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第2話 着衣で質疑応答

 「見様、これは神々を楽しませる娯楽であるという認識でよろしいでしょうか?」

 病的に痩せ、骨と皮しかない女性、香子はその姿とは裏腹に力強い言葉を発する。

 しかりと、その言葉に答えるように見は頷いて見せると先を話すように促す。


 「神々の楽しみとは、私達人間と同様の感性を持っているということでよろしいでしょうか?」

 「人間にも色々種類がいるように、御柱達にも千差万別だけど、人間上がりも多くいるから大よそは同じだよ」

 「繰り返しになりますが、私たちの苦しみ悶え死ぬのを見るのは、愉快ではないと言う事ですよね」

 しかりと、見は再度頷く、香子が何を思って質問しているのが理解しきれず困惑している様子で見は補足を口にする。

 「御柱達は、人を愛しているし人に忘れられるのは耐え難い苦痛である。その上で、人を苦しむ姿を娯楽として捕らえるものもいるが、少なくともこの計画に携わっている御柱達の感性からは苦しむ人間はあまりみたくないね。」

 見の意見に呼応するように言、聴は香子に見えるように大きく頷いて見せた。


 「慈しんでいただきありがとうございます。その上でご検討していただきたい事案があります。」

 『許す』

 言が看板で見を隠すようにさえぎりながら、香子に言葉を続けるように示す


 「先に見様の述べられたように人はたやすく死んでしまいます。衣類を着ている時でさえ、寝転がった時に耳に侵入した虫の一匹で人は転げ周り苦しみ、時には死んでしまいます」

 実際に、現代の地球でも耳の穴から虫が侵入し死んでしまい死骸からの雑菌繁殖により聴力を失いそうになった事例もある。

 香子は知っている限りの事例を指折り上げる、衣類を着ていても人はたやすく死ねるほど脆弱であること、少数の事例だがカンディルという魚の鰓に寄生し内蔵を食い荒らす小型魚が男性器の尿道に入り込み肉を食いちぎると言った事もある。

 簡単に言ってしまえば、人間と言う生き物は穴という生物の脆弱性を隠すのに衣類が必要であり慈悲を頂けるのならば薄絹でもいいので防具を貰えないか考えて欲しいと見たちに切々と訴える。


 そんな香子の訴えを聞いていた、見は反応は芳しくなく、少し待つようにと静止するような動きをすると、どこからともなく分厚い時点の様な書物を取り出し、ぺらりぺらりとページを捲りながら表面を指でなぞっている。

 どうやら本は点字でかかれているようだ。

 「あ、これ全知の書ね。神様は全知だけどいつも知ってるとタイムパラドクス的矛盾が起きるから必要に応じて知識を閲覧できるようにしてるんだ。いや~不便だけど、これがまた楽しくてね。ふむふむカンディルとか穴に対する異物混入事例についてわかったよ。」

 分厚い書物を皆に見せ付けるように持ち上げた後は煙のように掻き消す。


 「確かに、昆虫とかが地面からお尻とか耳の穴に入って苦しんで死なれても困るから、一つの加護を全員に与えるね。その名も《穴防御の加護》。うん、ごめんねネーミングセンスはないんだ。」

 反応の悪さに見は頬をかきながら軽く拗ねたように口を尖らせながら続ける。

 「本人が許可しない限り、身体にある穴に侵入しようとするものを防ぐ加護だよ。これなら虫も魚も怖くないね、これでいいかな?」

 見の言葉に香子は、薄く笑いながら大きく頷く。

 「はい、神よ。ありがとうございます。膣も対象であり、異物、他人の一部、無機物、生物、これらの侵入を防ぐという加護ですね」

 念を押すように、分りやすく大きく区切るように質問を重ねる。


 「うん、その通りだよ。あと女の子が膣とかどうどうと言い切らない。」

 着席を促すように手で示す見に対し香子が答える。

 「申し訳ありません、医療用語という認識でした。」

 「なんでさ」

 「病院生活が長かったので……医療用語的な認識を……」

 「あ、うん。さえぎって悪かったね。続けて」


 気まずい表情の見本と言えるほどの表情で見は先を促す。

 「これで不幸な性的暴力・・・・を防げます。繰り返しになりますがありがとうございます。」

 同意がなければ穴に、何も入れられない。

 つまり口内に何かを押し入れる事もできなければ、強引に押し倒した後は何も出来ない状態になる。

 極限状態に陥るしかない現状で、直接的な暴行は防げないが、陰湿な性的暴力、安易な拷問――口に石を詰めての殴打し歯を折る、異物を体内に納めさせ殴打する等――は防げる環境を作り上げた。

 見は気がついていても見逃したのか、それとも気がついていないのかは、まさに神のみぞ知ると言ったところだろう。


 香子の質問を皮切りに、様々に人が挙手をしていきいくつも質問があがってくるが、異世界全裸サバイバーに関係ないものは、却下と容赦なく切り捨てられながらも質問に答えていく見。

 幾人もの人の質疑応答を近正は、冷静に聞き取り時折口の中で反芻しながらこの企画を冷静に見抜いていこうとする。

 彼なりに要点を纏めると異世界全裸サバイバーは大目標は生きて死ぬこと。

 小目標は二ケ月生き抜く事、二ヶ月生き延びられれば褒美として高天原に招待されるか、神様的粗品をもらうか選択できる。

 ライトノベル的チートは、三つ貰えるとの事。


 一つ目は、身体能力及び知識の偏差値変換し健康体までの治療。

 これは、すんでいる町内の身体能力や知識量を偏差値に直し、サバイバル開始地点の地域にあわせて変更してくれる。

 腸内細菌の差異による食あたりなどによる死亡は防ぐ事ができ、動植物に対しても地域レベルにあわせての知恵が手に入るため食料調達にも問題が少なくなると言う事だ。

 身体能力に関しては、近正の握力は92kgあり、住んでいるところの偏差値にすると70よりやや上と言ったぐらいだ。

 もし転移先異世界の握力の偏差値70が握力200kgの場合は、近正の握力は200kgまで上昇するが逆に偏差値70が40kgというなら40kgまで弱体化するといった風に変換されるわけだが所詮はひ弱な現代人、殆ど者は上位に変換されるはず、と見は自信満々に言い放った。

 それに元イタリア陸軍に所属していたベニーニョくん(享年、男は秘密がアクセサリー歳)が噛み付いて偏差値変換で能力が弱体化することは、0%ではないと見に意見してくれたお陰で弱体化はなく偏差値まで身体能力を引き上げてくれると言う事で話は落ち着いた。

 それにくわえ、肉体のあらゆる点を、死亡時の年齢までの間にある一番優れている時に戻してもらえ、尚且つ日本の厚生労働省基準の健康体まで治療してくれるとの事だ。

 変な例えになるが、真性包茎の場合は保険適用で治療できる為、異世界に送られる時には仮性包茎かずる剥けか本人の望んだ姿で転移できると言う事だ。

 なお、性同一性障害などは自認性にあわせた身体に完全に変換して送り出してくれるそうだ、この質問をした新潟在住の上門権三郎(享年76歳、夫妻子なし)と月女神ヴィーナスさん(永遠の18歳)は泣いて喜んで失神までしてしまった。


 二つ目は、神様アイテムの授与

 これは後から配られる神padと呼ばれるタブレット経由でアイテムを一つ選び、神padと選んだアイテムを異世界に持ち込めるそうだ。

 この神padと選んだアイテム通称《神様アイテム》は不壊属性持ちで、所有者が望まない限りは傷も汚れもつかない優れものだそうだ。

 神padも、なにやら特殊能力もあるそうだが配られた後に説明してくれるとの事で、近正は年柄にもなくちょっと心を踊るのを隠せない様子だ。

 以外にもこの男、ガジェット好きなのだ。


 三つ目は、香子により追加された《穴防御の加護》

 詳しく定義すると、人の身体に口や穴とつく所に本人が拒絶するものは入ってくる事ができなくなると言った破格の加護だ。

 近正は後で、傷口や傷穴にも有効なのか確認しようと企んでいる。


 質問は飛ばされる場所にも及び、どこに飛ばされるのか例の番組でも全裸になる前に分ったと抗議してくれるものおり、内緒とされようとしていた飛ばされる場所が明かされる。

 それによると、神様が人生と技能を吟味して決めたサバイバルレベルにより飛ばされる場所が異なるそうだ。

 1から10までの数字でレベルが決められ、10だと高難易度の場所に飛ばされ近くに人はいなくなるとの事で近正はいるであろう双子との合流が難しくなるとしかめっ面をしていたところ

 またも香子が切り込んでくれた、誰か一人の《神様アイテム》としてパーティー結成権利を取得する事ができ、六人までの纏まって異世界に転移できパーティー内ではバベル前でいることが出来き会話に不自由せず。

 それぞれが生きているか、どちらの方角にいるか大雑把に認識できるようになるとまで解説された。

 それを聞くと同時に香子は自分がパーティー結成権利を取ると宣言して仲間を募ろうとしたが見にやんわりとたしなめられ着席した。

 近正にしては、珍しく香子に興味を抱くきっかけとなる。


 あとは、雑多な事の為近正は記憶に止めておくが特に思い返すのは異世界を体験した後でよいかと、心の中に纏めたものを思いこしながら質疑応答が終わるまで講堂の中をゆっくりを見回し双子の姿がないか探っていった。

毎週金曜日には更新したかったのですが、ちょっと字数が少なくて途中までです。

この後、加筆します。もし見捨てないでいただけるなら第3話を見る前にちょっぴり2話を見直していただけると助かります。

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