十四
ゴブリンの棲家を目指し歩く討伐隊(四人)。
本来ならしっかりとした部隊を編成して討伐に向かう所だったらしいが、怪我人が多過ぎて碌に動ける者が少な過ぎる事と、腕の立つ人が少ない為返り討ちに遭うリスクが高いから動こうにも動けなかったそうだ
…そう言ったルーギアスさんは見た感じ無傷だけど…単にルーギアスさんが強いから?それとも治癒魔法使ってんのか?
いや、それだとおかしいか。怪我は魔法で治せるんだし、ルーギアスさんが使えるなら皆治して回ればいいだけだ
「ルーギアスさん、城の中で治癒魔法使える人っていないんですか?」
俺がそう訊くとルーギアスさんは何を言っているんだと言う風に僅かに目を細めた
…んんん?俺変な事言っちゃった?
「治癒魔法は高位魔法だぞ?経験や修練を積めば使えるのかもしれないが…生憎私達の城で使える者は一人もいない。自己治癒や薬草を使った療法を行う事しか出来ないから今の現状になっているんだ」
「え?治癒魔法って高位魔法なんですか?」
「…………これは私の中の常識が間違っているんだろうか?」
「貴様の常識が普通だ。治癒魔法は高位魔法の中でも群を抜いて難度の高い魔法で、使える者は限られている。覚えておけ」
「へぇ〜、なら唯凄いじゃん。使えるんだから」
唯の顔を見ると驚いたような…いや、呆けたような?何とも言えない顔をしていた。
ただこれだけは言える。唯も俺と同じで治癒魔法がそんなに大層な魔法だと思っていなかった、と
「ああ……あれには驚いたぞ。顔にも口にも出さなかったが、まさか治癒魔法を使う人間がいて、それを使う所を目の当たりにするとは思わなかった」
「君は治癒魔法が使えるのか…!?」
戦闘開始する前にルーギアスさんの驚いた表情が見れました。信じられないといった様子で唯に訊いている。唯は変わらず何とも言えない表情をしながら目線を逸らした
というかオルガ顔にも口にも出さなかったって言ってたけど、状況説明の時言い淀んだりしてたから態度には出てたぞ。唯が使った時俺は気を失ってしまってたから顔に出たのかは分からないけど
「あ、いや…使えるには使えるんだが…詠唱に時間が掛かるしそんな大層なものでは…」
『いや大層なものだろう』
ルーギアスさんとオルガの意見が一致した。この世界じゃ唯の治癒魔法は習得するのがとても難しいらしい
確かにそうか。骨とか裂傷とかを直ぐに治すなんて普通無理だしな…。RPGじゃ回復出来なきゃ直ぐゲームオーバーになるから最初の方に習得できたりするだけか
「…君達は少し変わっているな…」
「私とこいつ等を一緒にするな」




