半分ちょうだい
掲載日:2020/01/18
「それ、半分ちょうだい」
「え?」
半分?トマトクリームシュリンプパスタを?
………。
流石にちょっと考えた。
考えた挙句、店員の持ってきた小皿に中心を高くパスタを盛り、エビもアスパラもきっちり半分に分けた。
「どうぞ、先輩」
「おう、ありがとう」
そういう先輩の笑顔が引き攣っていた。もやっとした。
「半分ちょうだい」
「え?」
また?
最近先輩は五月蝿い。
事ある毎に事細かく聞いてくる。昨日は休日呼び出し。プライバシーの侵害だ。
そして昨日からのこの半分ちょうだい攻撃。
先輩のカップにきっちり数えたタピオカとミルクティーを注ぐ。
「どうぞ、先輩」
「おう、ありがとう」
何その顔?引き攣るなら言うなよ。
「半分ちょうだい」
「今度は何を?」
何も食べていない。
「お前の涙」
「―――流してません」
「泣いていい。親父さん亡くなってから泣いてないだろ?」
「必要ないです」
「馬鹿、見てる方が辛い」
「お前の悲しみは半分引き受ける」
「半分ってそういう意味?」
「お前は鈍い」
「先輩は端折り過ぎ」
「悲しみは半分に喜びは二倍にしよう。俺と結婚してくれ」
先輩が指輪を差し出す。三流ドラマみたいだけど、ちょっと感動した。
「でも私、結婚してますが」
「あれ?」




