十一
俺が事の顛末を話すと当然、唯はぽかんと呆気に取られた顔をしている。まあしゃーないしゃーない俺がこんなんいきなりカミングアウトされても同じリアクション取るもん
そう思っていたんだけど、唯は少しの間目を瞑り…やがて口を開いた
「それで、君はどうしたいんだい?」
「え?」
「この世界で生きる道を選ぶのか、それとも元居た世界に帰りたいのか」
…信じてくれているのか…?
間違いない、唯は俺の話を信じてくれている。信じてくれた上で俺に聞いているんだ
だったら俺の返す言葉は一つだ
「帰りたいです。でも帰るにはどうすればいいか分からなくて…」
「そうだな…この村…ウッドランドから北西に向かった先に少し大きな城下町がある。そこなら何か有力な情報が掴めるかもしれない」
北西にある城下町…そこに何か情報があればいいけど…あるんだろうか?情報があるって事は俺以外にもこの世界に来た人がいるって事になるけど
何にしても次の目的地は決まった。着くのがいつになるか分からんけど
「零也。君は私の言う事を聴いてくれたね?」
「言う事…?」
「クロコ洞窟に一緒に行くと言う事さ。なら、次は私が君の言う事を聴く番だ」
一緒に付いて来てくれるのか…?唯は…そう促してくれてるんだろうか…?
「あの…俺と一緒にその城下町まで付いて来てくれませんか」
「ああ、勿論良いとも。それと、敬語になってるよ」
「あ」
「ふふっ…零也、改めてよろしく頼む。城下町へ行くまで私が君を護ろう」
やだ凄いイケメン。こんな台詞言われたの初めて!女の子に!しかも同い年の!
…情けない事この上ない。本来ならこの台詞男が言う台詞だよな…
「こちらこそよろしく唯。俺の話を信じてくれて…俺の私情に付き合ってくれて本当にありがとう」
「なに、鍛錬のついで…というと聴こえが悪いかな。一人で旅を続けるのは億劫になっていたんだ。今日君と一緒に居て楽しいと思った。やはり誰かと一緒というのはいいな…ってこれは洞窟でも言っていたね」
「なら生涯の伴侶になりますか?」
「それは丁重にお断りしよう」
わあ一切迷いのない返事。まああっちも冗談だって分かってるだろうしな…本気で言って今みたいにすっぱり断られたらちょっとショックだったけど




