八
「…まぐれか」
白けたように手をひらひらさせてオルガは先に進もうと歩き始める。まぐれ…いや仮にまぐれでもあんだけの魔法使えたのってかなり凄いと思うんだけど
「うーん…やっぱり出来ないや。オルガの言う通りまぐれだったのかな」
「とりあえず今は先に進もうか」
「そうだな。今日の夜にでもまた試してみようぜ」
「うん。少しでも皆の役に立てるなら立ちたいし」
そして、その日の夜。
枯れ木を刻んだ所に火の種を使い火を囲いながら遅めの夕飯を取り、今は各々休憩している
オルガは側にある大きめの石に腰掛け、足を組んで頬杖をつきながらじっと火を見つめている。唯は自分の剣の手入れをしながら時折その剣を掲げて月明かりに照らしている
俺は皆とは少し離れた所で大剣の素振りをしている所だ。早くこの大剣を使い熟せるようになりたい…その一心で朝も夜も最近は毎日振ってるんだけど、なかなか上手く行かないもんだな
「凄いなぁ……よくそんな大きな剣を振れるね」
「ん?ジェーノ?」
声に振り向くとジェーノが感心したように俺の素振りを眺めていた。怪力がなきゃ振るどころか持てすらしないんだけどな…この大剣
「僕もさっきの魔法が使えるようにしたくてさ……隣で練習しようかなって」
「殊勝だなぁ……」
「零也もそれ当て嵌まるよね?」
「んー…やっぱりいつまでも二人に助けられてばっかりじゃ申し訳ないしさ」
「それを殊勝って言うんじゃない?」
「まあ……。お互い二人の足を引っ張らないように頑張ろうぜ」
そう言って笑う。ジェーノもつられたように口元を緩ませ、少し距離を置いてあの時の感覚を思い出すように目を閉じながら手を翳す
……結局、皆が寝る間近まで頑張ったがその掌から魔法が出る事は一度もなかった




