五
改めて周りを確認すると本当にここ何処なんだって思った。女の子と会った場所は道が拓けた所だったけど、今俺達がいる此処は辺り一面木、木、木…。
鳥とかその他の虫やら何やらの鳴き声が更に不気味さを増幅させている
…そういえば俺達ってどの道を通って来たんだっけ?あれ?
「…やはりここは迷いの森だったか」
「迷いの森…?」
うわー。これまたテンプレな名称の森だー…あれだろ?RPGとかで正しい道を進んでいかないとスタート地点に戻されたりするヤツ。面倒臭いよねあれ
「目印を付けておこう。自分達の居場所が分かるように」
「…ごめん…俺が先走ったせいで…」
「構わないとさっき言ったろう?それよりーーーー」
言いかけて唯はバッと背後を振り返る。近くの草むらがガサガサと音を立てて揺らめいていた。敵か!?
二人で剣を構え戦闘態勢に移る。草むらからその姿を現したのはーーーー
「…む」
「お前は…さっきの」
…草むらから出て来た者の正体はさっき別れたばかりの女の子だった。バツが悪そうな顔をして女の子はまた草むらに姿を消した
…これあの子も迷ってるパターンっぽいな。意地張らないで一緒に行動しようって言えばいいのに
「…私達も進もうか。いや、戻ると言えばいいのかな?」
「正直進んでんのか戻ってんのかすら分かんないんだけど…」
「…本格的に迷い始めているね」
ヤベェな、この森の攻略法が分かんねぇ。こうも同じ風景ばっかり続くと自分達が歩いている方向さえ分からなくなってくる。遭難する人の気持ちってこんな感じなのか…
「む…」
『………………』
今度は逆方向の森の奥からあの女の子が姿を見せた。完璧迷ってるよね?じゃなかったらこんな何回も会わないし…
「あのさ、迷ってる?」
「それは貴様等の方であろう?私は迷ってなどいないが」
出ました!迷ってる人の精一杯の言い訳“迷ってない”発言!!ただの強がりにしか見えない!!
どんだけ認めたくないんだよ…。明らかにお互い迷ってるのなんか目に見えてるのに…
「…森を出るまで一緒に行動しない?一人だと魔物の相手をするのも大変だろ?」
「……人間と手を組めと言うのか?私が」
あれ?確か最初に会った時も俺達の姿を見て驚いてたよな…。もしかしてこの子人間じゃないのか?




