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ぼっちでダンジョン配信してたら賞金1500億円のデスゲームに巻き込まれたので、のらりくらりと生き残っていきます  作者: 古野ジョン
第1章 デスゲームへの招待

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第3話 参加表明

<イエス! 俺は絶対に10億ドルを勝ちとってみせるぜ!>

<絶対に優勝してやる! ジョンコム制覇待ったなしだ!>


 その日の夜、ねぐら代わりにしているテントにて。スマホでSNSの書き込みを見ていると、既に多くの有名配信者グループが大会への参加を表明していた。


「ふーん、皆出るのか……」


 まだ大会の概要すら明らかになっていないのに、やはり10億ドルという賞金は相当な注目を集めているらしい。ジョンコムを主宰するカイルという人物はかなりの富豪だと聞く。……金持ちの道楽ってやつは分からん。


 他の配信者の動画も観てみたが、やはり皆はグループで出場するそうだ。あくまで320「組」に参加資格があるので、極端な話をすれば一つの枠を使って百人で出場することも出来る。ぼっち配信者で仲間のいない俺に勝算はほぼないだろう。


「……」


 俺はスマホに繋いでいた充電コードを外して、ジョンコムのアプリを開いた。ちなみに、この島の各所にはジョンコムが整備した充電スポットが設置してあり、配信者は自由に使うことが出来る。


「えーと……タイトルは『【緊急】カイルさん主催のコンテストについて』でいいか」


 ポチっとな。日本は今頃夜の九時くらいかな? きっと視聴者も集まってくるだろう。


『緊急なんてめずらしー』

『どしたん?』

『結婚発表!?ww』

『←ダンジョンでどうやって出会うんだよwww』


 こいつら配信のタイトルが読めねえのかな。でも予告もせずに始めた割には人が集まってきた。


「皆、観に来てくれてありがとう。実は悩んでることがあってね。タイトルの通り、例のコンテストについてなんだけど」

『えっ、出れるの?』

『さっきの配信で招待状もらってたよ』

『賞金は僕たちにも山分けですかー?』


 話聞けよ。とはいえ、ここは視聴者の皆にも意見を聞いておきたい。賞金1500億円……ってのは気になるけど、どうせ勝つ見込みのないコンテストに挑戦してもなあ。


「コンテストの中身がどうかは知らないけど、どうせ俺は一人だしさー。普段から大掛かりな配信をやっている人たちに勝てないと思ってね」

『まあ、たしかになー』

『俺たちの1500億円はどうなるんだよ!?』

『←自分で稼げやカス』


 ふとスマホの画面を見てみると、他の配信者たちの動画がリコメンドされていた。なになに……。


<デカい鹿を狩って丸焼きにしてみた>

<森に落ちてた剣で熊を試し切りしてみた>

<毒キノコ煮だしてスープにしてみた>


 なるほどね。この島はダンジョンとは呼ばれているものの、あくまで今まで地球上に存在した動植物の延長線上くらいの生き物しかいない。たまに人知を超えたアイテムが拾われることがあって、ちょっとした騒ぎにはなっているが。


「俺はさあ、のんびりスローライフを皆に楽しんでもらえばいいんだよ。他人と競うなんて、あんまり興味がなくてね」

『えーっ、出ようよ!』

『10億ドル! 10億ドル!』


 意外にもコメント欄の皆は出てほしいらしい。えー、意外だな。でも代わり映えの無い日常を配信しているのだから、たまにはイベントがあってもいいかもしれないな。


「みんな、そんなに出てほしいの?」

『参加することに意義があるんだよ!』

『←賞金の分け前が欲しいだけだろww』

『Mikeと握手してきて!』


 ちなみにMikeとは外国人の有名な配信者だ。そうだなあ、有名人と会えるってのは魅力的かもしれないな。ちょろ~っと出場して、参加賞だけ貰って帰るのがいいかもしれない。


「そんなに言うなら出てもいいけど……どうせ勝てないよ?」

『弱気だなあ』

『タローならなんとかなるって!』


 優しく励ましてくれる視聴者たち。しかし、その中に――際立つコメントが一つあった。


『タローほど運動神経が良い人、見たことないよ。絶対に勝てると思う』


 なんてことないコメントで、すぐに流れていったのだが――言い切られると妙に気になる。そっかあ、俺って運動神経が良いのかあ……。ちょっといい気分だな。


「じゃあ、出てみるよ。負けても文句言わないでね」


 こうして俺は、コンテストに足を踏み入れることになったのである。

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