23. 狼の揺り籠 Ⅰ
フラフラと揺り籠を探す。探す、居場所を。
▽ケイ▽
「もうすぐだ」
リンナのお願いでこの地区一番の情報屋に案内して貰っている。正直なところ、もっとこの地区は荒れていると思っていたが、地獄って程でもない。
「ここだ」
「何?行き止まりじゃない」
「嵌めたのでしたらそれなりの覚悟を」
そう言って臨戦態勢の二人。喧嘩っ早い。
「そんなことしねぇよ」
男が壁に手を当て、何か呟いた。こちらからでは唇も読めない。
壁が音も立てず変形していく、変形は男のロマン。
「へぇ~こんなとこにねぇ……」
「あんまり言いふらすんじゃねぇぞ」
「それはこれからのあんた次第よ」
男は小さく舌打ちをして中に入っていく。それに俺達も続いた。
「おい、いるか?」
中は案外普通だった。並べられた机、散らかった紙、冷めたコーヒー、ただの事務所って感じがする。
「はい、はーい。ちょっと待ってくださいねぇ」
長い黒髪がよく似合う女性が出て来た。むっちりしている、人妻感が半端ない。
ラーラットが自分胸を触って落ち込んでいたが、変に慰めると刺されそうなので見なかったことにした。
「ん〜?今日は多いですねぇ、あ、初めましてぇツバキですぅ」
それぞれ簡単な自己紹介を済まして本題に入る。
「じゃあ、呼んできますねぇ」
「あぁ、頼む」
〜 〜
「リンナはそのままの格好でいくのか?」
「警戒されたくないしね」
すぐにバレそうだ、って思っても口に出してはいけない。いけないのだ。
奥の部屋から、ローブを着た男が出てきた。フードに隠れた顔を見ようと思ったが不自然な影で見えない。何らかの形で阻害しているらしい。
「またせたな、ふむ、見たことないのが数人……と思ったが、リンナと銀の姫か。変装ならもっと徹底するべきだぞ、それではただの仮装だ」
……声が想像以上に若い。正体を悟られないように変えている可能性もあるな。
「なんですってぇ!!」
リンナが渾身の変装を見破られて激怒。誰が見てもバレるだろう。もちろん口に出してはいけない。
「そういうところも直すといい、支持者が減ると困るだろう?いや……そういう需要もあるのか……とりあえず、その物騒なのを降ろしたまえ。客人とはいえ、無礼には相応の返礼を用意するぞ。そもそもお主らは情報を貰いに来た立場で……」
「わかった!わかったわよ!」
「ならば良し、本題に入ろうか。まぁ、このメンツならおおよそ見当がつく」
「話が早くて助かるわ」
「うむ、今日も天気は雨だぞ」
「あんた殺されたいの?地下なんだから天気なんて関係ないでしょ」
また拳銃を向ける。が、少しも怯むこと無く男は続けた。
「降る、降るぞ。血の雨がな」
「ど、どういう事よ」
「一般居住区画B13に行け、まだ間に合う」
「それは確かな情報ですか?」
ラーラットが疑念の眼差しを向ける。
「真か偽か、どちらにしてもお主らは行くしかあるまい。手詰まりだからこそ【裏】まで来たのであろう」
「ラーラット、行くわよ。罠ならそれで良いわ。その時は首を刎ねるだけよ」
「その前にこれを」
ラーラットが封筒を取り出す。そんなもの用意してたのか。
「金なら要らんぞ、対価は既に受け取っておる」
「……?」
「聞いておらんか?まぁ、そのうちコンタクトもあろう。ほら、グズグズしてると手遅れになるぞ」
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おまたせしました。おはこんばんちわ。カワウソです。
長らくお待たせいたしました。お詫びしますm(__)m
次回は未定です(*`・ω・´*)




