表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大英雄の息子の日常冒険譚  作者: いかぽん
エピソード3 アンデッド討伐と冒険者対決

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/52

第32話 逆転の道理

「ケヴィンさん! ほかの二人は片付けました!」


 魔法攻撃を放った魔導士のルシアが、ケヴィンに伝える。


 少年が左右にちらりと視線を向ければ、弓使いの男と斧使いの男が、どちらも地面に倒れ伏していた。


 四人と四人の戦いなのだ。


 ケヴィンが一対二で戦っていれば、残りの局面は三対ニで有利に戦いを進められる。


 フリーになっていたルシアが仲間たちの援護をすることで、二つの戦闘局面ではすでに勝利を収めていた。


「くっ……よくも……! ──あぐっ!」


 さらに、氷の槍(アイシクルジャベリン)のダメージから起き上がろうとした敵の女盗賊には、一本の矢が突き刺さる。


「悪いな。四対四の戦いやから、こうなるわ」


 矢を放ったのは、盗賊のジャスミンだ。


 彼女が相手をしていた弓使いはすでに倒れているので、ジャスミンもまたフリーになっていた。


 さらにもう一人。

 武闘家のワウが、敵の女盗賊の背後へと回り込み、チョークスリーパーを仕掛ける。


「ケヴィンが頑張って時間を稼いだからな! お前にはトドメだ!」


「なっ……!? くそっ──うぁああああっ……!」


 狼牙族の少女に首を締め上げられた女盗賊は、やがて意識を失い、戦闘不能状態となった。


 それを見たナイジェルが叫ぶ。


「キャシーっ! ──くそっ、どいつもこいつも使えねぇ! それもこれも、クソガキ! 全部テメェのせいだ! ──何なんだよテメェはぁああああっ!」


 逆上したナイジェルが再び、大剣でケヴィンにラッシュを仕掛けていく。


 だが一対一では、彼は少年の脅威にはなれなかった。


 ケヴィンは盾を使って大剣を力強く弾き、ナイジェルの体勢を難なく崩した。

 そして──


「──終わりです!」


 半月のごとき残光とともに放たれた少年の斬撃が、ナイジェルの胴へと直撃した。


 斬られた大剣使いの青年と、斬った聖騎士見習いの少年。

 二人の剣士が一時、そのままの姿勢で静止する。


「バ、バカな……」


 やがてナイジェルが崩れ落ちた。

 地面に倒れた大剣使いの青年は、白目をむいて意識を失っていた。


 それを確認したケヴィンは、剣を鞘に納めてホッと一息をつく。


「ふぅっ……。──って、うわぁっ!」


 そんな少年に、仲間たちが襲い掛かった。


 駆け寄ってきたジャスミンとワウの二人が、戦闘を終えたケヴィンに抱きついたのだ。


「いやー、さすが少年や! Cランク二人を相手に互角の戦いとか、凄すぎるやろ!」


「ケヴィン、凄いぞ! ワウは惚れなおしたぞ!」


 二人の美女に抱きつかれて、揉みくちゃにされるケヴィン。

 少年は顔を真っ赤にして抗議する。


「わ、分かりましたから……! ジャスミンさんもワウさんも、離れて! 当たってる! 柔らかいものが当たってます!」


「ええやん少年。固いこと言うなや。うりうり」


「そうだぞ、ケヴィン! 固いこと言うな!」


「固いんじゃなくて、柔らかいんです! ルシアさん、助けて……!」


「あはははっ……。ジャスミンさんもワウちゃんも、ほどほどにね」


「──ル、ルシアさぁああああん!」


 ケヴィンの叫び声がこだまする。


 少年はしばらく、先輩冒険者たちの玩具にされたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ