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「ちょうど500文字の作品」集めました

半分ちょうだい

作者: こみや みこ

「それ、半分ちょうだい」


「え?」

 半分?トマトクリームシュリンプパスタを?

 ………。

 流石にちょっと考えた。


 考えた挙句、店員の持ってきた小皿に中心を高くパスタを盛り、エビもアスパラもきっちり半分に分けた。


「どうぞ、先輩」


「おう、ありがとう」

 そういう先輩の笑顔が引き攣っていた。もやっとした。








「半分ちょうだい」


「え?」

 また?


 最近先輩は五月蝿い。

 事ある毎に事細かく聞いてくる。昨日は休日呼び出し。プライバシーの侵害だ。


 そして昨日からのこの半分ちょうだい攻撃。

 先輩のカップにきっちり数えたタピオカとミルクティーを注ぐ。


「どうぞ、先輩」


「おう、ありがとう」

 何その顔?引き攣るなら言うなよ。








「半分ちょうだい」


「今度は何を?」

 何も食べていない。


「お前の涙」

「―――流してません」


「泣いていい。親父さん亡くなってから泣いてないだろ?」

「必要ないです」

「馬鹿、見てる方が辛い」







「お前の悲しみは半分引き受ける」

「半分ってそういう意味?」


「お前は鈍い」

「先輩は端折り過ぎ」


「悲しみは半分に喜びは二倍にしよう。俺と結婚してくれ」

 先輩が指輪を差し出す。三流ドラマみたいだけど、ちょっと感動した。







「でも私、結婚してますが」


「あれ?」



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