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「はっはっはっはっはっ!!!!!!」
げらげらと笑うオルガを先頭に俺達は洞窟の奥へと歩みを進めている
……オルガが笑ってる理由?そんなもん決まってる
「いやはや!貴様のあの時の顔は私が今まで生きて来た中で一番愉快な顔をしていたぞ!それにあの悲鳴…まるで生まれたての赤子のようだったな!」
「うっせぇ!!!!!!!!」
…ちくしょー…助かったけど生き恥晒した
ゴブリン達の視覚、聴覚、嗅覚を奪う策は俺達三人には特効だった。事実、俺と唯、ルーギアスさんは皆同様に成す術無く敵の攻撃を受けるしかなかった
が、オルガだけは別だった。オルガの視覚ーーー…魔族の視覚は俺達人間よりも遥かに優れていて、あの暗闇でも見えにくい程度で闘う事は造作も無かったそうだ
あの暗闇の中でオルガは俺達の前に現れたゴブリンを斃し、奪われた松明を探し出して再度火を灯した。俺の目の前で
しかもわざわざ肩叩いて振り向かせて。絶対確信犯じゃねーか
「しかし…君がいてくれて本当に助かった」
「だろうな。フッ、私がいなければンフッ、今頃奴等の腹の中だぞ」
「オルガ、ありがとう。助けられたよ」
「礼は要らンフッ!お陰で良いものが見れた」
「随分俺の御尊顔がツボったみたいですねぇ!!!!!!!」
「うははははははっ!!!笑ッ!笑わせるな!その顔で近付くなっ!!!!」
「真顔なんですが!!!!!!!」
完っ全に馬鹿にされてる。そんな酷い顔を晒したんだろうか俺…
いや、馬鹿にされようが感謝すべきなんだよな。オルガのお陰で俺達は命を救われたんだ
「…オルガ、ありがとな」
笑いすぎて涙が出て来たのか、目を擦っているオルガに言うとオルガは気恥ずかしそうにそのままその指で頬を掻いた
「…馬鹿にしているのだから馬鹿にされていろ。まあ、これで貴様への借りは返したぞ」
「いや、あれは別に借りとかじゃ」
「ついでに言うと貴様の顔面を殴ったのは私だ。初撃を躱された先に貴様の顔があった」
「お前かよ!!!!!」
「止めようとはしたんだが、間に合わなかったのだ。だが大した威力は無かっただろう」
「普通に痛かったわ!!あ、そういえばその後の俺の胸辺りにぶつかったのって…」
「ゴブリンだ。私が殴ったゴブリンがそのまま零也の方へ吹っ飛んで行った」
やっぱりか…。それにしてもあの暗闇で闘えるなんて凄いとしか言えないな。俺はビビり散らかして泣きかけたのに
というか…あの最初の襲撃以降ゴブリン達の動きは全く無い。奇襲が失敗したからなのか、それともわざと誘われてるのか…
どちらにしても奥に進んでゴブリンを退治するしかないのは確かか




