四
「ちなみにこの世界のエルフは人、魔族とどんな関係なの?」
「人間とエルフの間で諍いは無いよ。かと言って友好的な関係でも無いけれどね」
「魔族も同じだ。そもそも奴等は外との関わりを嫌う種族だからな」
そうなのか…。でも魔族と人間みたいに険悪な関係じゃ無いだけまだマシな方か
「そろそろ出発するぞ。早く飯を食え」
「え?俺飯抜きじゃないの?」
「冗談に決まってるだろうが」
意地悪く笑いながら袋を漁り、簡易食を取り出して俺に渡してくる。何だよ冗談かよ…夕飯までひもじい思いしなきゃなんないのかって内心億劫になってたわ
渡された簡易食を食べ、大きく伸びをして大剣を担ぎ袋を持つ。するとジェーノさんが話し掛けて来た
「あの、僕も付いて行っていいですか?」
「え?俺達が何処に行くか分かってる?」
「分からないけど…このまま別れてしまうとまた魔物に襲われてしまうから…」
あー…なんか親近感湧くわー…俺も最初の頃スリーアイドッグとスライムに追い回されて泣きそうになったなぁ…あん時に比べると雲泥の差だ
「つまり、私達に安全な所まで護衛して欲しいと言っているのか?」
「意地悪い訊き方すんなって……俺達はソマールって所まで行く途中なんだけど分か…らないか」
「うん…。あ、荷物持ちくらいは出来るから…その袋とか…」
「これには私達の食糧が入っている。もし魔物と闘っている間に持ち逃げなんぞしたら即刻見つけ出して魔物の餌にするからな」
「し、しないよそんな事!」
ジェーノさんはぎろりと睨みを利かせて見るオルガにたじたじといった感じだ…オルガの怒った顔見たらどんなリアクションすんだろ
でもそうだよな…記憶無いって事は俺が異世界に来た時とほぼ同じって事だし、あの時に唯と出会ってなかったら今の俺はいないんだよな
さっきも言ったけど、困った時はお互い様だ
「良いよ。一緒に行こう」
「本当!?ありがとう!ええと…ごめんなさい。名前を訊いてなかった」
「あ、そうだった。俺暁 零也」
「東雲 唯だ」
「オルガ」
「暁君、東雲さん、オルガさん…よろしくお願いします!」
深く頭を下げてジェーノさんは良かったと呟きながら大きく息を吐いて胸を撫で下ろしている。分かる分かる、滅茶苦茶不安だったろうなぁ
「…何だか零也と初めて会った時を思い出すね」
唯も同じような事を考えていたらしい。やっぱりそう見えるよな
「お互い敬語は止めようか。堅苦しいのも嫌だし」
「それならそうさせて貰うけど…」
「二人ともそれでいい?」
「構わん」
「ふふっ、同じような会話をした事も思い出してしまうね。構わないよ」
そういやこんな会話してたっけな……唯が俺と同じ歳だって聴いてちょっと驚いたっけ
唯と俺は同い年だけど……オルガって何歳なんだ?
「そういやオルガって何歳なの?17とか18くらい?」
「私か?歳か……途中から数えていないからよく覚えていないが百かその辺りではないか?」
………………はい?




