八
結論から言うと意外とすんなり寝れました。走り回って身体が疲弊してたのと、色んな事が有り過ぎて精神も疲れ切ってたからだと思う。目を閉じたら三分と持たずに夢の世界にトリップ出来た
で、迎えた異世界(多分)二日目の朝。当然ながら朝食なんて無い。そろそろ本気で泣きたい
「ありがとうございました!良い旅を!」
「ああ、ありがとう」
話し声に顔を向けると頭を下げる男と…あ、昨日の子だ。って事はあの男の人は宿屋の人かな?送り出されてこっちに歩いて来てる
「ん?君は…」
「おはようございます」
「ああ、おはよう。昨日振りだね」
小さく笑いながら返してくる彼女。可愛いですね~~癒されますね~~
「もう発つんです?」
「この村に立ち寄ったのは森で道に迷ってしまったからなんだ。本来なら昨日中にクロコ洞窟に辿り着く筈だったんだが…」
先の柔らかい笑みとは別の苦笑いを浮かべる彼女。何だろうな…この子一つ一つの動作が画になる。何気無い動作も凄く惹かれてしまう
「クロコ洞窟…」
「この辺りに出る魔物より凶悪な魔物が巣食う洞窟だ。噂だが、その魔物達よりもずっと強力な魔物がその洞窟に潜んでいるそうだよ」
「一人で大丈夫…なんですか?」
「なに、心配には及ばないさ。こう見えて腕は立つ方だよ」
言って彼女は剣の柄をぽんぽんと叩いてみせた。無理しないで欲しいけど俺が引き留める理由も無いし、彼女は彼女なりの理由があってクロコ洞窟に行くんだろう
「なんなら私の言葉が嘘じゃないというのをお見せしようか?」
「え?どうやって?」
「簡単な事だよ。君も私と一緒にクロコ洞窟へ行ってくれればいい」
「はい?」
「戦闘は私に任せてくれ。君は魔物の注意を惹いてくれるだけでいい」
あれ?何かもう俺が一緒に行く事決定しちゃってない?まだ俺行くか行かないかの返答してないんですけど?何これ強制フラグ?
「さて、では急ごうか。ぼやぼやしているとまた日が暮れてしまう」
「あっれぇぇぇ……?」