十
「ふむ…。世界を救う為に八雲に呼び出された、か。確かに奴なら出来ん事もないだろう」
オルガでも八雲さんを知っているという事は、八雲さんの知名度が種族を関係せずにあるという証明になった。八雲さんってほんと凄い人なんだな…
「だが、呼び出されたのが貴様というのが解せんな。失敗だったのではないか?」
「うっせ、そこは俺が一番思ってんだよ」
「後は…八雲の言う奴等、というのは魔物を従える下賎な輩の事だろう。最近の魔物共の動きが気になってはいたが………そういう事か…だから……」
忌々しそうに拳を握りしめながら何故かオルガがまた怒り始めてる…何で…?
でも…あれ?魔物を従えるって…オルガの父さんの事じゃないのか?魔王って魔物を従えて世界を征服する奴の事を言うもんだとばかり思ってたんだけど…
てっきりオルガの父さんがラスボスだと勝手に想像しちゃってたわ
「オルガ、質問していい?」
「…何だ」
「魔物を従えてるのってオルガの父さんじゃないの?」
「馬鹿も休み休み言え、父様は魔族の王だ。魔族の頂点に立ち、魔族を率いているのが父様だ」
「魔物と魔族は別って事?」
「同族ならば私が魔物を斃す理由が無いだろう。奴等は他種を無差別に襲い、殺す。話し合いも聴く耳持たず…魔物は全種族の敵というのが一般的な考えだ」
ああ、確か唯もそんな事言ってたっけ…。
でも魔族って魔物みたいな見た目の奴いるんじゃないのか?魔物と間違われたりしないのかな?
「中には私達と似たような見た目の奴もいる。その逆も然りだが、対峙すれば分かる。自分達にとってそいつが有害か無害かはな」
つまりフィーリングって事?そんなアバウトな感じで大丈夫なのかよ…間違って殺されでもしたら堪ったもんじゃないよな
…まあ俺の世界でも野生の鰐とか蛇とか熊とか…会った時点でこっちにとって有害か無害か分かるからそんな認識なんだろう




