十五
視界はぼやけてほぼ何も見えない。ひたすら拳を振り下ろした
もしオークが抜け出ていたのなら、俺はひたすら地面に拳を振り下ろす馬鹿な奴なんだろうな…。オークが抜け出ていない事を願って振り下ろす事しか出来ない
…駄目だ。もう、力が、入ら……
目を開け1番最初に映ったのはオルガの顔だった。同時に規則正しく俺の身体が揺れ動いている事にも気付いた…あれ?俺オルガにお姫様抱っこされてる?
「…ん?目が醒めたか?」
「零也!!大丈夫か!?」
俺が目を覚ました事に気付いたオルガが声を掛けて来た。唯もこちらに駆け寄って俺の様子を気に掛けてくれた。二人共無事だった…って事は俺はあのオークを斃せたんだよな…?
「すまない零也…私達が付いていながら君をあんな目に遭わせてしまうなんて…」
「…言い訳をするつもりはない。魔法に掛けられたのは私の落ち度だ、油断していた」
二人共申し訳無さそうに顔を俯かせながら話して来る。これに対しての俺の言葉は決まっている
「いや…二人共無事で良かったよ」
「魔法で傷は治癒したんだけれど、なかなか目を醒ましてくれなくて…本当にすまなかった」
あ、ほんとだ。肋骨とか絶対折れてたはずなのに全然痛くないや。むしろ痛む箇所が見つかんねぇ魔法ってすげぇ
「私達二人が目を醒ました時には辺りが凄い事になっていたぞ。地面は崩落しているわ、その中心にお前はぼろぼろになって倒れているわ…あの崩落はお前がやったのか?」
「まあ、そうなるかな」
「…そうか。お前の強さを見誤っていたかも知れんな。私は」
いや、決して見誤ってはいないと思う。単にあれはスキルが凄いだけであって、俺自身はスライムに負けそうになる最弱候補の一人だし
「…零也、私達が魔法に掛けられている間に何が有ったのか話してくれないか?」




