第3話『名前で呼ばれるほど嬉しいものは無い』
「おっ!水玉!ひゅう♪やっぱいいよねえ・・・チラリズムは。こう・・・なんていうかな・・・見えるか見えないかくらいの際どさがいいんだよねえ・・・な!太一!」
「見えてんじゃねえか、チラリズムじゃねえ」
「へへ・・・まあ、いいじゃん。おっ!あんなところに美少女発見!む〜ん!神風よ!吹け!我に神風を与えよ!真空か○は○破!!!!」
「(他人のふり・・・他人のふり・・・)」
昼の休憩時間に大学のキャンパスを適当にそこら辺をうろつく俺、太一+アホ1匹・・・・・暇人だな・・・
「ん?あれれ?あの?太一君?なんでそんなにボクと距離おいてんの?(汗)」
「誰だ?お前?気安く喋りかけないで下さい、アホ」
「なんでいきなりボクに対して冷たくなってんですか!?」
「もうお前は喋るな。アホが俺にまで移る」
「あんた真剣にひどいですね!?(泣)」
「だから喋るなと言ってんだろうがよお!!!お前、周りの人の迷惑考えたことあんのか!?お前のアホがみんな感染してお前みたいな奴が増殖でもしてみろ!!!かなり、気色悪いだろ!!!嫌過ぎるだろ!!!
環境問題まで発展してしまいには第5の公害・・・・『アホ病』とか出たら取り返しのつかないことになるんだぞ!!!少しはみんなの幸せを考えろ!!!疫病神!!!」
「・・・・・なんでボクお前とつるんでいるんだろう・・・・・(泣)」
「あはははっ♪お前、友達居ないからだろ♪さっびし〜♪」
「楽しそうに語らないで下さい!!!(泣)」
「なんやかんや言ってもお前とつるんでもう2年たつのか・・・・・色々あったよなあ・・・・・」
「ああ・・・そうだね。楽しかったよなあ・・・」
「ああ・・・お前が不良どもに因縁つけられて挙句の果てにはリンチにあったり、お前が一目ぼれしたかわいい女の子にお前が告白して見事に玉砕したり、お前が学食で買ったパンを食べてよくみるとそのパンにカビ生えててあとでゲリピ〜起こしたり、お前が一番のお気に入りの洋楽を俺が借りて失くしちゃったり、お前がワン公(犬)に喧嘩売って見事にボロボロに負けたり、お前の先輩の陰口を俺が先輩にチクッてお前ぼこられたり・・・・・ああ・・・・・楽しかったよなあ・・・・・」
「嫌な記憶ばっかり抽出するなよ!!!!!それ、全部お前1人が楽しかっただけじゃん!!!!!」
「ははははは!よくわかったな!お前、てんさい〜(笑)」
「思ってても少しぐらい隠そうとしろよ!!!そういうの!!!」
「まあ、常にオープンだからな、俺は。ちなみにお前むっつりな。鍵で例えると・・・お前の部屋のドアノブには何重にも南京錠がつけられてて少しだけ部屋の中は見れるんだが薄暗くてわかりにくい・・・・夜な夜な不気味な吐息だけが部屋から漏れている・・・・・『むふふふふ・・・・・』・・・・・みたいな感じだ」
「怖いよ!!!それ!!!ボク部屋の中でナニしてんのお!?」
・・・・・しばらくこのアホとぶらぶらとうろついているとベンチに座っている見知った少女を発見した。
・・・・・なにやら活字の本を読んでいるらしい・・・・・良くそんな小難しい本読めるな・・・・・
俺なんか1ページ目でギブアップだぜ・・・・・
「・・・・・」
・・・・・集中して読んでいるのか俺が目の前に居ても気付かないご様子・・・・・
邪魔しちゃあ悪いし、そっとしといてあげようか・・・・・
「・・・・・あ」
「・・・・・あ」
ふいに彼女が顔を上げたので俺と彼女の目が合ってしまった・・・・・
「・・・・・こんばんわ、皆瀬さん」
「『こんにちは』ね、霜月さん」
・・・・・彼女は青ぶちメガネをかけていた・・・・・あっ、もうはずしちゃうの?
「おっ♪なになに♪太一?このかわい子ちゃん誰?知り合い?彼女ってワケじゃあないよなははは♪」
・・・・・
しまった・・・・・俺には今このアホ(和也)がいたんだった・・・・・どうしよう?
「・・・・・?皆瀬さん、うしろの方は?」
「知りません」
「なんでだよ!!!お前の親友だろうがよ!!!(汗)」
「やめてください、ボクに触れないで下さい。訴えますよ?」
「ひどい!!!(泣)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ボーイズ○ブ?」
「「違います!!!!!(汗)」」
うっわ〜・・・コイツとはもっちゃった・・・・・最悪・・・・
「へへ♪ボク、斎藤和也♪好きなタイプは君みたいな子♪ボクのこと『カズちゃん』って読んでね♪ヨロシク♪」
「はい、私は霜月海です。よろしくお願いします、『カズちゃん』」
「ふ・・・ふぉおおお・・・・・き・・・きたあああああ」
・・・・・なにがきたんだよ・・・・・
というか・・・・・なんか腹立つな・・・・・一発殴っとくか。
バキッ
「ぐえ!な・・・なにすんだよ!」
「別に」
「別にじゃないでしょ!?あんた!?」
「・・・・・・・・・・どうかされましたか?皆瀬さん」
「・・・・・・・・・・霜月さん、俺の願い聞いてくれるか?」
「・・・・・・・・・・はい(/////)」
あれ?なんで赤くなってんの?
「あああああ!!!!!てめー!!!!!太一!!!!!霜月さんにやらしいこと要求するつもりだろ!?
そうはさせねー!!!!!」
「・・・・・・・・・・丁重に扱ってください(/////)」
ナニを言っているんだ・・・・・君達は・・・・・
「・・・・・・・・・・今度から俺を呼ぶとき『たいちゃん』って呼んでくれないか?」
「・・・・・・・・・・(/////)・・・・・・・・・・はい、たいちゃん」
「ふ・・・ふぉおおお・・・・・き・・・きたあああああ」
・・・・・ん?あれ?デジャブ?
「てめー!!!!!太一!!!!!ずりーぞ!!!!!」
「なにがだ!!!!!」
「・・・・・あ・・・・・もぅ、こんな時間・・・・・」
ごそごそと自分のポケットから・・・・・また、洗剤を2つ取り出し、俺達に手渡す。
「・・・ん?なにコレ?」
「つまりだ、お前のその汚らしいからだをコレでも使ってぴかぴかにしやがれ!!!この豚野郎!!!って言う意味で渡したのさ」
「なにそれ!?ショッキング!!!本当なの!?霜月さん!?」
「・・・・・・・・・」
「返事してよ!!!(泣)」
「では・・・私はこれで」
「ん、またな」
明日は多分、『ご○んですよ』だな。