十
「はあー…じゃんけんも知らないんだ」
「寧ろそういったものがお前の世界には存在しているのだな。決め事をする時に役立つようだが…確かに迷った時に使うのは良さそうだ」
「ええと…これがちょき、これがぱぁ、これがぐぅ……だったかな?」
「ちょっとイントネーション違うけどそれで合ってるよ。チョキはパーに強くてグーに弱い、パーはグーに強くてチョキに弱い、グーはチョキに強くてパーに弱いんだ」
『いんとねぇしょん…?』
宿で夕食を摂った後部屋に案内され、身体を休ませながら俺の世界と唯達の世界の言葉の壁…というかどこまで俺の常識が通じるのか聞いてみた
分かった事は外国語が殆ど通じないという事。オッケーとか、サンキューとか。そういった英語は全く通じない。完全な日本語しか通じないという事が分かった
後は今話題となっているじゃんけん。これも唯達の世界には存在していないそうだ。正直これが一番驚いたかもしれない
「お前の世界には色々な娯楽が広まっているのだな…私達の世界とは違って争いも少ないと言っていたし…随分と平和な世界で羨ましい限りだ」
「私達の世界からは考えられないね。いつ何時魔物が襲って来るか分からないのだから」
昨日もオークが奇襲掛けてきたし、野宿とかも命懸けなんだよなこの世界…。確かにそう考えると俺がいた世界はこの世界に比べると全然平和なんだよな…
「さて、明日どうするか決めようか」
「明日…?ああ、あの金髪が言っていた城へ来いというやつか」
「ルーギアスさんの話してた内容的に戦闘系の事が絡んでるのは明白だろうけど…」
「私は別にどちらでも構わんが」
「私も特に…何か困っている事があるならば助力するのは吝かではない」
「なら行く方向で「ならそれこそじゃんけんで決めてみようではないか」
…………んん?
「唯が勝てば明日城へ行く。私が勝てば街を出て次の目的地を決める………両者が同じものを出した場合はどうなるのだ零也」
「あー…その時はあいこでやり直しになるけど…」
「よし、ならば択一でどちらかに決まるな。それでやるぞ」
「別に二人とも構わないなら行けば「うん、やってみようかオルガ」
…これ二人ともじゃんけんしたいだけだろ絶対…まさかルーギアスさんもこんな形で城に行くか行かないか決められるとは思ってもないだろうな…




