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神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第2章 改訂版(今から読む方はここからお読みください)
202/244

第107話 3つ目のダンジョン攻略の結末

【異世界生活 80日 9:00】


 俺達は3つ目のダンジョン、南東の魔物の島にあるダンジョンを攻略中。現在、3階のボスを倒し、そのまま4階の攻略に進む。


「みんな、急いで、私の獣化義装が無駄になるわ。とりあえず、4階の1体ずつ出るエリアの敵を倒すわよ」

麗美れいみさんがそう言ってみんなを急かせる。

 みんなドロップアイテムを回収し、俺は宝箱代わりの木箱から出る粗悪な青銅の斧や粗悪な青銅の槍を拾う。


「りゅう君? それどうするの?」

明日乃あすのが俺の行動が気になったのかそう聞いてくる。

 

「ああ、俺の場合、『投擲』スキルっていうのがあるから、近距離ならクロスボウより投槍や投斧の方が早いし効率がよさそうなんだよ」

俺は明日乃あすのにそう説明する。

 クロスボウは装填に手順と時間がかかるしな。


「そっか。じゃあ、予備の槍は私が持ってあげるね」

明日乃あすのはそう言って、粗悪な槍を1本残して俺から予備の槍を受け取る。


「ほら、明日乃あすのちゃん、流司りゅうじクン、急ぐ」

麗美れいみさんが獣化義装に使ったマナが勿体ないと俺達を急かす。


 そんな感じで4階に駆け足で下り、最初のエリア、敵が1体ずつ出るエリアでハーピー型のウッドゴーレムを倒していく。

 作戦はいつもと一緒だ。最初に麗美れいみさんが敵の待ち構えるエリアに飛び込んで、敵が魔法を使ってきたら、魔法と物理攻撃無効になる金剛義装で魔法を受け、敵が魔法を使えなくなったところで俺が投槍でハーピーを床に落とし、金剛義装を解いた麗美れいみさんが斬りかかってハーピーの首を落とす。

 最後に育成対象の真望まもが落ちた首の額にある弱点、コアを破壊しとどめを刺す。


 1体ずつ敵が出るエリアで3体倒し、一度エントランスに戻り休憩をする。


「なんか、ドロップアイテム100%『とり肉』みたいね」

麗美れいみさんが呆れるようにそう言う。


「ああ、ハーピーは武器も持っていないし鎧も着ていないからね。さすがに持っていないものをドロップすると違和感があると思ったのかもね。神様が」

俺はそう答える。

 このダンジョンは俺達、そして魔物達が平等にレベルを上げて武器や防具を入手できるように神様が準備した演習用のダンジョンだそうだ。

 ゆえにドロップの設定は神様だし、ダンジョンを管理するのは神のしもべの精霊らしい。


「そういえば、敵、外にいたワーウルフ達が魔法を使う敵と戦うときはどうしているんだろうな?」

一角いずみがそう言って首をかしげる。

 確かに、敵が獣化スキル、獣化義装みたいなダメージを肩代わりさせるスキルや結界魔法を使っているのをみたことないな。


「弱いワーウルフ達の体に古傷が沢山ある者がいたり、着ている皮鎧に修繕跡があったりするワーウルフがいたから、多分、ボス以外、弱いワーウルフを盾にして、魔法を無効化しているんじゃないかな?」

麗美れいみさんがそう言う。

 確かに、雑魚ワーウルフ達の体には切り傷の古傷みたいなのが多かった気がする。


「回復魔法とかも使えなそうだし、そうなると、ダンジョンには1日に5人ずつしか入れないことも考えてこのあたりまでしか攻略できないんじゃない?」

明日乃あすのがそう言う。


「そうね。それもあって、装備が脆弱だし、レベルもそれほど上がっていないのかもね。しかもハーピー型ウッドゴーレムは武器も防具もドロップしないし」

麗美れいみさんがそう考察する。


「しかも私達みたいに経験値を分け合うみたいな戦闘方法もとれない、弱肉強食の世界みたいだから、ボスだけ強い。そんな感じになって、この階の最初のエリアぐらいしか進めなかったのかもしれないわね」

麗美れいみさんがそう付け足す。


「そうだね。このダンジョンはみんなが一緒に強くならないと、1人だけ強くなっても先に進めないシステムになってるもんね」

俺は麗美れいみさんの考察に同意する。

 まあ、圧倒的な強さを手に入れれば1人でも攻略可能となるかもしれないが、それには膨大な時間と非効率なレベル上げの繰り返しが必要になる。

 

「この先も魔物の行動がそんな感じなら外の魔物退治は結構楽になるかもしれないわね」

麗美れいみさんがそう言うが油断は禁物だ。魔物もそこまで馬鹿じゃないかもしれないしな。


 そんな感じで少し休憩して、ダンジョン攻略と真望まものレベル上げを再開する


 敵が2体出るエリアでは一応一角(いずみ)も獣化義装で控えて、敵の2体目に魔法の出し惜しみをされたら一角いずみも魔法を受ける役をする感じだ。


 3体出てくるエリアでは真望まももそれに加わり、獣化義装3人態勢で挑む。レベル不足の真望まもは獣化スキルの補助魔法も掛けて壁役に挑む感じだ。

 4体出てくるエリアでは明日乃あすのがさらに加わり獣化義装4人態勢に。明日乃あすの真望まも同様、補助魔法を使う。

 壁役が一度クロスボウや投槍でハーピーを床に落とさないといけないのが面倒くさい。

 ちなみに明日乃あすのは獣化スキルの補助魔法、『脱兎(ラビットエスケープ)』で跳躍力が上がっているらしく、ジャンプでハーピーに攻撃できるという荒業を見せていた。


 敵が4体ずつ出てくるエリアで真望まものレベルが31になったので、次は俺のレベル上げをする。この階のボス部屋対策だが、ちょっと手遅れな気もする。

 俺のレベルは32のまま、ボス部屋前に到着する。


「雑魚敵のレベルが30だからね。ボスはもっと強いってことよね」

麗美れいみさんが休憩しながらそんなことを言う。


「とりあえず、ボス部屋覗いてみる?」

俺がそう聞くと麗美れいみさんが頷くのでボス部屋のドアを開けて覗いてみる。

 そして、ボスの『鑑定』。


なまえ ワーウルフリーダー

レベル 35

二足歩行のオオカミ。結構知能があり連携が得意。

足が速く、素早さがある。それの強いやつ。

全身の毛並みが、剣による攻撃を止めるので注意が必要。

風属性で風の上級魔法を使うこともある。

基本、武器で戦うが、噛みつきやひっかきにも注意。

それを模して神が作ったウッドゴーレム。

 

「うわぁ、外にいたワーウルフのボスと同じスペックじゃない。しかも上級魔法使うわよ」

麗美れいみさんが嫌な顔をする。

 今までの敵が使う魔法は中級魔法『風刃(マルチプル)の連撃(エアカッター)』だったが、このボスと次のフロアから出てくる敵は上級魔法『大竜巻(グレートトルネード)』を使ってくるってことか。


「空に舞い上げて落とすやつか。あれは見ている方も痛いんだよな」

俺は、外で魔法によって同士討ちをしていたワーウルフが地面に激突する姿を思い出し、顔をしかめた。


「まあ、金剛義装は物理攻撃も無効化するんだし、落下の衝撃も吸収してくれるんじゃない? しかもダンジョンの天井があるし、そんなに高く舞い上げられなそうだしね」

麗美れいみさんは適当そうにそう言う。

 舞い上げられて落とされる役は麗美れいみさんなんだよな。


麗美れいみねえ、私が代わりに魔法を受けようか? 私なら『飛行(フライ)』の魔法があるし。墜落しなくて済むし」

一角いずみが少し心配そうにそう言う。


「うーん、『飛行(フライ)』も上級魔法、落下のダメージを恐れて、わざわざ、お祈りポイント3000使うのは得策じゃないでしょ? 金剛義装で対応してみるわ」

麗美れいみさんがやんわり断る。


「それより、敵のレベルが35。私達より格上なのが問題よね」

麗美れいみさんがそう言って悩む。


「俺と麗美れいみさんあたりも獣化スキルの補助魔法をかけて対応するしかないだろうね。明日乃あすのの聖魔法の補助魔法も使って、ステータス強化も2重掛けしたほうがいいかもね」

俺は麗美れいみさんにそう答える。


「そうね、お祈りポイントもマナももったいないけど、それで行きましょ? 敵はレベル31越え、得られる経験値は多そうだしね。それといつも通り、獣化義装や補助魔法が勿体ないから、ボスを倒したらそのまま、休まずに5階の最初のエリアの魔物も倒す感じでいくからね」

麗美れいみさんがそう言い、みんなも頷く。


 まずは明日乃あすのが全体補助魔法『大いなる祝福(オールブレス)』をかけて全員のステータスがまんべんなく上がる。

 その上で各自、獣化スキルの補助魔法を二重掛けして主に素早さを格段に上げる。ただし、一角(いずみ)の補助魔法はダンジョン向けではないので明日乃(あすの)の補助魔法のみで対応するようだ。

 そして、全員獣化義装。敵の魔法を金剛義装で受ける為の下準備だ。


「行くわよ」

掛け声とともに、獣化義装を着けた麗美れいみさんがボス部屋に飛び込む。

 それと同時にボスのワーウルフ型のウッドゴーレムが魔法を使い、ボス部屋に巨大な竜巻が3つ現れ、麗美れいみさんが巻き込まれる。麗美れいみさんは金剛義装に切り替えているので多分無傷だろう。

 それ以外のウッドゴーレムは魔法に巻き込まれない位置で様子を見ている。

 

 麗美れいみさんが竜巻に巻き込まれ、天井付近まで巻き上げられ、敵の『大竜巻(グレートトルネード)』魔法の効果が切れ床に叩きつけられる麗美れいみさんの金剛義装。重い金属や岩が落ちるようないやな音がする。

 物理攻撃無効の金剛義装を着けているとはいえ、見るからに痛そうだ。


 次に一角いずみ真望まも明日乃あすの、俺の順でボス部屋に入る。ボスの取り巻きの魔法も使わせるため、時間差で飛び込む感じだ。


 明日乃あすのが部屋に入り、金剛義装で魔法を受けた時点で全てのウッドゴーレムが魔法を使い切る。

 そして、金剛義装によって動けない4人が敵に一方的に攻撃を受けているシュールな景色が広がる。

 麗美れいみさんに関してはボスと取り巻き1体、2体から攻撃を受けている感じだ。


 麗美れいみさんが2体を引き受けている状態。悪い状態ではないかもしれない。

 俺は最後に部屋に飛び込み、まずは一角いずみを襲っているハーピー型のウッドゴーレムに槍を投擲、ハーピーが動けなくなったところで一角いずみが金剛義装を解除、ハーピーに斬りかかる。

 

 俺は事前に明日乃あすのから受け取っておいた予備の粗悪な青銅の槍に持ち替え、次に真望まもに襲いかかっているハーピーに攻撃、真望まもも金剛義装を解除し一角いずみ同様、ハーピーに斬りかかる。


 そこで、ボスのワーウルフ型のウッドゴーレムが一角いずみに襲い掛かろうとするので、俺は慌てて、ボスウッドゴーレムに斬りかかり足止めをする。


一角いずみ真望まも、自力で敵を倒して、麗美れいみさんと明日乃あすののフォローを頼む」

俺はそう言い、腰に装備した青銅の剣を抜くと、ボスと斬り合いになる。

 ボスのワーウルフは鉄の片刃反り剣(カットラス)と鉄の小盾バックラーを装備していて攻撃も素早く隙が少ない。

 ワーウルフには盾がある分、手数が増やせ苦戦する。

 俺の攻撃を盾で受けて、剣で斬り返すみたいな、連続行動に俺は押され気味になる。


 盾を装備してから挑みたかった。

 俺は背中のリュックサックに結び付けてある青銅の盾を思い出し悔やむ。


 まあ、無ければ出せばいい。

 俺はそう気持ちを入れ替え、腰にぶら下げていた変幻自在の武器に手を伸ばし、それを丸盾ラウンドシールドに変化させる。

 本名は精霊の剣という名前らしいが、武器だけでなく防具にも変化できる優れものだ。

 

 俺は剣と盾を装備することにより、ワーウルフと対等に戦えるようになる。

 そうは言ってもレベルが3上の格上の敵だ。補助魔法でどうにか対等に戦えている。そんな状況で決定打が打てずにいる。


 そんな状況で、一角いずみ真望まもが自力で対峙する敵を倒し、それぞれ麗美れいみさんと明日乃あすのの補助に入り、麗美れいみさんと明日乃あすのも金剛義装を解くことができ、戦闘に参加、形勢逆転となる。

 

 次々取り巻きの首が刎ねられ、最後にボスを5人で囲む形に。

 ワーウルフ型のウッドゴーレムは隙だらけになり、麗美れいみさんの変幻自在の武器、長柄斧槍(ハルバード)で後ろから首を刎ねられ戦闘終了。

 俺は慌てて、地面に落ちたウッドゴーレム達にとどめを刺し経験値を稼ぐ。 


「ボスの経験値美味しいな。1体で30000以上の経験値が入ったぞ」

俺はボスの首にとどめを刺したところでレベルが上がりそう言って喜ぶ。


「レベル31を超えるともらえる経験値も跳ね上がるからね」

明日乃あすのがそう言う。

 明日乃あすのも外にいたボスワーウルフでかなり経験値が貰えたようだ。


 そして、ボスのドロップアイテムは鉄の胸当てだ。

 うん、また、すずさんがこれを見て泣きそうだ。(すず)さんの鍛冶技術が無駄になりかねない。


 ボス部屋の隅にある宝箱を一角いずみが開け、同じような鉄の胸当てが出てくる。


「おお、これはいいな」

一角いずみが嬉しそうに宝箱から胸当てを取り出す。


一角いずみちゃん、みんな、とりあえず、獣化義装も補助魔法ももったいないからいけるところまで、5階を進むわよ」

麗美れいみさんがそう言って急かし、みんな慌ててドロップアイテムを拾い麗美れいみさんを追いかける。


 5階の雑魚は4階のボスと同じ、レベル35のワーウルフ型ウッドゴーレムだ。

 戦術は同じで、麗美れいみさんが戦闘エリアに飛び込み、魔法を受け、魔法を使えなくなった敵を他メンバーでタコ殴りにし、俺がとどめを刺す。

 とりあえず、俺のレベルを上げて殲滅力を上げる作戦らしい。


 敵1体ずつ出るエリアで3体、敵2体出るエリアで1組、5体のウッドゴーレムを倒し、俺のレベルがもう一つ上がりレベル34に。

 そこで、獣化義装や補助魔法のタイムアップ。急いで安全エリアのエントランスに戻り休憩する。


 俺と一角いずみは鉄の胸当てを装備し、さらに俺は鉄の脛あても装備する。


「ドロップアイテムが全部鉄の防具ならいいのにな。オオカミ肉とかオオカミの毛皮とかいらないよな?」

一角いずみがドロップアイテムにケチをつける。

 まあ確かに必要ないな。その分、鉄の防具や武器がドロップすればどれだけありがたいか。


「そういえば、麗美れいみさん、敵の上級魔法『大竜巻(グレートトルネード)』を食らいまくっていたけど大丈夫?」

俺は思い出してそう聞く。

 物理攻撃、魔法攻撃無効の金剛義装のスキルを使っていたとしても、ダンジョンの天井まで巻き上げられて床に落下する風景や音はとても無事と感じられるものではなかったしな。


「ああ、金剛義装は物理攻撃無効というだけあって、体へのダメージはほとんどないわね。衝撃吸収効果もあるみたいだし。ただ、落下したときに内臓がゆすられて、内臓痛がするのよね。柔道の投げ技をもろに受けたみたいな?」

麗美れいみさんがそう言って笑いながら回復魔法を唱える。


「うん、内臓のダメージは獣化義装のダメージフィードバックと違って回復魔法が効くみたいね」

麗美れいみさんがそう呟く。

 治癒魔法が効いたとしても痛みの記憶は残る。あまり無理はできないだろうな。


「どうする、もう少し進むか? 格上でボス部屋は無理だろうけど、これだけ経験値が美味しいならもう少しレベル上げをしたい気もある」

一角いずみが俺に聞いてくる。


「そうなると、補助魔法や獣化義装かけ直しが必要だね」

明日乃あすのがそう答える。


「それだけやってもかなり得をする経験値だとは思うぞ」

一角いずみ明日乃あすのにそう答える。


「敵が2体出るエリアくらいまでは攻略できるかな? 3体になると、不測の事態に対応できる人数が足りない。戦闘が苦手な明日乃あすのちゃんが危険になりそうだしね」

麗美れいみさんがそう言う。

 

「ちなみに次にレベルを上げるとしたら、流司りゅうじクンか一角いずみちゃんかしらね? 流司りゅうじクンのレベルを上げて補助魔法無しで4階のボスを倒せるようになるか、一角いずみちゃんのレベルを上げて補助魔法無しでもレベル35の敵と戦えるようにするかってところかな?」

麗美れいみさんがそう提案する。


一角いずみかな? 一角いずみはレベル31だし、一角いずみの補助魔法は直線的過ぎて、ダンジョンでは使いづらい。ボス部屋での戦闘も補助魔法なしだと結構危なかったしこのフロアの戦いももし魔法を使わずに斬りかかってきたら対応できないもんな」

俺はそう答える。

 一角いずみの補助魔法、速度は最速で広い戦闘エリアなら有用なんだが、旋回性や回避力が皆無という弱点もあり、狭いダンジョンだとほとんど役に立たない代物だ。


「そうだね。今日の残りと明日以降で一角いずみちゃんのレベルを35にするのが正解かな?」

明日乃あすのも俺の意見と同意のようだ。


「そういえば、真望まも、さっきの階でレベル31になったよな? 新しい魔法はどんな感じだ?」

俺は思い出したように真望まもに聞く。


「聞くの遅い!」

真望まもがそう言って不機嫌そうな顔をする。


「悪い悪い。ボス部屋攻略前後ってバタバタするから聞きそびれただけだ。で、どんな感じだ?」

俺は言い訳をしながら真望まもの新しい魔法についてもう一度聞く。


「まあ、他のみんなと似た感じね。一つ目は全体魔法の『爆炎(エクスプロージョン)』広範囲に炎の魔法をまき散らす魔法ね。あとは『火円陣(ファイヤーサークル)』? 自分の周りに円形の炎の障壁を張る感じ? しかも動かせるから周りの敵を焼き尽くす感じの魔法ね。逆に魔物を炎の円陣の中に閉じ込めて、円陣を小さくしていって焼き尽くすみたいな使い方もできるみたい? 『炎の壁(ファイヤーウォール)』の強化版みたいなものね」

真望まもが自分の新しい魔法を教えてくれる。


「『火円陣(ファイヤーサークル)』は結構エグイ魔法だな」

俺はドン引きする。


「それを言ったらどっちも結構エグイぞ」

一角いずみもそう言ってドン引きする。


一角いずみちゃんの『大竜巻(グレートトルネード)』だって、敵の使っているのを見た感じかなりエグイ効果じゃない!!」

真望まもがそう言って一角いずみにキレる。


 まあ、みんなの魔法がそれぞれにエグイけどな。


真望まもには自在に泳げる魔法とか飛べる魔法とかはなかったんだな」

俺は気になって聞いてみる。まあ、俺も明日乃あすのもなかったけどな。


「炎に飛び込める魔法とかか? それともマグマに飛び込めるとか?」

一角いずみがからかうようにそう言う。


「そんな魔法何の役に立つのよ!」

真望まもがもう一度キレる。


「というか、この世界の魔法、属性耐性とかないな。火属性だと火に強いとか、逆に水に弱いみたいな?」

一角いずみがそう言って首をかしげる。


「ありますよ。基本、イズミ様は風魔法に耐性があります」

アドバイザー女神様の秘書子さんがしれっといい、いつの間にか俺のスキル一覧には闇耐性がついていた。基本的に自分と同じ属性の魔法には強いらしい。


「他にも属性同士の関係は色々あるのですが説明に時間がかかるのでまた時間がある時にご説明します」

そう言って秘書子さんは話を打ち切ってしまう。

 まあ、ダンジョン攻略中だし長話されても確かに困るけどな。

 そして多分、火は水に弱いとかそんな程度だろう。


「じゃあ、残りの6体倒して、明日以降もがんばるか」

雑談と休憩が終わったところで一角いずみがそう言って、立ち上がる。

 補助魔法をかけ直してのレベル上げ再開。それをしても美味しいくらいの経験値がレベル35の敵から得られるのだ。


 さっき撤退した場所まで戻り、明日乃あすのの聖魔法の全体補助魔法、明日乃あすの一角(いずみ)以外、獣化スキルの補助魔法をかけて補助魔法二重掛け、獣化義装も明日乃あすの以外スキルを使う。

 明日乃あすのは完全に戦闘力が追い付いていないので後方で待機する感じだ。


 そんな感じで、先ほどとほぼ同様、麗美れいみさんが突入し、金剛義装で魔法を受け、敵の2体目が魔法を出し惜しみするようなら一角いずみが飛び込み魔法を使わせ、俺が麗美れいみさんに対峙している敵に斬りかかり、その隙をついて、麗美れいみさんが金剛義装を解除、2人がかりで1体目を倒す。そして俺と麗美れいみさんで一角いずみの金剛義装に攻撃を仕掛けている2体目も二人がかりで倒す。

 真望まもは2体目がおかしな動きをしたときに止める役だ。


 そんな感じで2体ずつ出るエリアで3組、6体のウッドゴーレムを倒し、一角いずみにとどめを刺させて一角いずみのレベルを上げる。レベルが32になった。


「それじゃあ、これ以上は危険そうだし、帰りましょ」

麗美れいみさんがそう言って退却を提案する。


「そうだね、これ以上無理に進んでも、この階のボスは倒せそうにないし」

俺も麗美れいみさんに同意し、みんな撤退することにする。


「このダンジョンが結構時間がかかりそうだな」

一角いずみが帰りながらぼそっとつぶやく。


「そうだな、4階でレベル35の敵とか急に強くなり過ぎているし、この調子だとボス部屋も苦戦しそうだしな」

俺は一角いずみのつぶやきにそう答える。


「とりあえず、一角いずみちゃんのレベルを上げて、真望まもちゃんか琉生るうちゃんのレベルを上げてこの階の3体出るエリアも倒せるようになったら、明日乃あすのちゃんのレベルも上げる感じかな?」

麗美れいみさんがそう言って、あまりにも長い道のりにため息を吐く。


麗美れいみさんのレベルも上げないといけないし、外にいる魔物達も数減らさないといけないし、やることいっぱいだね」

俺は麗美れいみさんにそう答え、俺もため息を吐く。


 このダンジョンをクリアするのにもかなり時間がかかりそうだな。


今日のドロップアイテム

鉄の胸当て 2(流司りゅうじ用、一角いずみ用)

鉄の脛あて 2(流司りゅうじ用、一角いずみ用)

鉄の篭手 1(一角(いずみ)用)

ウサギの肉 26

ニンジン 10

キャベツ8分の1 10

とり肉 50


 次話に続く。

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