5.彼女の贖罪 Ⅴ
「それ、どんなお店なんだ?」
「スイーツがいっぱいあるバイキング制のお店です。心配しなくてもパスタとかありますよ」
「……ちなみに名前は?」
「【甘味の楽園】という名前です」
「スイー○パラダイス」
▽ケイ▽
やってきたのはバイキング制のお店、数々の料理が並べられているがスイーツ率が高いような気がする。
「そんなに食べるのか?」
「はい、ケイも食べないと損ですよ」
彼女のプレートには様々なスイーツがこれでもかというくらいに詰められている。スイーツだけで昼食を済ますつもりなのだろうか。体に悪い気がしてならない。
「俺も結構取ってるよ。ところで、限定スイーツはちゃんと取れたか?」
「はい、なんとか最後の一つを確保しました」
「これで刺されなくて済むな……」
〜 〜
「ん〜流石限定ですね。ほっぺたが落ちそうです」
彼女は両手でほっぺたを抑えて満面の笑み。こっちまで幸せな気分になってきた。
「そんなに美味しいのか?」
「はい、今まで様々な甘味をいただきましたが、これはトップクラスです」
「そうか……じゃあ、一口だけ……」
一口貰おうと限定スイーツことガトーショコラにフォークを伸ばすが見えない壁に弾かれた。
「ケイ、退いてください。いくらケイでも、それ以上は……許せません」
僅かに……いや、かなり怒気を孕んだ声で睨まれ、引かざるを得ない。あぁ、そんな美味しそうに食べないで!!
「そ、そんな目で見てもあげませんから」
「いいから早く食べてくれ」
〜 〜
「美味しかったですね」
「美味しそうだったな」
「そんなに食べたかったんですか?」
「隣の芝生は青く見えるんだ」
「なら、次はもう少し早く来ましょうか」
「【次】があるのか?」
「そう……ですね……『次』が無いようにします」
そう言って俯いてしまった。どれだけ笑っていても、どれだけ取り繕っても、このデートの根本にあるのは彼女にとって贖罪なのだろう。
「ああ……いや、そういう意味で言ったんじゃないんだ」
「ふふっ、わかってますよ。良い人ですね、ケイは」
………………やっぱりそんなことないかもしれない。
△ △
読者の皆様!毎度毎度ありがとうございます。カワウソです。
1章書いた時にも思いましたが、頭の中のお話を文字にすると想像以上に長くなりますね。2章は1章の3倍くらいになりそうです。




