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2.彼女の贖罪 Ⅱ


 ▽ケイ▽


 「あれ?」


 ラーラットが出て行った後も剣が握られたままだった。綺麗過ぎて永遠に見ていられそうだ。


 「そういえば聞きそびれたな……」


 彼女が能力者だなんて知らなかったし、その能力も黒コートに酷似している。何か因縁がありそうな感じだったが……


 「まぁ、返しに行くついでに聞いてみようか」


 ベッドから降りてリビングへ向かう、そこには彼女の姿はなく、代わりに白衣の男性が座っていた。


 「おはよう、ケイ君。久しぶりだね」


 「おはようございます。でも、久しぶりって程でもないと思うんですが」


 「それは君の主観だ。君がこの家に運び込まれてからもう三日は経っているよ」


 「三日!?三日寝たきりだったんですか」


「うん、急に因子が活性化したからだろうね。よくあることだよ。それより怪我の具合はどうだい?」


 「肩が少し痛む程度です」


 「腿は?」


 「えっ、そういえば……」


 「因子活性化の影響だね。それでも、思ったより早い。しばらくは安静にし……ケイ君……君がなぜそれを……」


 意外に天然なのか、かなり気付くのが遅かった。


 「これは彼女が忘れていったんですよ。だから返そうと思って探しているんですが」


 「そう……か……いや、まだ情報が足りないか……」


 「コメットさん?」


 「ケイ君、それを床に置いてくれ」


 「……わかりました」


 コメットさんにしたがって床に剣を置くと、その形がブレ始め、やがて消滅した。


 「やはり、そうか……」


 「どういうことですか?」


 「あの能力は遠隔操作するタイプの能力じゃないんだよ。手から離れて暫くすれば消えてしまう。それでも、形を保っていたのは君が何らかの能力を無意識に働かせたからだろう。ラーラットからだいたい話は聞いたけど、君の能力はよくわからないね」


 「超能力……実感湧きませんね」


 「無理もない。意図的に使っている訳ではないからね。初心者はみんなそんなものだよ。それに君の場合は具体的にどんな能力かわからないしね」


 「そうですか」


 「それと話は変わるけど、ラーラットは今寝てるから起こさないであげてね」


 「こんな昼間から寝てるんですか?」


 「そうか、君は知りようがないね。ラーラットは君が寝ている三日間、付きっきりで看病していたよ。ほとんど寝てないんじゃないかな?もっとも、君に怪我を負わせたのは彼女だけどね」


 彼女のいないところでそんな皮肉を言うなんてらしくないな。


 「攻撃されたのは確かですが、俺が怪しかったのも事実です。彼女が反省しているなら、文句を言うつもりはありません。むしろ、俺がお礼を言うべきだと思います」


 「あぁ、なるほど……少し意地悪が過ぎたね。彼女はそれはそれはもう後悔して反省しているよ。帰ってきて暫くは泣きじゃくっていたからね」


 「えっ、そうなんですか!?」

 

 「はは、想像できないって顔だね。そう思わないでやってくれ、ああ見えても、やっぱり女の子なんだよ」


 彼は立ち上がると、俺の目をしっかりと見て、

 

 「これからも彼女のことをよろしくね。義兄としてお願いするよ」


 と、頭を下げた。


 △  △


読んでくださりありがとうございます。カワウソです。

 デート回だと思いました?残念!コメットさんでした!!


 次回は明後日までに出します。

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