十五
それから暫く歩いて俺達一行はゴブリンの棲家の洞窟の目の前まで来た。
クロコ洞窟とはまた違う嫌な雰囲気が洞窟の中から漏れ出てる。後は臭い。まだ洞窟の中に入ってすらいないのに思わず顔を顰めてしまうようなすっごい臭いがする
洞窟近くなって来た時点で臭いはしてきてたんだけど、目の前まで来るとかなりの臭気だ
「では行こうか。準備は大丈夫か?」
そんな事を気にも留めずにルーギアスさんが俺達に促してくる。身体の準備は出来てるけど心の準備はまだ出来てないんだよなぁ…
「ルーギアスさん少し待っ「当たり前だろうが。こんな間近に迫ってから二の足踏むような阿呆がいる筈ないだろう」
「オルガの言う通りだね。私達は問題無い」
「…そうか、頼もしい限りだ。そういえば君…何か私に言いかけたようだが…」
「いいえ?何も?言ってませんけど?」
「そうか…。君、目線が凄い勢いで泳ぎまくっているんだが…本当に大丈夫か?」
「はい。それはもう」
あんなん言われて待ってくれなんて言えないじゃん。本当なら深呼吸の一つか二つしたかったけど…
…いや、ここで深呼吸なんかしたら臭いで咽せそうだわ。やんない方が良かった
「…とんでもない臭いだね」
洞窟に入ってまた暫く歩いて洞窟の奥へと進んでいく。洞窟の中がかなり暗く、松明を燃やしそれを各々持ちながら進んでいるんだが……臭いがどんどん濃くなっている
顔を顰め唯が呟くと、他の二人も同感だと言ったように鼻を摩っていた
「ゴブリンの特徴…と言っていいかは分からないが、奴等は自分達が食べた食糧や排泄物を片す事が無い。そのまま放置された物の臭いだろう」
「見た目だけでなく行動すら醜悪なのだな…気色の悪い」
「でもさ、逆に考えたらこの臭いのせいで洞窟の中じゃ五感の一つを使えないって考えられるよな」
俺がそう言うと皆はっとしたように俺を見る。それと同時に何処からかパァン!という途轍もなく大きな破裂音が何発も聴こえて来た
うるっさ…!!何だこれ銃でも撃ったのか!?うるさすぎて何も聴こえなーーーー
「なっ!?」
そしてそれに合わせたようにゴブリン数体が俺等の目の前に降って来た
対処を遅らせた俺達がたじろいだ一瞬の隙を逃さず、ゴブリンは手に持っていた松明に掴みかかり、俺達からそれを奪い取っていく




