通行人の一幕
掲載日:2026/08/03
時間の流れが随分と速いような気がしている。
子供の夏休みはまるで無限の遊び時間が与えられているようでいて
7月がこのまま永遠に続くような錯覚に陥っていた。
8月はもっと長かった。
それがどうだろう。
20代前半から働き出して時計の針の加速度化が始まり
気がつけば人生は晩年を迎えている。
いつお迎えが来てもおかしくない年齢になり
世界の温かさよりも冷たさをたくさん経験した人生というひとつのカプセルは
このまま死の殻だけを残して地面に伏して冷たくなっていく。
思想を残さず作品を残さず教訓を残さずお金も残さない。
何も残さない人生は空っぽであり
生産性と無縁の人として歴史に名を刻む事もなく
過ぎゆく通行人の一幕として消えていくんだろう。




