3.新しい一日
朝食はパンだった。元々はご飯派だったし、さすが東京のパン屋さんのパンはおいしい。
状況を飲み込みきれず黙って食べてしまったけれど、怪しまれていないようで良かった。部屋に戻って身支度をしよう。
…スカート、折りじわないけど、2回くらいなら綺麗に折れるかな?愛莉の時は切ってたんだけど。
タンスの奥にあったリボンをつけて、家の外へ踏み出した。
360°どこを見てもビル、ビル、ビル。田んぼも畑もどこにもない。少し落ち着かない気分だ。嫌いじゃないけどね。
学生証の学校に向けてスマホにナビをお願いする。最寄り駅までは歩いてる高校生が多かったので、私も歩く。
人生初の満員電車にテンションが上がる…わけもなく。人混みを歩くのに慣れていなさすぎて、たくさんの人に謝りながらなんとか学校に辿り着く。
確か学生証は…1-5だっけ。
同じ色のリボンの人の後ろをつけていこう。
「おはよー…?」
私が教室に入ると、クラスが沈黙に包まれた。
「多分クラス間違ってますよ?ここは1-5。」
「私も1-5なんだけど」
次はざわざわ。名前を言ったらいいかな?
「イメチェンしたの。私、きさ」
「如月さんでしょ?普通にうちのクラスじゃん。」
現れたのは、背の高い男子。
「如月さん?」
「確かに、黒髪だし…面影あるかも」
「一晩でこんなことある!?」
やっぱあの地味姿で学校行ってたことになってるのね。それにしてもリアルな夢だなー。梨音みたいにいつも一緒なお友達は見つかるのかしら。
「あ、美琴ちゃん探してる?さっき部室行ったよ
ー。」
「あ、ありがと」
美琴さん??が胡桃ちゃんのお友達なのね。
どんな子だろー。可愛いかな?地味な感じかな?
「くーるーみー!!!!!」
そう言って走ってくるのは、二つ結びにジャージの可愛い女の子。
「だから胡桃は可愛いってずっと言ってたでしょ!やっと分かった?てか美琴にも言ってよ協力するんだから!」
梨音と同じ感じで元気な子だなー。
「おはよう美琴。今日思い立ったから連絡できなかったわ笑」
「なんか胡桃今日元気だね。」
「そう?」
やばい、胡桃じゃないってバレちゃダメだよね、さすがに。
「まあ可愛いメイクすると気分も上がるよねー!」
始業のベルが鳴る。




