せかいがこわれるおと
それからしばらくして、深夜、アカリから連絡がある。
「どうしたんだこんな夜中に。」
「あんたも、起きてるんでしょうが。」
「まぁな?」
私は部屋の明かりをつける。
「まどろっこしいのは嫌い。単刀直入に話すわ。」
「クズナマイを、私の事務所主催のVtuberライブに出したい。」
「えぇ?だって、クズナマイには3Dモデルはまだ」
「作るの。」
アカリの事務所は零細だったがアカリの出現により、今は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
「どういう意味か、わかる?」
・・・待て。
おかしくないか?
何故、アカリの事務所が、個人勢のクズナマイのモデルを作るんだ?
「うちの社長が、今回のライブ次第で、クズナマイを欲しいと言ってる。」
「当然、そうなったらちゃんとしたプロデューサーも、マネージャーもつく。」
要するに、それは
「あんたは、用済みになる。」
アカリは、冷たい声で続ける。
「それでもを出させる?」
私は・・・
「当然だ。」
そうするのが、クズナマイのためだ。
クズナマイのキャリアにとっては、最善。
じゃあ、答えは決まってる。
「クズナマイをよろしくお願いします。」
「・・・わかった。じゃあ、この話、マイちゃんにもしてくる。でも、あんたのことは言わない。」
「これは、ずるいお願い。私を恨んでもいい。でも、ライブが終わるまでは秘密にしてほしい。でないと、あの娘は歌えなくなるから。」
「わかってるさ。」
そういって、アカリは通話を切った。
ずるいお願いをする破天荒娘が、
大人のことまで気にかけるな。
なんでそんなに、泣きそうなんだよ。
「じゃあマイちゃん、今日は頑張ろう!ワシャシャシャシャ!!」
今日、初めての3Dライブ。
と言っても、アカリちゃんの事務所主催で、私はお客さんみたいなものだけど。
凄いなぁ、よくわからない機械がいっぱい。
アカリちゃん、凄いところにいる人なんだなぁ。
今日は頑張らなきゃね。
そういえば、最近アタリショックさんともなかなか話せてないや。
今日のライブ、見ててくれるかな?
アカリちゃんとのレッスンの成果、見せられるといいなぁ。
ヴヴッ
うん?なんだろう・・・って!お兄ちゃん!!?
急に何さ!びっくりしちゃうじゃん!
もしかして、私への応援とか?えへへへ・・・
って、お兄ちゃんは私のこと知らないんだった。
えーと、どれどれ?
《マイ、久しぶり。今度結婚することになった。招待するから、結婚式来てくれよな。》
せ か い が こ わ れ る お と が し た




