九
東雲さんと同室ですか、ほほう…これはあれですか?あれですね?昨晩はお楽しみでしたね?ですね?
邪な事を考えてる俺を尻目に東雲さんは部屋に入るなり胸当てを外し、脚具を外し…どんどんラフな格好になってしまう
極め付けに結わえていた髪を解くと、部屋に備えてあった椅子に腰掛け大きく息を吐きながら天井を仰いだ
「し、東雲さん?」
「…!?あ!いや!違うんだ!これはその、いつもの癖で…」
一人で宿を取る時は部屋に入るなり防具を外して髪を解くんですね!分かりました!俺の事忘れてたんですね!
…まあいいや。東雲さんの生着替えを見れたし、眼福です。別に肌を晒した訳じゃないし何の興奮もしなかったけど
ただ、東雲さんが髪を下ろした時はちょっとドキッとしたけどね。印象変わるなー…。髪を結わえてる時は凛とした印象強いのに、髪を下ろした途端急に雰囲気が柔らかくなったっていうか…大人びて見える
「…すまない。一人で宿を取る時はいつもこんな感じに乱雑なんだ」
「いえ、別に構いませんよ。東雲さんの場合は防具も付けてるし、さっさと着替えたい気持ちは分かります」
「そう言って貰えると助かるよ。それと…別に私に敬語は使わなくていいよ。大きく歳が離れている訳でも無いだろう?」
「…そう…ですか?俺22なんですけど」
「なら尚更敬語は不自然だよ。君と私は同い年なんだから」
意外な所で東雲さんの年齢を知れた。何と同い年だった…ごめん、ぶっちゃけ東雲さんの事もっと下だと思ってた
「東雲さん、ではなく唯でいい。敬語も使わなくていい。代わりに私は零也と呼ばせて貰う。これでいいだろう?」
「わかり…分かった」
「うん、それでいい。では零也、この部屋に備えてある風呂に入る順番を決めようか」
「唯が先でいいよ」
「…覗いたりしたら部屋から出て行って貰うけれど、良いかな?」
「ウンワカッタ」
「…一応信用はしてるんだ。信用していなかったら男と同じ部屋を取りなんてしない。それくらいの体裁はあるんだぞ、私も」
…唯の信用を裏切りたくない。
唯が風呂に入っている間、俺は鋼の精神で煩悩に打ち勝ち見事唯の信用を守ったのだった




