17.悪夢の行進 Ⅹ
▽ケイ▽
「リ、リンナ……」
「覚えててくれたの?ありがとう!後でサインあげるね!」
アイドルらしい営業トークとスマイルににウインクを添えて、彼女は文字通り己の足で並走している。その時速約60km
「あの、しんどくないですか?ラーラット、速度落とせない?」
「ケイ、それは出来ない相談です。第一、その魔女に気を使う必要はありませんよ」
「あら?あらら?あららららららら?そこにおわすはもしや【銀の姫】では?」
ラーラットの眉間にシワが寄る。ここまで感情豊かになって嬉しいような悲しいような。
「そう言うあなたは……確か……すいません。B級アイドルの名前は覚えてませんね」
如何にもな感じで煽り合う。どうやら知り合いだったようだ。それより、なんだ……その変な二つ名……
「暫く見ないと思ったら……男を連れ回してるなんて、随分人間らしくなったわね。ラーラット」
「あなたこそ、化けの皮はどんどん厚くなるばかりですね」
「はっ、化けてるのはお互い様でしょうに……少年、気をつけなさい。コイツとんでもない悪魔よ」
これがあのアイドル……??まさか……
「ケイ、これが彼女の素ですよ」
「そ、そうか……」
「少し引いたかしら?まぁ、アイドルとしては悲しいけれど【守護者】としては痛くも痒くもないわね」
【守護者】……また新しい単語が……ラーラットの言っていた【警察】のようなものだろうか。
「ケイ、【守護者】文字通り守護者です。能力者への抑止力としての能力者、政府直属の特殊部隊です。秘匿情報が多すぎて実態は殆どわかりませんが……」
不思議そうな顔を察知し、すぐさま解説を入れる。素晴らしい。
「そうそう、所属してる私も他のメンツは殆ど知らないのよ
ね」
走るのに疲れたのか魔法少女アイドルは遂に離陸した。キリがないので、もういちいちツッコミはしない。
「それで抑止力として成り立つのか?」
「だから、たまにはこうして出てきてるんじゃない。他に比べれば私は有名人だから表に出ても問題ない訳だし」
逆に、顔バレするとまずいような連中が抑止力として雇われているのか……
「ま、そういうことだから、あんた達は引きなさい。今回は私の仕事よ。お金より命が大事でしょう?」
「こっちにも生活がありますから簡単には引けませんね」
「そうだ、俺達だって戦える。数は多い方がいいだろう?」
「はぁ?少ない方が良いに決まってるじゃない!誰かと一緒にステージに立つなんてごめんだわ。良い?私はあの程度の化物に殺られるだなんて微塵も思ってない。あんなのラーラット一人でも倒せる相手よ」
「なら、お金より命が大事って話は?矛盾してないか?」
「はっ、私のステージを邪魔するなら殺すって言ったのよ。わかったらさっさと帰って、私のステージを録画する準備でもしてなさい」
魔法少女アイドルことリンナはそれだけ残すと綺麗なエフェクトを出して消えて行った。
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毎度ありがとうございます!m(_ _)m
カワウソです。ちょっと早く投稿しますと言っておきながら全然そんなことありませんでした。その代わり、始めの方をちょっとずつ、ちょっとだけ、改稿してます。




