四
女の子が唯に顔を向けた瞬間、鬼鉄球の片割れが女の子へと攻撃を仕掛けた。不意を突かれて対処の遅れた女の子は攻撃をーーーー
「こちらは任せろ。もう一体を頼む」
受けなかった。唯が女の子と鬼鉄球の間に割って入り、攻撃を剣で防ぐ。即座に鉄球を弾くと鬼鉄球の脇腹へ切り掛かった。鮮やかな反撃だ
しかし鬼鉄球を斃すには至らなかったらしく、鬼鉄球は唯から距離を取ろうと後退したのだがーーーー
「悪いがそんな暇は与えない」
後退した鬼鉄球に走り寄り、唯が剣の連撃を浴びせる。思ってもない行動に今度は鬼鉄球の方が対処を遅らせてしまい、もろにその連撃を受ける事になった
鉄球をどさりと落とした鬼鉄球はそのまま仰向けに大の字になって倒れてしまった。そして消滅…あっという間に勝負が付いてしまった
…強過ぎる…
一方、もう一体の鬼鉄球と対峙している女の子の方はというと…
「はあっ!!」
ドゴォッと物凄く鈍い音が鬼鉄球の鳩尾から聞こえた。鬼鉄球は白目を剥き、唯が倒した方とは真逆にうつ伏せになって倒れ消滅した
女の子…武闘家なのか?素手で鬼鉄球を斃しちゃったけど…どちらにしてもこの子も強いわ
「礼は言わんぞ。貴様等が勝手にしゃしゃり出て来たんだ」
くるりとこちらを向きながら片手を腰に当てながら女の子が言い放つ。いや言えよ礼くらい
俺にじゃなくて唯にね。俺は礼を言われる事何もしてないから言われなくて当然なんだけど。ただの傍観者だもん
「…つかぬ事を聞くが、何故こんな所にいるんだ?」
「貴様等に話す義理は無い」
何かえらく鼻につく態度だなこの子。仮にも助けて貰った人に対しての態度かよそれ
高飛車で高慢な態度とかまるでどっかの国の我儘お姫様みたいだ。そんなテンプレみたいな奴見た事なかったけど、やっぱいるんだねこの世界には
「…まあいい。では私達はこれで」
「………………」
ジト目で俺達を睨む女の子を後にして二人で元来た道を歩いて行く。こんな事なら来なきゃよかった…唯に無駄な労力掛けさせただけだったし…あの子なら二体相手にしてても間違いなく勝てただろうし
「ごめん唯。勝手な行動して」
「構わないさ。ただ……やはりこの森は……」
…音のする方へ走ってった時は気づかなかったけど、この森凄い薄気味悪いな…なんか今にも出て来そうな…




