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第2章 入院日記

「10月7日」


「この病院の医師達はおかしい・・・

絶対に・・・何かが狂ってる・・・

私は、このままあいつらの・・・狂ったあいつらの犠牲にならないといけないの・・・?」


俺が、開いたページにはこんな文章が書かれていた。


『なぁ海・・・何か良い感じじゃねえか?』


『は?何が良い感じなんだよ?』


『ようやく、肝試しらしい雰囲気が出て来た。って事だよ♪』



俺は、井上の発言に呆れながらも日記の続きを読もうとしたのだが・・・

それは、何故かテンションの上がった井上が、先に病室を飛び出して行ってしまったせいで中断させられた。


それから、俺達は手術室。霊安室に行ってみたのだが。

結局、何処も他の部屋と同じで荒れた様子も無く綺麗なままだった。


『あ〜ぁ。結局、さっきの病室の日記以外は大した事無かったな〜』


『確かにな。もうちょっと、落書きとかあって荒れてたら雰囲気出るんだろ〜けど』



俺達は、そんな会話を交わしながら病院内を歩いていたのだが。

俺は、ふいに外に停めてあった自転車。バイクの事を思い出し、井上に話してみる事にした。


『あ、そうだ!なぁ、井上?

今、この場所にいるのって俺達だけなんだよな?』


『ん?まぁ。そりゃそうだろ。他にも誰か来てんのか?』


『いや。何か、外に自転車とかバイクが何台か停めてあったからさ・・・

俺達意外にも誰か来てんのかな・・・って』


『あ〜。じゃあ、誰か先約いるのかもな〜。

ってか、もうそろそろ帰るか?大体の所は見終わったし、これ以上面白い事も起きそうに無いしな』


『そうだな・・・それより、井上?

お前、帰り道分かるか?』


『いや』




この、廃病院は何故か迷路のような作りになっていた為、俺達は帰り道が分からなくなっていた。


しかし、俺たちは「歩いていれば、そのうち入り口に着くだろ」と言う事で、俺達は廃病院内を適当に歩き始る事にした・・・



歩き始めて、しばらくすると何かを思い出したのか、井上が急に立ち止まり俺に話し掛けて来た。


『あっ!!そうだ!!海。あの日記どうした?』


『ん?一応、持って来てるけど?』


井上が言った「あの日記」とは、病室内で見つけた「入院日記」の事だと、すぐに分かった俺は持っていたノートを井上に差し出した。


『へへへ〜♪』


『・・・なんだよ?気持ち悪いな』


『どうせだからさ♪歩きながら俺がこの日記を声に出して読んでやるよ♪』


『は?何で?』


『だから・・・この病院の中にあった。唯一怖そうな感じの、この日記を読みながら歩いてれば何か緊迫感とか出そうだろ♪』


(井上ってこんな奴だったかな・・・)


俺は、そんな物好きな友人に呆れていたのだが、井上は俺の返答も待たずにノートをめくり、日記を読み始めていた。


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