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1.講義 Ⅰ

気が付いたらいつもの倍以上の量になってました。ちょっと読み難いかもしれません。


 ▽ケイ▽


 俺は今、少女に連れられて歩いている。銀髪の美少女に。おぉ、異世界転移らしくなってきたな。だが、気まずい。会話もなくあったばかりの少女とただ歩き続けるのは精神衛生上あまり良くない。何か話題を振らなければ!


 「……」


 「……」


 出来ねぇよぉ。こんな時にあいつがいればどんなに良いだろう。


 「……………………」


 「……………………」


 流石に自分でも情けないと感じる。


 「………………………………あ、あのさ!」


 「どうかされましたか?」


 ま、まずい、何も考えずに声をかけてしまった……


 「い、いい天気…だね……」


 「はい?」


 不思議そうな顔をされた。しまった。曇だったか……そう思い、空を見上げる、いや、そこにあるのは空ではなく鉄だった。距離感がうまく掴めない。おそらくドーム状になっているのだろう。端がどこにあるのか検討もつかないサイズだ。


 「……?初めて見たかのような反応ですね。」


 「あぁ、初めてみたよ。何なんだよあれ。」


 「それも中でお話しましょう。」


 どうやら目的地に着いたようだ。周りに比べれば古い建物のように見える。ラーラットが何やら玄関の前でボソボソ呟くと扉が開いた。


 中はその外観からは想像がつかない程真っ白だった。玄関から真っ直ぐ廊下が続いており、その左右にはいくつかの部屋がある。どうやら1番奥の部屋を目指しているようだ。「失礼の無いように」なんて言われたから少し緊張している。


 一番奥の部屋をノックし、入室する。


 「ただいま戻りました。マスター。」


 「し、失礼します……」

 

 マスターと呼ばれた人物は椅子に座って、空中に浮いたモニターを見てせっせと作業している。背もたれが邪魔で姿は見えない。


 「君がお客さんを連れてくるなんて珍しいね。ラーラット」


 声を聞くに男性だろう。一体どういう関係なんだろう。


 「事情は知らないが、血塗れだと気持ち悪いだろう?まずはシャワーでも浴びて来るといいよ。」


 「はい、ありがとうございます。」


 「では、こちらへ。」


 連れてこられたのはバスルームだ。


 「服…脱いでください。」


 「えっ」


 「傷が無いか見るだけです。上だけで結構ですから。」


 「あぁ、うん。」

 

 なんだ……普通に考えてそうだよな……

 

 「はい、大丈夫です。それと、あれが電源ボタンです。押せば後はわかります。着替えは適当に置いておきますから、それを使ってください。」


 「ああ、ありがとう。」


 彼女は黙って礼をしてささっと立ち去ってしまった。


 さて、未来のシャワールームは……


 電源ボタンを押すと空中にモニターが出てきた。おぉ、VRMMOみたいだ。タッチで操作できるらしい。シャワーのマークを押すとちゃんと出てきた。一瞬、シャワーヘッドが自動で動いてくれるのかと期待したが、全然そんなことはなかった。


 さっぱりした後、ジャージみたいな服に着替える。廊下に出るとラーラットが立っていた。


 「マスターがお待ちです。どうぞ。」


 先程の部屋とは違う部屋に通される。広い、ダイニングキッチンとリビングがひとつになっているらしい。リビングのソファに30代くらいだろうか。眼鏡をかけ、無精ひげを生やした、銀髪というか白髪に近い男が腰掛けている。彼がマスターらしい。


 「やぁ、君がケイ君だね。まぁ座りなよ。」


 「失礼します。」


 「ははは、まぁまぁそんなに硬くならないでよ。彼女に何か吹き込まれたんだろう。」


 「そんな感じです。」


 「ははは、じゃっ、話をしようか。血塗れでラーラットと少女漫画チックにぶつかってここまで来たのは彼女から聞いたよ。それよりも前の事、聞かせてくれるかい?」


 日本の事。研究所の事。黒いコートの人物の事。自身が覚えている事は全て話した。


 「ふむ……なかなか興味深いね……君は過去から来た可能性が高い…と」


 「ええ、俺がいた世界では車は空を飛んでいませんでしたし、そのパネルもありませんでした。」


 「パネル?あぁ、これは【ノート】と言うんだ。誰が名前を決めたのかしらないけど、皆そう呼んでるよ。」


 「あの、質問なんですが、どうして車が飛べるんですか?僕の時代にはそういうものはありませんでした。」


 「んー。解りやすく言うとね、あれはこの星が嫌いなんだよ。」


 「重力に作用する物質があるってことですか?」


 「そう、物分りが良くて助かるよ。じゃあ、次はこちらから、推測の域を出ないけど……ケイ君。君は過去から来た訳では無いね。君のもう一つの【異世界転移説】の方が可能性があるよ。」


 「ど、どうしてですか?」


 「僕の記憶にも、ネットの記録にも、【ニホン】と呼ばれる地名はおろか【チキュウ】という名前も無かったよ。この星の名前は【ノア】そして、ここは【四号シェルター】その【第三層】だよ。文明が一度滅んでいて、もっと過去から来たなら話は別だけどね。まぁ、そもそもね、タイムスリップ自体が不可能なんだ。科学的に証明されちゃってね。最も、超能力なんてある世の中じゃそれも覆るかもね……」


 「超能力……そんなものがあるんですか!?」


 「ああ、君が見た黒コートの光もその一種だろうね。能力についてもおいおい話そう。」

 

 おお、異世界転移らしくなってきた。もしかしたら無双できるかもしれない。


 「で、【異世界転移説】だけどね。空間を曲げるような能力者は存在が確認されているし、物体を転移させるような実験もしている科学者だっているよ。どう?可能性は低いがタイムスリップよりマシだろう?文字通りの【異世界】から来たのか、【違う星】から来たのか、【タイムスリップ】か、いずれにせよ、神にも等しい力だね。」


 神にも等しい……そういえば異世界転生や転移ものって、女神にあってチートを貰うのが定番では無いのか……転移先もこれまた定番の中世風では無く近未来だ。


 「そんなに難しく考えなくても良いよ。元の世界に戻るにしても、かなり時間がかかる。疲れただろうし今日はゆっくり休みなよ。明日続きを話そう。」


 元の世界、俺は帰りたいのだろうか……色々大切なものも置いて来てしまっているし、皆も心配しているだろう……帰れるのなら帰った方が良いのかもしれない。ダメだ、眠い…


 「ラーラット空き部屋がいくつかあっただろう?案内してあげて。」


 「はい。」


 彼女に連れられベッドに倒れるように寝転んだ。そしてすぐに眠りに落ちた。


 △  △

 ラーラットがケイを連れて行った後、彼はソファーに座ってコーヒーを飲み、呟いた。


 「はは、面白いじゃないか。異世界へようこそ、ケイ君。」



毎度毎度読者の皆様ありがとうございます。カワウソです。昨日チラッと見たらブックマークが一件ありました。たかが一件かと思われるかもしれませんが、自分にとっては大きな一件です。ありがとうございます。モチベが上がりますのでどんどんしてください!


しばらく講義が続くと思いますが、お付き合いくださいませm(_ _)m

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