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「…オルガ、少しの間待っていてくれ。ダイオン王にオルガも街に入れるよう掛け合ってみる」
「ふん!どうだかな、門番ですら魔族の扱いはこうだ。街を統べる王がそう簡単に許しを出すとは思えんが」
「そん時はさっさと帰って来るよ。オルガ一人だけ待ち惚けさせるのも悪いし」
「…いいからさっさと行って来い」
後ろ髪を引かれるような思いで俺と唯は城下町へと歩いていく。門番二人は俺達の事を訝しげな視線を送りながらじっと見ていた
…大方魔族の肩を持つ人間だと思ってんだろうな。そんな三百年も前の事をずるずる引き摺ってんなよって思っちゃうのは俺がこの世界とは別の人間だからかね
「さて、先ずはダイオン王にオルガの事を話しに行こうか」
街の中央付近まで来たところで唯が切り出した。街の様子はとても盛んで、あちらこちらに店が構えられ、通り行く人達は皆その店達の売り物を眺めたり買ったりしている
景観も凄いもので、ウッドランドとは比べ物にならない程家が建ち並び、改めて城下町なのだと思わされた
「んー…でもさ、ここに来る目的は俺の帰る方法を探す為だったんだし、帰る方法が分かってるなら無理に話を通しに行かなくても良くない?」
「…それはオルガをあの場にずっと待たせるという事なのかい?零也」
「いやいや違う違う!もう街を出て違う所に行かないかって事!」
「ああ、そういう事か。だが…」
言い掛けて唯は俺の事を下から上へと見定める。じーっと、じーっと。
…な、何?そんなに見つめられると変な所があるんじゃないかって不安になるんだけど
「それは私も思っていたんだけれど、ここにはまだ色々と用が有るんだよ。半日とかその程度じゃ済まないと思うんだ。それまでオルガを待たせるのは忍びないだろう?だから先にオルガを街に入れてくれるよう王に進言したいんだ」
「半日とかじゃ済まない用事って…何か買うものとかあったりするの?」
「いや、自分の身なりを見なよ」
「?」
「……君の防具を見繕いたいんだ。今の君の装備は紙同然だろう。布一枚でこれからも闘っていくつもりかい?」
あっ成る程☆俺のTシャツ一枚下ジャージ姿に物申してたのね!!納得!!
確かにこんな格好じゃ魔物の攻撃まともに防げないしな…オークの一撃で骨折られたりしたし
というか…俺の服結構ぼろぼろになってたな。上も下も穴やら裂けやら汚れやらで凄い見窄らしい格好なってる




