十四
「0!!!」
0の合図とともに一直線に魔物の群れへと駆ける東雲さん。俺もその後へ続いていく
当然、魔物達が俺達を黙って見過ごす訳もなく、正面の魔物達はこっちに向かってくる。後ろの魔物達は俺達を追って来ていた
「そこを!!退け!!!」
大声で叫びながら東雲さんは魔物達に斬り掛けるが、今までとは違い魔物は一撃で遣られなかった。二度三度の追撃を仕掛けてやっと一体斃れるくらいだ
そうしている間にどんどんと後ろの魔物は近付き、遂に俺達のすぐ側まで追い付いてしまった。
作戦は失敗だ…。そうなると、東雲さんの背中を護るのは…………俺、ということになる。
「やはり駄目だったか…」
「……やるしか無いんですね」
覚悟を決めるしかない。生きるか死ぬか、デッドオアアライブ。この世界にいれば遅かれ早かれこんなピンチは訪れてたんだ。ここを切り抜けられるようじゃなきゃ、どうせつまらないとこで野垂れ死ぬに決まってる
やってやるぜ…!東雲さんから貰ったこの棍棒で魔物共を一匹残らずぶっ斃してやる!!
「食らえぇぇぇぇ!!!!………え?」
決意の叫びと共に一歩踏み出すと、踏み出した地面がめこりと凹む。それと共にカチッという何かが作動したような音がした
少しのラグを経て、ゴゴゴゴ…と何やら地鳴りのような音が聴こえて来る。嫌な予感しかしない
「何ですかね、この音」
「察するに、君は洞窟に仕掛けられた罠の作動釦を踏んだんだろうね」
おかしいな。俺達の事をあんなに殺気立たせて襲い掛かろうとしていた魔物共が今は俺達に目もくれずに皆洞窟の奥へと一目散に駆け出している
そして俺と東雲さんは何故か達観してその状況を見ている。菩薩のような心とはこの事を言うんだろう。何だか凄い心が穏やかだ
やがて……ゴロンゴロンとそれはそれはとてもとても大きな大きな岩がこっちへ向かってきた。これに潰されたらアニメとかでよくあるペラッペラの紙人間のようになれるだろう。
まあ現実はあんなコミカルにはならないだろうけどね。見るのも憚られる位悲惨な光景が出来上がるんだろうなぁ⭐︎
「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ににに逃げるぞ暁君っ!」
二人共最初の作戦で駆け出した時よりも遥かに速いダッシュで逃げた。人間やれば出来る




