九
防具屋を出て次に向かったのはルーギアスさんが手配しておくと言っていた宿屋だ。既に日が落ち始め、辺りも薄暗くなって来ている
…結局、俺の防具を見繕う為に結構な時間を使ってしまった。オルガが街に入れるようになって本当に良かった…防具って一つ選ぶのにもかなり考えて選ばないと損するんだって勉強にもなったし
「オルガはその装備…ってかそんな薄い服で大丈夫なのか?」
「私のこれは物理や魔法に耐性を持つ特別な魔法が掛けられたものだ。貴様の防具よりも十二分に役割を果たす」
あー成る程、それなら全然問題ないか。やっぱ魔王の娘様なだけあって装備もすげー良いもんなんだな…大抵の攻撃は防御可能って事でしょ?肌が露わになってる所以外は
見た目俺が着てたTシャツとかジャージと変わらないぐらいのペラッペラな紙装備なのに防御性能は段違いとか…凄いとしか言いようがない
……森でオークに魔法掛けられたのはオルガ自身がクソ油断していたから…って言ったら怒るだろうから言わないどこ……
「唯のは随分使い込んでるけど…」
「ああ、これは母が使っていた物を使っているんだ。オルガに並べて言うわけではないが、防御の面に関しては全く心配要らないよ」
確かにトロルの一撃や洞窟の崩落にも耐えてたもんな…。あの装備が無かったらもしかしたら唯は死んでいたのかもしれない…と考えると怖くなってくるな
防御の面にって事は魔法耐性は無い…って考えた方がいいのかな?それともオークに魔法掛けられたのは唯がクソ油断……って言ったら唯が不機嫌になりそうだからこれも言わないどこ…
「む…。ここか?」
「そのようだな。他にそれらしいものも見当たらない。ここで間違いないだろう」
俺達の前にはウッドランドの宿屋とは比べ物にならないほど立派な宿屋が建っていた。外観がこれだけ立派なんだ、内装やその他のものもウッドランドよりも断然上なんだろうな…さすが城の下に宿を構えているだけあるわ
見惚れてしまっている俺の事などいざ知らず、二人はさっさと中へと入っていってしまった。何二人とも全然感激とか無いわけ?
「何を立ち惚けている。早く入るぞ」
「今夜はルーギアスの厚意に預かろう。零也も一日闘い、歩き通しで疲れたろう?早く休もう」
「…そうだな。そうしよう」




