寄せては返す波の周波数
波について語ります(1/3)
水面波です。
浜辺に打ち寄せる波の周期
一秒一秒数えてみる
波の高さや速さは変わっても
周期はあまり変わらない
サーフボードをかかえ波を待つ
自分が乗りたい波の周期
自分だけの得意なリズムで
波に乗る
寄せては返す波の周波数
心の中に響く音の波
君と僕の周期は合うかな
浜辺に打ち寄せる波の周期
一秒一秒数えてみる
波があちこちから届くから
周期は案外乱れてる
サーフボードに乗って波を待つ
自分が乗りたい波の周期
他の人とは違うリズムで
波に乗る
寄せては返す波の周波数
心の中に響く音の色
君と僕の周期は合うかな
君に声をかけてみた
嬉しそうに笑ってくれた
二人の話題は尽きなくて
時間が経つのも忘れる
寄せては返す波の周波数
心の中に響く音の声
君と僕の周期は合ってるね
寄せては返す波の周波数
心の中に響く音の熱
君と僕の周期は合ってるね
寄せては返す波の周波数
心の中に響く音の鼓動
君と僕の周期は共鳴するね
お読みいただきありがとうございます。
以下、本作の注釈です。興味がありましたらでどうぞ。
*海の波は複雑です。そして私は海洋には不案内で、
以下はあくまでも概念の説明と捉えてください。
記載間違いを指摘いただけると嬉しいです。
注1: 「浜辺に打ち寄せる波」
「波」の概念がイメージしやすい波として取り上げ
ました。
注2: 「周期」
ここでは波が浜辺に到着する時間の周期ですが、
正確には、ある地点の波高が最大になる時間の
間隔です。
当初、この注釈で、周期を見積もるつもりでした。
本文を小さな水槽の水面波にして。しかし、
ついつい、海の波にしてしまいました。海の波は
そう簡単ではありません。なので、もしも、波の
波長がわかっていた場合の簡易的な方法を説明
します。浅瀬では、水深が波の波長よりもずっと
小さいとき、波の位相速度(波の高い場所の移動速度)
v=(g・h)^(1/2)という式で表せます。ここで、gは
重力加速度、hは水深です。波長をL、周期をTと
すると、波長Lを進むのにかかる時間が周期Tです。
つまり、v=L/Tとい関係が成り立ちます。これを
変形すると、T=L/vとなります。加速度g=9.8
[m/s^2]、水深h=1[m]とすると、位相速度v=3.1
[m/s]です。もしも波長が10mとすると周期は3.2
秒です。
穏やかな海の波には、2つの代表的な波があります。
一つは、風が起こす波、風浪です。波高がとがった
波です。周期は、1〜30秒と言われます(文献により
範囲は異なりますが、おおよその目安です)。上式で
波長を逆算すると、3〜100mになります。それ
らしくはあります。ですが、波長や周期を仮定する
のではなく見積もるには、空気の風の風圧が起こす
波のメカニズムに遡る必要があります。
もう一つの波は、うねり、です。うねりは、風浪が
重なって一つの波となった波です。沖合から波が
重なるので強い波で、波長、周期とも風浪よりも
大きいです。この波の波長を見積もるには、重ね合う
風浪の形状、海の地形などかなり複雑だと思います。
波長が10m以下の小さなうねりは、風浪と区別が
つかないかも知れません。
海洋の波はとても面白いと思います。
注3: 「サーフボードをかかえ」
私はサーフィンをやったことがありませんが、
波の高さだけでなく、周期も重要な要素だと
思います。サーファーが好むうねりは、風浪が
重なって一つの波となった波で風の影響を受け
にくいです。うねりの波の周期は、長いほど、
地球の引力で波の形がならされてきれいな波に
なりやすいようです。波を重ねるのでエネルギーが
大きいです。波は、沖合から浅瀬に向かって進行
方向を変えます(屈折)が、そのときに波形が崩れ
にくいといわれます。波の周期が短いほど、途中の
海底の凹凸がならされず、また、近海で発生した
弱いエネルギーの波で、荒れた波になりやすいです。
サーフィンに適した波は、うねりの波の周期が10
秒以下では風(風浪)の影響で波が安定しません。
10秒を超えると波高のあるきれいな波になるそう
です。13秒を超えると「グランドスウェル」と
呼ばれる、サーファーが待っている波になるそう
です。上では、風浪とうねりをあっさり区別しま
したが、グランドスウェルでもない限り、実際に
区別するのは、難しいと思います。
*グランドスウェル: 気象学では台風並の低気圧下の
による大きなうねりをさします。
注4: 「共鳴するね」
共鳴とは、振動体が固有振動数に等しい外部
振動の刺激を受けると、振幅が増大する現象です。
音叉の例では、二つの音叉がそれぞれの固有振動数が
一致しているときに、一方を打つともう一方も
鳴り始めます。これが共鳴です。ブランコの例では、
人がタイミングを合わせて力を加えることで、
ブランコを強制振動させています。このとき、
ブランコの固有周期と人の力の周期が一致すると、
共鳴現象が起こります。つまり、ブランコの振幅が
最大になります。放送電波の周波数に対する
ラジオの選局は、電気回路の共振を利用しています。
電気回路の共振とは、コンデンサやコイルなどを
含む回路が、その固有周波数に等しい外部交流電圧の
刺激を受けると、回路内の電流や電圧が増大する
現象です。ラジオでは、回路内のコンデンサや
コイルの値を調整して固有周波数を変えることで、
受信したい放送電波の周波数に合わせて共振させ
ます。
君と僕のに理屈は要りません。
以上です。次回(2/3)は光で、来週を予定します。