十六
オークの魔法に掛けられてからの事を話すと、二人は悔しそうに顔を歪めた。特にオルガの方は怒りが篭っているのか目と歯が変化しつつある。怖い
「オーク…あの豚に私がしてやられたとはな…残念だ。貴様の代わりに私が奴を消してやりたかったぞ」
「零也、ありがとう。君が命を顧みず闘ってくれたお陰で私達は命拾いしたよ」
「…一応礼は言っておく」
「オルガ、こういう時つまらない意地を張るものではないよ。素直に感謝を伝えるべきだ」
「……感謝するぞ人間」
唯に諭されてしぶしぶといった様子ながらオルガが礼を言って来る。思わず顔が綻んでしまった
「…それはそうと、目が醒めたのなら自分で歩けんのか?」
「あ!悪い!…つーかよく俺の事抱き上げられてたな…」
「人間と魔族で腕力が同じな訳無いだろう。貴様くらいの重さなら三人は一度に運べる」
嘘だろこんな華奢な腕で俺三人分抱え上げるとか目ん玉飛び出るんだけど。いやでもマジなんだろうな…普通に真顔で言ってるし…
「…えーと。俺が気絶してからの事訊いてもいいかな?」
「特別変わった事は無い。私達二人が目を醒ました時既にオークは消滅していた。それからこいつが貴様を魔法……で…治癒したのだが、なかなか目を醒まさんから貴様を抱いて進む事にした」
「依然、迷いの森を彷徨い中だ…」
あー成る程成る程。俺がオークと闘ったのが日暮れだったはず…。で、今は朝を迎えるところなのか?森に小さく木漏れ日が差し込んで来てる
…俺そんな長い時間気を失ってたのか
というかオルガ唯が治癒魔法を使ったって言った時少し言い淀んでたな。どうかしたのか?
「貴様に命を救われたのはいいが、このままでは三人もれなく森で野垂れ死んでしまうな」
「何とか森を抜け出す手掛かりを見つけなければね…」
…手掛かりか。森の景色は歩いても歩いても同じ景色ばっかりだし、何か違う所を見つけないといけない、とかか?違う所っていっても木漏れ日が差し込んでるくらいで他に手掛かりなんて…
………あれ?
「ちょっとこっち行ってみよう?」




