19.悪夢の行進 Ⅻ
あまりにも突然で、それでも、不可思議なほどはっきりと、なのに、まだ……眠ったまま
▽ケイ▽
研ぎ澄まされた殺意が首に触れ、鈍く光る日本刀に血が滴る。
一瞬遅れていたら首が飛んでいたかもしれない。
「おぬし……」
「そこまでよ」
リンナが銃口を俺の後ろに向けている。やはり、お爺さんに後ろをとられたらしい。
それより、アイドルが……魔法少女が銃でいいのか……
「指一本でも動かせば……剃ります」
更に後ろからラーラットの声がする。お爺さんの後ろをとったらしい。
…………剃る?
「ほっほっほっ、髪の事は言わんでくれ……心配せんでも指一本動かんよ」
「ケイ?」
お爺さんから離れて、能力を解く。すると、どっと疲れが来て、その場で座り込んだ。
それに合わせ、各々が矛を収める。
「おぬし、見えておったな?見えておったのにも関わらず動かんかった……いや、動けんかったか」
そこまでわかるのか、この歳でここの守衛をしているだけはある。
「……はい」
「ふぅむ……普通は逆なんじゃがの……意識と身体がズレておる、普段はどうにかなっているようじゃがな、咄嗟に動かなければならない場面ではあの様じゃ。【実戦】ではなく【実践】経験が足らん。死にたくなければ精進するんじゃな」
実践……何を実践すれば良いのだろう。
「あ、ありがとうございます」
「ほっほっほっ、襲ってきた相手に礼をするか、律儀な坊主よ」
仙人のようなお爺さんからのありがたい言葉を受け取る。その直後、リンナが間に割り込んできた。
「気になった相手をすぐ試そうとするのは悪い癖よ、お爺さん」
「なぁに、坊主の両手に花な状況がすこーしムカついただけじゃ」
「べ、別に私そんなんじゃないわよ!」
え、そんな理由で殺されかけたのか……
「さぁさぁ、面倒な書類はなしじゃ、とっとと通るが良い」
固く閉ざされていた門が、特区への道が開ける。薄暗く、その先はよく見えない。
「このトンネルの先が……」
「行きましょう」
△ △
いつもありがとうございます。
カワウソです。
また、忙しくなりそうです。更新が滞ることがあるかもしれませんがご容赦をm(_ _)m




