第5話『和也君の憂鬱(前編)』
「太一ぃいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!助けてくれええええええええええ!!!!!!!!!ピンチピンチピンチピンチピンチチンピチンピチンピチンピラゴボウおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
「少し落ち着け」
バキッ
「ぎゃふ!!!!!」
いきなり泣きっ面で飛びついてきたアホ(和也)の顔面に蹴りを入れてやった。
泣き顔がすごくきもかった。
「いきなりなにすんだヨ!!!!!美男子の顔面に蹴り入れるとはどういう了見だ!!!てめー!!!」
「ああ、すまんな、美男子君」
「・・・・・全然謝罪に心がこもってない気がするんすけど・・・・・(汗)」
「それより俺に何の用なんだよ、美男子」
「聞いてくれよ!!!!!俺の両親に勝手にお見合い取り付けられたんだヨ〜!!!(泣)ひどくない!?」
コイツの父親は議員で母親は秘書、そして姉は弁護士というなんともエリート家族なのだ。コイツ以外は・・
「あれ?今なんかものすごく失礼なこと考えてなかった?」
「いや・・・・・まあ・・・・・頑張れよ、お前、色々と」
「そんな悲しそうな目で僕を見ないで下さい!!!(泣)」
「・・・・で?お見合い?んだよ、うらやましいじゃねえか、コノヤロー。まあ、いい機会じゃねえか。一生もてない人生歩むのもなんだろ?受けとけよ、そのお見合い」
「・・・・・あれ?なぜか涙が止まらないんですけど?僕?(泣)」
「そのお見合いのどこに不満があるんだっつーの」
「あ!そうだ!見てくれよ!コレ!」
すると自称美男子は俺に1枚のカードらしきものを手渡した。そこに写っていたものは・・・・・
「・・・・・なにコレ?妖怪のトレカか?デーモンより強そうだな」
「違いますよ!!!それがお見合いの相手なんですよ!!!!!」
「ぶーーーーーーーーーー!!!!!」
な・・・なんだと!!!!この・・・・妖怪みたいなのが人間のおんなあああああ〜〜〜〜〜?????
思わずふいっちまったぞ!!!!!マジかよ!!!!!?????
「・・・・・はあ、ホントに頑張れよ?お前?じゃあな、お前らの幸せをこころから祈っているぜ?俺は」
「ちょっとおおおおお!!!!!まってえええええ!!!!!僕を見捨てないで!!!!!っていうか『ら』ってなんだよ!!!!!『ら』って!?そんなもの幸せとは言いません!!!!!人はソレを『アンハッピー』と言います!!!!!」
「だああああ〜〜〜〜〜!!!!!わかったよ!!!!!わかったから俺の足にしがみつくな!!!!!アホっ!!!!!」
今回ばかりは本気でコイツのことがなんかかわいそうに見えたので相手にしてやるか・・・・・
「しかし・・・・・お前の両親の目は節穴か?コレの何処に『ぷりてぃ』要素があるというんだ?かろうじで
人間かな・・・・・?ってわかるぐらいの容姿だぞ?コレ?」
「ああ・・・・・しかも悪いことにその怪物女、実は僕の父親の友達の娘なんだヨ・・・・・つまりだ、政界の大物の娘なんだヨ・・・・・つまり断ったりでもしてみろ・・・・・」
「消される?」
「冗談でも怖いこというなよ!!!!!今、背筋がぞくって来たよ!!!!!ボク!!!!!」
「消される?」
「二度も同じこと言わなくてもいいよ!!!!!嫌がらせかよ!!!!!」
「まあ・・・・・なんか『お見合い』じゃなくて『お見舞い』になりそうだよな・・・・・」
「コワっ!それも激しくコワっ!(汗)」
「よおし!俺にまかせておけ!お前の名前使って俺が『挑戦状』を書いてその怪物女に送りつけてやろう!どんな文面がいい?こんなんはどうだ?『おめえのツラからなんかくせえんだよ!!!!!まず顔、洗え!!』
ってのはどうだ?相手の刺激をよりアップできるぞ?」
「やめてくれええええええ(泣)本当にボク、消されかねないよ!!!!!」
「・・・・・?たいちゃんとキ○ーピーちゃん、こんなところでどうしたんですか?」
「ボク、『かずちゃん』なんですけど!?」
「おう、霜月さん、聞いてやってくれよ?コイツの悲劇」
「悲劇とかいうなあああああ!!!!!(泣)」
ぺらぺーらぺらぺら(説明中)
「ああ、なるほど・・・・ぺらぺーらがぺらぺーらなんですね?」
「そうそう、ぺらちゃんがぺらぺーらしたんだ」
「あんた達、本当に話しわかってんですか!?あんた達、さっきからぺらぺらしか言ってないじゃん!!!!」
「で、霜月さんこいつのお見合いぶち壊すいいアイデアねえかな?」
「そうですね・・・・・こんなのはどうですか?キ○ーピーちゃんがとんでもない格好をしてお見合いに出席するって言うのは?」
「あのね?だから、ボクね?『かずちゃん』なんですよ?(泣)」
「ふむ・・・霜月さん!そのアイデアグッド!!!!!よし、和也、お前、お見合いのとき全裸で出席しろ」
「行く前にわいせつ物陳列罪で捕まりますよ!?ボク!?」
「あっ、太一さん・・・いくらなんでもそれはちょっとかわいそうですよ?せめて、ブリーフぐらいは履かせてあげないと・・・・・」
「ああ!そうだな!うっかり忘れてた!てへっ」
「あの・・・そういう問題じゃないと思うんですけど・・・・・?(汗)」
「よし、和也、お前、ブリーフ履いて頭にもブリーフ履いて『わーっはははは!!!!!月光ブリーフ参上!!!』とか言いながらお見合い会場を暴れまくれ」
「もうわけがわかんないんすけど・・・・・(汗)」
さあ、お見合いの日が楽しみだ。(→第6話につづく)