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プロローグ
タッタッタッタッと雨の中傘をささず走る少女は列車を追いかけた。彼女に謝りたい一心だった。だけど、運動不足のせいかその場に膝に手をつけてしまう。しかし謝るまで止まらないことを決めていた少女は自分の顔を叩き前を向き直した。少女はまた走った。けれどあの列車はどんどん離れていく。窓際の彼女を見つけて叫ぶが列車の音が自分の声を掻き消し、列車は少女を空気のように避けた。
"ガタンゴトン ガタンゴトン・・・"
列車の音が聞こえなくなる頃には、雨音にパタパタしか聞こえなかった。少女は膝を地につけワンワン泣いた。ただ泣くことしか出来なかった。なぜあの時あんなことをしたのか。いまでも思い出せない。でもこのストーリーは今でも続いている。答えはまだ見つかっていないだけで、今はまだ序章に過ぎない。彼女を見つけるまではストーリーを終わらすわけにはいかないんだ。この話は、とある少女と少女が創造した物語である。