三
道中、同じように唯からアドバイスを受けながら魔物と闘って行った。複数体魔物が現れると俺が一体だけ相手に出来るように唯が他の魔物の相手をしてくれていた
俺が死ぬ気で一体の魔物を斃した時には既に唯は戦闘を終えて傍観してるのがデフォなんだけど
「うん。随分見れる闘い方になってきたね。筋がいいな君は」
「そう…かな。精一杯やれる事やってるだけなんだけどね」
「剣の使い方はこれから慣れていけばいい。さて、先に進もうか」
そう言って唯は剣を収める。俺が唯のような剣捌きが出来るようになるのはまだまだ先みたいだ
……………ん?
「…何か聴こえない?」
「…?いや、私は何も聴こえないが?」
気の所為かな…?確かに何か聴こえた気がしたんだけどな…人の声っていうか…小さすぎて殆ど聴こえなかったんだけど
…いや、気の所為じゃない。今度ははっきりと聴こえた。何かが闘っている…?
「こっちから…聴こえてきたんだけど…」
「あ!零也!そっちはーーーー」
唯が何か言いかけた気がしたが、話途中で俺は声のする方へ走って行った。もし魔物に襲われているんだったら一刻も早く助けなきゃならない
俺が行っても戦力にはあんまりならないだろうけど
「あれは…!?」
音の正体。それはやはり闘っている音だった
鉄球を持った二体の鬼が交互に攻撃を仕掛けている。それを相手にしているのはーーーー女の子だった
背中を向けている為にこちらからじゃ顔は伺えないが、鬼の攻撃を見極めて躱している。それだけでもかなりの強さを持っているのだと感じさせられた
「鬼鉄球か…。零也、下がっていろ。君にはまだ荷が重い」
俺に追い付いた唯はそれだけ言うとすらりと抜刀しながら鬼と女の子に近付いて行く。役立たず宣言された俺は邪魔にならないように唯の戦闘を見守る事にした
「要らぬ世話かもしれないが、助太刀しよう」
「…人間…?」
「余所見はしない方がいいぞ」
「…ッ!?」




