十六
「“天災”の話?」
「あ、やっぱり何でも出来るんだ八雲さん」
「それは天の才能って書く方だろう?彼女の方は天の災害…そちらの天災だ」
朝、目醒めた唯から八雲さんの話を訊こうとしたらえげつない単語が唯の口から飛び出した。天災って…あの人災害扱いされてるんだ
…いや、この世界漢字も流通してんの?天の災害とか天の才能とかさ
………考えても意味無いな。昨日も思った事だけど、この世界は俺の世界と似通っていて、似通っていない異世界って事にしておこう。
「何故君が彼女の名を?」
「いや、えっと…」
なんて説明したらいいんだ?夢に出て来たって言えば通用するかな?通用するか。八雲さんの力を知ってる唯なら納得してくれる筈だ
八雲さんが見せた夢の話をすると唯は苦笑を浮かべながら頷いてくれた
「成る程、君がこの世界に来たのは彼女の所為だったのか」
「そうみたい。世界を救えって」
「それもまた雲を掴むような話だね…けれど、帰る方法が分かったなら城下町に行くのは止めようか?」
どうしよう?計画を変更した方がいいかな?でも旅して力を付けろってんだし、とりあえず行く方向で考えていいかな
「少し戦いに慣れたいし、経験積みがてら城下町に行ってみたいかな」
「分かった。なら今日は君が中心に戦闘してみるといい。私は君の闘い方の教鞭に徹するとしよう」
あ、ヤバイいきなり戦闘の難易度が跳ね上がった。楽々城下町に行けると思ってたのに、死ぬ思いを何度もしながら城下町を目指さないといけないかもしれない
でもそうやって成長していかないと八雲さんの言う敵に勝てる訳無いしな…。あ、そういえば唯のお父さんの大剣って俺が使ってて良いのかな?
「唯、この大剣って俺が使ってても良いの?」
「ああ、その方が父も喜ぶだろう。他に良い武器が見つかるまで使ってくれ」
俺の相棒が棍棒から大剣に変わりました。見た目めっちゃイカつくてカッコいいっす




