二
完全に呆気に取られた顔をしている。何言ってるんだと言いたげな顔かもしれない。どちらにせよ、俺の言った事は理解してくれてないみたいだ
僅かな間の後、東雲さんはこう訊いて来た
「…策があるのかい?」
「策とは到底言えませんけど、あります」
そう、これは策なんかじゃない。行き当たりばったりの、穴だらけの、こうであって欲しい、こういって欲しいという個人的願望が大いに入っているーーーいわば願望策
しかもしくじれば二人共あの世行き確実の博打。普通なら絶対にやらないだろう大博打だ
内容を話すと、東雲さんはふっと笑った
「失敗したら私達は間違い無く死ぬだろうね」
「はい。一緒に死にましょう東雲さん」
「嫌だ。私はこんな所で死にたくなんかない」
「さっきは自分は死ぬ気で俺の事逃がそうとしてくれてたのに…」
「それはそれだ。だから暁君、君のこの策を絶対に成功させよう」
その言葉に強く頷く
大きく息を吐いて、トロルを見る
…覚悟は、決めた。
足の竦みは消えた。落ち着いたからかは分からないけど
斃す、この化け物を。
生きる。この化け物を斃して。
自分の身を犠牲にしてまで俺を逃がそうとしてくれた東雲さんをここで死なせる訳にはいかない。こんな弱い俺を助けようとしてくれた東雲さんを死なせたくない
「君を信じるよ、暁君」
「信じます、東雲さん」
こんな俺を信じると言ってくれた東雲さんをーーーー絶対に死なせはしない!!!




