。
「じゃあ、今回はお言葉に甘えて、部屋に突入して敵に魔法を使わせる順番は、一角ちゃん、琉生ちゃん、そして私、最後に明日乃ちゃんでいいかな? 明日乃ちゃんは不測の事態に結界とか回復魔法で対応して欲しいしね」
麗美さんがそう言い、作戦が決まる。
「あと、明日乃ちゃんは全員に補助魔法かけちゃって。お祈りポイントも最近余りがちだし、ボス戦くらい使ってもいいでしょ?」
麗美さんがそう言い、みんなも納得する。
なんだかんだ言って、明日乃の補助魔法もステータスがまんべんなく上がるので掛けてもらえると助かるのだ。体感的にはレベルが1上がった感じかな。
麗美さんに言われた通り、明日乃が全員に補助魔法をかけ、全員、獣化義装を纏う。
その上で、俺は、獣化スキルの補助魔法をかけて補助魔法の二重掛け、AGIとSTRが格段に上がる。
「じゃあ、行くぞ」
一角がそう言ってボス部屋の扉を開けると、全速力で右端のとりまき、レベル35のウッドゴーレムに向けて走り出す。
そして、慌てて魔法を発動しだす、右端のウッドゴーレム。
しかし、一角はまだ金剛義装を使わない。ギリギリまで、詰め寄り、そこから反転、左に向けて、ウッドゴーレム達の鼻面を撫でるように走り続ける。
その動きに慌てて、右から2番目のとりまきと、ボスウッドゴーレムも魔法を発動する。
そして、周りの空気が渦を巻きだす。左端の取り巻きが発動した魔法が動き出した。
一角はその攻撃、かまいたちのような刃で少しダメージを受けるが、それに合わせて、金剛義装を発動。最小限のダメージで3体の敵に魔法を使わせることに成功した。
巨大な竜巻が9つ一角を囲う様に現れ、一角を襲い、一角の金剛義装は切り刻まれながらダンジョンの天井まで巻き上げられる。
金属をひっかくような不快な音がボス部屋中に響き渡る。
「上手いわね」
麗美さんが一角の動きを褒める。
「なるほど。ああやって動けばいいんだね」
琉生も感心する。
そして、9つの竜巻が消え、一角の金剛義装が床に叩きつけられると同時に、琉生が走り出す。
一角とは逆方向、左端の取り巻きのウッドゴーレムに向けて全力疾走。
左端のウッドゴーレムの魔法の発動を確認でき次第、方向転換、左から2番目のウッドゴーレムに斬りかかる琉生。
左から2番目のウッドゴーレムは持っている剣で琉生の剣による斬撃を受けつつ、魔法を発動し始める。
琉生は左から2番目のウッドゴーレムに斬りかかった姿勢のまま、金剛義装を使う。
そして、発動した『大竜巻』に巻き込まれ、天井まで巻き上げられる琉生の金剛義装と左から2番目のウッドゴーレム。
ウッドゴーレムは左端のウッドゴーレムと自分の発動した『大竜巻』に巻き込まれるという失態を犯す。
「琉生ちゃんも上手いわね。というか、敵って結構馬鹿?」
麗美さんが琉生を褒めつつ少し呆れている。
自分の魔法にも巻き込まれるんだな。
まあ、確かに真望の『炎の壁』は近くにあると熱いしな。
「次回以降の戦闘に役立ちそうな動きだったな」
俺はそうフォローする。
敵に全速力で近接した方が相手も慌てるってことだな。
見た感じ、琉生とウッドゴーレムが一緒に洗濯機でかき混ぜられるように大竜巻に巻き込まれているのは結構シュールな光景だ。
「流司クン、そろそろ魔法が止まるわ。いくわよ」
麗美さんがそう言って、一角をタコ殴りしている、ボス、取り巻き2体を無視して、琉生に斬りかかろうとする左端の1体と魔法に巻き込まれて、ダメージを受けた1体に走りだす。
確かにそっちを先に倒した方が早そうだな。
俺も麗美さんの方向に向かって走り、麗美さんを追い越し、まずはふらふらな1体の首を、変幻自在の武器を斧に変えて、一撃。もう一度振りかぶり、一撃。首を刎ねる。
麗美さんはもう1体に斬りかかり、隙ができたところで琉生は金剛義装を解除。そのまま、麗美さんが相手するウッドゴーレムを背中から横に薙ぎ、動きが止まったところを麗美さんが、長柄槍斧に変化させた変幻自在の武器で首を一閃、ウッドゴーレムの首が空中に舞う。
あとは、明日乃も加わった4人で一角に群がるボスと取り巻き2体に斬りかかり、一角も金剛義装を解除、動けるようになった一角がウッドゴーレム達を背後から斬りつけていき、麗美さんと俺で、動きの止まったウッドゴーレムの首を刎ねていく。
そして、動かなくなった首から下と、床に転がる首が5つだけ残る。
そして、不機嫌そうな一角。確かにダメージを一切受けない金剛義装とはいえタコ殴りにされたまま放置されるのは悲しいもんな。
「最後は流司クンがとどめ刺しちゃえばいいんじゃない? 次回以降補助魔法が要らなくなりそうだし」
麗美さんがそう言うので、俺が4体のウッドゴーレムの首、額の部分にある核を破壊して回り、とどめを刺し、レベルが上がる。
一角も貢献ポイントでレベルがあがりレベル37になったようだ。
「俺のレベルが上がったから、ボスの首は麗美さんがとどめを刺していいよ」
俺がそういうと少し嬉しそうに麗美さんがボスウッドゴーレムにとどめを刺す。
そして麗美さんもレベルが上がりレベル38に。
「みんないい感じでレベルが上がったね」
明日乃が嬉しそうに笑う。
この階の経験値は美味しいから、レベルがどんどん上がる感じだ。
最後にドロップアイテムを回収する。俺の倒したウッドゴーレムからは鉄の剣と鉄の盾が手に入り、俺も鉄の防具もコンプリートする。
これで全員、鉄の防具をフル装備だ。
そして、麗美さんがとどめを刺したボスからは鉄製の大きな両刃の斧。首が太いウッドゴーレムを倒したり、普段、木を切ったりするのにもよさそうな大きな斧だ。
宝箱は麗美さんが開けて鉄の胸当て、2つ目を入手。スタイルが似ている鈴さんが着てもいいかもしれないな。
「おい、流司! 次行くぞ次。お待ちかねの、私専用の変幻自在の武器だ」
一角が待ちきれないようにそう言い、奥の扉の前でイライラしている。
「一角、1人で先に入ってもいいぞ」
俺は一角をからかう様に言い、一角が不機嫌そうな顔をする。
「冗談だよ、冗談。みんなでダンジョン攻略の達成感を味わおう」
俺はそうフォローし、みんなで扉の前に集まる。
そして、みんなが揃ったところで一角が奥の扉を開け、ダンジョンクリア褒賞の部屋に入る。
いつも通り、部屋の中心には白い大理石のような素材でできた石の台座。
『風の精霊の迷宮を攻略した者への褒美として風の精霊の加護を宿した武器を与える』
台座に張られたプレートもいつもと同じ感じだ。
一角が少し感慨深げに台座に乗った筒状の物を取る。
俺の使っている光の精霊の剣は真っ白だが、一角が手に入れた風の精霊の剣は少し緑色をした良く分からない金属でできている。
「これで、魔法のコストも半分になるし、魔法が使いやすくなるな」
一角が嬉しそうにそういう。
「お祈りポイントは引き続き節約だから使う機会ないと思うけどな」
俺は一応念を押しておく。
そして、本当に嫌そうな顔をする一角。
そんな顔をしても魔法は使わせないぞ。
「まあ、いいか。私も麗美さんみたいに、日本刀っぽい武器とか、薙刀っぽい武器使いたかったし、満足だ」
一角は気を取り直すようにそう言い、さっそく、日本刀っぽい片刃の反った剣に変化させて振ってみたり、薙刀のような形にして、雰囲気で振り回したりしている。
変幻自在の武器の切れ味はイマイチだが、自分の思い通りに形を変化させられるのはいいんだよな。
ドロップ品は両刃の直刀が多いしな。日本人としては反った片刃の剣にどうしても憧れや慣れがあるっぽい?
そんな感じで、楽しそうな一角を眺め、飽きたころに副賞の調味料の話もする。
「一角、今日は調味料どうするんだ?」
俺は一角に聞いてみる。
「うーん、焼き鳥のたれやケチャップも捨てがたいが、何か新しいとり肉の食べ方も考えたいな。明日乃、何かないか?」
一角はそう言って明日乃に振る。
一角は自称グルメだが、本人は料理ができない。食べる専門だ。
「そうだね。コンソメ貰って、野菜ととり肉でスープとかもいいし、クリームシチューとか作りたいけど、クリームシチューの素とか貰えるのかな? あと牛乳が必要になるからダメっぽい?」
明日乃がそう言い、一角が台座の前で何か考え事をしている。
「クリームシチューの素ももらえるのね」
一角の後ろから台座を覗いていた麗美さんが呆れ顔でそういう。
確かに台座にできた四角い石、ボタンのようなものにクリームシチューのボタンが加わっている。そして牛乳も。
「嬉しいんだけど、なんか異世界感ぶち壊しでがっかりなダンジョンの副賞だな」
俺は思ったことを口にする。
一角以外同意見だったようで、呆れ顔になる。
一角は美味しいものが食べられれば世界観とか二の次らしい。
「あとは、拠点に少しお醤油は残っているから、みりんを貰って、お砂糖と混ぜて親子丼風のとり肉の煮込み? すき焼き風というかとりすきって感じかな? まあ、すき焼き関西風ならみりんはなくてもいいけどね。調理酒があるとよりすき焼きっぽいかな?」
明日乃がそう付け足す。
関西風のすき焼きにするなら醤油と砂糖とお酒。
みりんを入れると関東風すき焼き、親子丼や牛丼風の味になるそうだ。
鰹節で出汁を足してもいい。
「じゃがいもがないから、シチューはちょっと味が半減しちゃうかもね。シチューにじゃがいもは必須だよ」
琉生が訳の分からない持論を語り出す。
「とりあえず、明日は、1日ゆっくりする予定だから、焼肉のたれを貰って、焼肉パーティをしてもいいしな」
俺は明日の事を考えてそう意見する。
一角も俺の意見に少し傾いたようだ。
「とりあえず、焼肉のたれを貰うか。そして、1つ目のダンジョンで調理酒を貰って、今晩はとり肉ですき焼きにする感じでどうだ?」
一角は明日の焼肉が気になりだしたようだ。
「お酒を多めに貰うっていうのはどう? 調理酒じゃなくて日本酒。お姉さん、少し飲みたくなっちゃったし」
麗美さんがお酒と聞いて酒に拘り出す。
「お酒飲むの麗美さんだけじゃないか」
俺はあきれて突っ込みを入れる。
「なんか、考えるのが面倒臭いから焼肉のたれ貰うぞ。あと、ここが終わったら、1つ目のダンジョンでお酒ももらうぞ」
一角がそう言って、焼肉のたれのボタンを押してしまう。
今までの話し合いはなんだったのだろうか?
そして台座の上に現れる陶器製の小瓶。いつもの小瓶よりかなり大きいな。
「結構大きいな」
一角も大きさに驚いている。
「1つ目のダンジョンの小瓶の3倍くらいあるかな?」
明日乃も興味津々に小瓶の大きさを比べる。
「難易度が上がると調味料の量も増えるって神様が言ってた気がするわね」
麗美さんががっかりした顔でそう言う。
そう言えばそんなことも言っていた気がする。そして、麗美さんは日本酒がもらえなかったのが悲しかったのだろうか。
「あー、盛り上がってるところ悪いが、そろそろいいか?」
そう言って、部屋が光り出すと、いつものおっさん。神様が現れる。
「とりあえずは、3つ目のダンジョン攻略おめでとう。これでイズミも魔法が使えるようになるな」
神様がそう言って俺達をねぎらう。
「まあ、お祈りポイントもったいないんで使わせませんけどね。魔法」
俺は一角と神様にそう宣言する。
「なあ、異世界なんだからもう少し魔法使おうぜ? 俺の存在感とかも最近ないしな」
神様が困った顔でそういう。
「結局、お金を配ってもみんな貯金したがる。そういうものじゃないかしら? お祈りポイントだって貯めたくなるわ」
麗美さんが冷静にそう突っ込む。
「まあ、そういわれるとそこまでなんだが」
神様が麗美さんに論破されてぐったり肩を落とす。
「まあ、レベルも上がってきたし、使える魔法も増えたし、やれることも増えてきたんだ。異世界の生活をもう少し気楽に楽しんでくれ」
神様はそう言って気を取り直す。
「だったら、魔物とか神様に倒してもらえるとありがたいんですが。魔物がいなければもっと気軽に生活できるし」
俺はいつもの突っ込みを入れる。
「だから、それは無理なんだって。いつも説明しているだろ? 魔物を倒して成長するお前たちに期待しているんだって」
神様が俺にそう答える。
魔物がいなければ成長する必要もない気がするんだが。
魔物がいるからレベルアップしなければいけない。矛盾だらけだ。
まあ、神様としては俺達のレベルが上がると手に入る信仰心、神様の活動力みたいなものが増えるから魔物を倒させているっていう部分もあるらしんだよな。
「とりあえず、次の目標は南西の島、土の精霊が管理するダンジョンがある島だ。琉生専用の武器が手に入るぞ」
神様はそう言って琉生にやる気を出させる。
「農具が自在に出せるようになるのはいいよね」
琉生はそこそこやる気のようだ。農具が欲しいから。
「そうそう、鍬でも鋤でも何でも変化させられるぞ」
神様がさらに琉生にやる気を出させる。
「まあ、変幻自在の武器はすでに3本あるし、足りているといえば足りているんだけどね」
麗美さんが水を差すようにそう呟く。
「いやいや、精霊の剣自体の価値もそうだが、精霊の剣を全部集めないと眷属達が消えるから、な? 頑張って1年以内に7つのダンジョンクリアしような。な?」
神様が少し弱気になってきた。
「そうだよ。せっかく仲間になったレオが消えちゃうのは嫌だし、もう少し頑張ろう。ね?」
明日乃が俺やみんなにそう言い話はまとめる。
まあ、俺としても明日乃が悲しむような結果にはしたくないからダンジョン攻略は続けるんだけどな。
「そうそう、そういうことだ。とりあえず、ダンジョンもそうだが、魔物の島の魔物をある程度減らさないと平穏な日常も来ないってことでみんな頑張ってくれ」
神様はそう言って逃げるように消えていく。
なんかどうしょうもない神様だな。もう少し頼れる神様だとありがたいんだが。
俺はそんなことを考えてため息を吐く。
みんなも呆れ顔で笑う。
「まあ、神様にもいろいろ事情があるんだと思うよ」
明日乃がそう言い、会話を締めくくる。
「まあ、平穏な生活を手に入れる為にも魔物狩りは続けないといけないっていう事実はあるしな」
俺もそう答える。
「平和にならないと流司クンと明日乃ちゃんは結婚できないし、エッチなこともできないしね」
麗美さんが俺と明日乃を冷やかす。
明日乃は真っ赤になるが、確かに否定はできないので俺も明日乃も口ごもってしまう。
とりあえず、ダンジョンのドロップアイテムをまとめて帰る準備をし、ダンジョンの出口まで戻る。
一角は自分の変幻自在の武器が手に入り終始笑顔だ。
ダンジョンを出ると、いつも通りハーピーが俺達を待ち伏せしていたのでクロスボウと投槍で撃退する。
一角には今日だけのサービスで魔法を使わせてやる。一角は嬉しそうに変幻自在の武器を剣に変化させ、剣から魔法が放たれるような感じで中級の攻撃魔法をハーピーに撃ちまくっていた。楽しそうでなによりだ。
ハーピーを撃退し、拠点をめざし帰路に着く。
ワーウルフ達はもう俺達に回せるほどの魔物の数が残っていないのだろう。あとはハーピーの数減らしと、集落に引きこもっているワ―ラビットが今後どう動くかに注意が必要だな。
とりあえず、明日はゆっくり休んで、明後日以降、3つ目のダンジョンを再度攻略してみんなのレベルの底上げ、新しい魔物の島、南西の島の探索や魔物減らしも考えないとな。
次話に続く。




