十四
再度棍棒で殴るやオークはそのまま俺を地面へと叩きつけた。ニタニタと気味の悪い笑みを浮かべたまま俺を見下している
焼けるような激痛が殴られた横っ腹から響いてくる
痛みに悶える間も無く、振り被ったオークの一撃が無防備な俺の肋骨辺りを直撃し骨の砕けた音が身体の中から鳴る。
息が…出来ない…
何とか酸素を取り込もうとしても思うようにいかない。肺が破れているのか空気の抜けるような音だけが聞こえている
無理に取り込もうとしたからか、今度は嘔吐感を覚え、地面に転がったまま吐瀉する…吐き出したのは血だった
「弱ぇぇ~~!!!こんなんで死んじまうのかよぉぉ~~!脆すぎんだろぉ~」
ゲラゲラとオークの笑い声が聴こえる
俺…死ぬのか…?
だろうな…最初から勝てるはずないって分かってたじゃんか。戦闘も初心者同然の素人が、こんな奴に勝てる筈無いって
ヤバい…視界もぼやけてきた…
…もう、いいか。この痛みから、苦しみから解放されるんなら。
「お前はそこでくたばっちまいなぁ。男の肉なんて硬くて旨くねぇしよぉ~」
そう言ってオークはくるりと背中を向けた
…まだだ。まだ駄目だ
まだ死んじゃ駄目だ。俺がここで何も出来ないで死んだら二人ともこいつに殺されてしまう
そんなの……駄目だ…!!!
「あぁぁ…?」
最後の力を振り絞ってオークの足を掴む。頼む…奇跡でも何でもいい。こいつを斃せる力を…!!
「てめぇそんなに早く死にてぇのかーーーーーーいでぇ!?な、何だぁ!?」
掴む力を強めた瞬間、オークが苦悶の声を上げる。
何が起こった…?まさか本当に奇跡が…
「てめぇ!な、何だその力は!?ぐああぁぁぁ!!」
更に力を強めると、オークは堪らず地面に尻餅をついてしまった……そうか。奇跡でも何でもない。これは俺のスキルの力だ
全身を奮い立たせ立ち上がり、オークに馬乗りになって拳を握り、顔面にありったけの力をぶつけた。殴った反動で地面に当たったオークの後頭部は、そのまま辺りの地面を崩落させた。




