三
自身の記憶が無いと言った〝ジェーノ〟は頭を掻きながら苦笑する。一旦視線を落とし、そのまま続けていく
「自分の名前も…僕がどんな人物で、何処で生まれたのかも憶えてないんだ。気が付いた時には全く見覚えの無い所に居て……そのまま当てもなく彷徨って今に至る…かな」
「そうなんだ…。唯、オルガ。二人とも見覚えある?」
聴くと二人とも首を横に振る。オルガも知らないとなると魔族では無いって事になるのか?いや、単に顔を知らないだけの可能性もあるか
訝しげな顔をしながら顔を近付けさせてオルガは首を傾げる
「フードを脱げ」
「あ、うん」
オルガ……初対面の相手に対して態度がデカ過ぎるんだよなぁ…ダイオン王に対しても不遜な態度取ってたし、どっかで火種の元にならなきゃ良いけど…
幸いジェーノさんは特に気にする事もなく頭のフードを外す。フードや髪に隠れて見辛かった顔と耳が露わになるとオルガはまた顔を顰めた
髪はやっぱりめっちゃ長かった。後ろ髪は腰ほどまである
「…もういいぞ。被りたければ被れ」
「あ、うん」
「私は全く覚えが無いんだけれど、何か分かったかい?」
「私も顔に覚えは無い。ならば種族をと考えたが……恐らく…恐らくだが、魔族では無い。唯と同じ人間でも無い」
うーん…となるとそれ以外の種族って事になるのか。俺みたいに異世界に転生した訳ないしな…俺の世界じゃこういう見た目の人いないし
「考えられるとすれば………エルフくらいだと思う」
エルフ…!そっか確かに魔族じゃなければ次に考えられるのはそうなるか!
「ただ解せんのは髪や肌の色だ。エルフにこんな髪色や褐色肌はいない筈だが……」
「エルフって男女問わず色白なイメージ強いもんな。金髪色白で長耳、美男美女〜みたいな」
「何故お前がそれを分かるんだ。お前の世界にはエルフはいるのか?」
「あ、いないんだけど。創作とかだとそういう感じで描かれる事が多いから」
「……何を言っているかよく分からんが、この世界のエルフの外見の特徴はそれで合っている」
そっかぁ〜羨ましいなぁ端正な顔立ちとか。
確かにジェーノさんすっげぇ整ってるし、耳も長いしそう考えるとさっきの異点以外は合点がいく




