漫才「あいうえお作文」
二人 「どうも~お願いしま~す」
ボケ 「ねぇねぇ、聞いて聞いて」
ツッコミ「はいはい、どうしたの」
ボケ 「最近ね、あいうえお作文にハマってて」
ツッコミ「へぇ~。あいうえお作文か。どんなの作ったの?」
ボケ 「『兄貴』で作ったよ」
ツッコミ「ほー、『兄貴』かぁー。じゃあ、『兄貴』の『あ』!」
ボケ 「(恥ずかしそうに)あなたのことが」
ツッコミ「『に』!」
ボケ 「二番目に」
ツッコミ「『き』!」
ボケ 「(急に冷たく)嫌いです」
ツッコミ「一番目に嫌いなの誰!? 気になっちゃう! もっとちゃんとしたの作れよ」
ボケ 「結構難しいんだぞ。やってみろよ~」
ツッコミ「お前よりマシな自信しかないわ」
ボケ 「ハードル上げるねぇ~。ってことで、お題『ハードル』! いくよ! 『ハードル』の『ハ』!」
ツッコミ「はぁ!? そんな急に」
ボケ 「『ド』!」
ツッコミ「待て待て。今のは『ハードル』の『ハ』じゃねぇから!」
ボケ 「(呆れ口調で小馬鹿にしたように)おいおい、次は『マ』じゃなくて『ド』だぞ?」
ツッコミ「いや、だから勝手に進めるなって! 最初からやらせろ! さ・い・しょ・か・ら!」
ボケ 「仕方ないな。じゃあ、いくぞー? 『ハードル』の『ハ』!」
ツッコミ「『ハ』、ハート型の?」
ボケ 「『ド』!」
ツッコミ「(少し声を小さく)ド派手な?」
ボケ 「『ル』!」
ツッコミ「(さらに声を小さく)……ルージュ」
ボケ 「……」
ツッコミ「……なんか言えよ」
ボケ 「(観客に向かってコソコソと)皆さん、聞きました? (笑いをこらえながら)ハート型の、ド派手な……っくく……ルージュですって……っくくく。なーんの捻りもありませんよねー?」
ツッコミ「う、うるさいわ! 今度はお前の番だっ! お題は……『お笑い』!」
ボケ 「受けて立つ!」
ツッコミ「気合だけは充分だな。いくぞ、『お笑い』の『お』!」
ボケ 「(声を潜めて耳元で囁くように)終わったらさ」
ツッコミ「『わ』!」
ボケ 「私たち」
ツッコミ「ん? 『ら』!」
ボケ 「ラーメン屋に」
ツッコミ「……『い』?」
ボケ 「行かない?」
ツッコミ「メッセージに使うの止めてくれなーい!?」
ボケ 「え? ラーメンの気分じゃない?」
ツッコミ「そういう問題じゃなくて! 今はお客さんの前なんだから! 弁えろよ!」
ボケ 「わかった、わかった。『お』わったら、『わ』きまえて、『ら』ーめん屋に、『い』こう」
ツッコミ「全っ然わかってねぇな!」
ボケ 「そんなに怒るなよー。糖分足りてないんじゃないか? (ポケットから飴玉を出して)ほら、飴ちゃんやるよ」
ツッコミ「だから! お客さんの前なんだって!」
ボケ 「え? 嫌いだった?」
ツッコミ「好きだよ! もらうよ!(ボケの手から飴玉を奪う)」
ボケ 「素直じゃないな~。じゃあ、今度はそっちの番な。お題は~……『飴ちゃん』。よ~し、『飴ちゃん』の『あ』!」
ツッコミ「『あ』? えー、っと……味玉!」
ボケ 「『め』!」
ツッコミ「『め』……メンマ!」
ボケ 「『ちゃ』!」
ツッコミ「チャーシュー!」
ボケ 「『ん』!」
ツッコミ「ん~! やっぱり全部乗せで!」
ボケ 「なんだよ、お前もラーメン食べたいんじゃん」
ツッコミ「お前のせいで頭がラーメンになっちまったんだよ! あ~~もうっ、行くか! ラーメン屋!」
ボケ 「やったー! じゃあ、皆さん! そういうことで!」
二人 「ありがとうございました~!」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。