三
とりあえず今言える事はこれだ。
“寝て起きたら何処か違う所にトリップした”。
…疑ってるのか?本当の事なんだよ!
普通にいつも通りに寝て、ぱっと起きたらあら不思議!目の前に広がっていたのは豊かな緑に包まれた森の中でした!!
事態を把握すんのに暫く時間要したし、そんでどうしようもないから当ても無くとぼどぼ歩いてたらさっきの三つ目のワンちゃんの群れに遭遇、追いかけ回されて今に至るって訳
命からがら助かったはいいけど、これからどうしよう?今の状況を把握したっつっても此処が何処かも分かんないし、何処行けばこの森を抜けられるのかも分かんないし、まず人が近くにいるのかも分かんない。マジで何なんだよこれ
あ、もしかしたら実はまだ夢見てました~~ってオチ?ああ成る程ね!それならこの超常現象の説明もつくね!
よし、ここは一つ夢かどうかを確かめる為に定番の頬を抓ってみよう
「…………よぉし!痛いぞ~~!!」
…結果は思った通りでした。走って息切れして肺が苦しくなったり、途中で木の枝で切ったりとか色々と小さい怪我して痛みがあったから分かってたんだけどね。でもやっぱ信じらんないじゃんこんなの
頭で理解はしてるけど、認めたくないって感じ。まさかこんな事に巻き込まれるなんて思ってもみなかった
「どうしよ…」
当ても無い、金も無い、自分の身を守るものも何も無い。こんな状況でどうしろって言うんだよ…
恨むぞコンチクショウ。俺をトリップさせた誰か
もし死んだりしたら毎晩枕元に化けて出てやるから覚えとけよ畜生