三
防具を見繕うとなると確かに時間が掛かるな。店が多いから一通り見てから決めないと後悔しそうだし
あっ、つーかお金!俺一文無しなんだけど大丈夫なの?大丈夫じゃないわな分かってる!
「唯、俺お金持ってないんだけど…」
「道中、結構な魔物を斃しただろう?君の斃した魔物の分だ」
そう言って唯は俺に袋を預けて寄越した。中を覗くと結構な数の小さな金貨がじゃらじゃらと音を立てているのが見えた
「斃した魔物が消滅する際に出す黒紫の煙を感知し、それを金貨…私達が暮らす為の通貨に変える不思議な袋“金貨袋”だ。誰が作ったのか、いつからあるのかも不明だが、ここでは誰もが当たり前に持っている袋だ。オルガも持っている筈だよ」
なぁにそのご都合主義よろしくみたいな袋?RPGじゃ確かに魔物とか斃すとゴールド手に入るけどさ、そんな裏事情があったの?
「この袋は一定数金貨に変えるとそれ以上は金貨に変えずに煙を溜め込むようで……中から金貨を取り出すと即時溜め込んだ煙を金貨に変え放出する。つまり…」
「一定以上は重くならないし、膨らみもしない、だけど取り出す時は溜め込んだ分だけ取り出し可能…って事?」
「うん、そういう事だ。便利だろう」
打ち出の小槌みたいな感じって事?いや、あれは無から生み出すんだからちょっと違うか。あくまでこの袋は自分の斃した分だけ変えるんだもんな
…そう考えると打ち出の小槌の方がよっぽどあり得ないのか。そう考えるか、そう考えよう。そう考えないと話が進まない。そこら辺を気にする人なんていないし
「くれぐれも盗まれないよう気をつけるんだよ?後は落としたりしないように。自分の功績が泡になるのは嫌だろう?」
「うん、分かったよ。ありがとう唯」
「さて、それじゃダイオン城に向かうとしよう。早くオルガを街に入れてあげないと」
「今頃門番の人達とまた小競り合いしてるかもな」
「…可能性が否定出来ないから急ごうか」




